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2021.04.16 Fri

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Web記事・印刷物の品質を上げる「校正・校閲」。15年かけてたどり着いた方法と注意点。

「校正」という作業の重要性

新聞や雑誌など印刷媒体、Web記事の制作にとって、欠かせない作業があります。それが校正・校閲です。校正も校閲も、大きな意味では間違いを見つけるための作業。もし間違いに気づかず印刷・製本してしまった場合、簡単には修正できなくなってしまうため、何としてでも未然に防ぎたいものです。もちろん印刷媒体に限ったことではなく、すぐに修正可能なWeb記事であっても、信頼性を高めるためには、校正・校閲は大切な作業だと言えます。

編集者やライターにとって校正・校閲は身近な作業ですが、例えば自社の情報を外に発信する広報の方、オウンドメディアを立ち上げて執筆も自社でやっている企業の方などにとっても無関係な話ではありません。公に向けて文章を書く人なら誰でも、校正・校閲について知っておいたほうがよいでしょう。

専門でやっているプロの方もいるほど、校正・校閲は奥が深い仕事です。今回は15年以上にわたり、間違えのない記事づくりをめざしてきた当社がノウハウとして蓄積した、編集者・ライター視点での、校正・校閲のコツや精度の上げ方についてご紹介します。

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1.校正と校閲の、共通点と相違点

デスクで校正を行う女性

校正と校閲の違いは?

校正と校閲は間違いを見つけるという点では同じですが、その作業内容は異なります。

校正とは?
誤字や脱字を正す作業。印刷物での校正では、元の原稿と最新の原稿を照らし合わせ、間違いを見つけ出します。

校閲とは?
文章の内容や表現に誤りがないか、事実関係に間違いがないか確認する作業。データなどの確認を行う「ファクトチェック」も校閲に含まれます。

 

校正・校閲はなぜ必要なのか?

編集者やライターのほぼ全員が、間違った情報を掲載してしまった苦い経験があるはずです。当社の周りからも、「電話番号を間違えたまま掲載され、その電話番号を買い取ることになった」「イベントの日程を間違えたまま出版されたため、現地で来場者にお詫びをした」「名前を間違ったため、印刷後にシールを貼った」など、ミスによってユーザーに多大な迷惑をかけ、自身も大変な経験をしたエピソードが聞こえてきます。

校正・校閲の作業を怠ると、誤字脱字や内容の矛盾に気づかず、それどころか間違った情報を世の中に発信してしまうかもしれません。それはいわゆる「誤植」と呼ばれ、編集者やライターにとって何が何でも避けたい事態です。

友人同士のメールや個人のSNSなどであれば、あまり気にしなくてよいかもしれませんが、たくさんの人が読む文章ならどうでしょう。もしあなたが誤字脱字だらけの記事を目にしたら、「ここに書かれてあることって確かなの?」と内容まで疑いたくなりませんか?実際、情報自体に間違いがあれば、読者にも迷惑がかかってしまいます。

最近活発なWeb記事の場合、紙媒体と違ってすぐに訂正できる特性があり、スピード性がメリットでもあるので、校正・校閲にあまり時間をかけられないのが現状。しかし、信頼性を上げるためには、Web記事にとっても校正・校閲は大切です。

校正・校閲は誰がするのか?

ところで、校正作業は誰がするものなのでしょうか。大手の新聞社や出版社には校正(校閲という名前の場合も)の部署があり、専任で作業にあたることが多いようです。また、校正・校閲の専門会社に頼るケースや、制作会社などは編集者がその業務を担うことも。

エディマートでは、新聞や雑誌の場合は専門のプロの校正者とともに、Web記事や小冊子などの場合は社内の編集者が校正・校閲作業にあたることが多いです。

校正・校閲では何をチェックするのか?

間違いを見つけると言っても、具体的に何をチェックすればよいのでしょうか。前述のように、厳密に言えば校正と校閲では作業は異なります。しかし、編集者やライターは、校正と校閲を同時に行うことが少なくありません。この記事を読んでいる方も、自身が校正と校閲を兼務することが多いと考え、両作業のポイントをまとめて紹介します。

  • 「て・に・を・は」の助詞の使い方は正しいか
  • 誤字・脱字はないか
  • ら抜き・い抜き言葉を使っていないか ※例えば「肉が食べれる」ではなく「肉が食べられる」、「本を読んでる」ではなく「本を読んでいる」が正しい。しかし、話し言葉として許容される場合もあります
  • 矛盾が生じていないか
  • 間違った日本語を使っていないか
  • 事実関係が間違っていないか
  • 表記はそろっているか ※例えば、「嬉しい」とするか「うれしい」とするか。漢字・ひらがなどちらを使うかなどは媒体のルールにそろえたほうが、見栄えがよくなります

2.校正時に見落としたくないポイント

校正ミスを発見してしまった女性

どんなにしっかりチェックを重ねても、やはり人間なのでミスは起きてしまうのが現実です。しかし、誤植の中でも致命的なものがいくつかあります。これはクレームにもつながってしまう危険があるので、注意深く校正・校閲にあたらなければなりません。

クレームにもつながる危険な間違い

  • 値段や個数、日程などの数字
  • 店舗名や人名、社名、地名、商品名などの固有名詞
  • 住所や電話番号などのデータ
  • 差別表現や不快表現

先ほども一部を例に出しましたが、「商品の値段が実際は50,000円なのに一桁間違えて5,000円になっていた…」「イベントの開催日が一日ずれていた」といった数字に関する誤植や、「問い合わせ先の電話番号が間違っていた」というデータの誤植は、読者にもクライアントにも大きな迷惑をかけてしまいます。正しい情報かどうか、入念なチェックをしておきたい部分です。

そのほかにも注意したいのが、差別表現や不快表現。例えば、人種や職業、病気、ジェンダーなどに関して無意識に使った言葉が、人を傷つけてしまう可能性もあります。自分では差別の意味を含んでいなかったとしても、人によって受け止め方は異なるため、少しでも可能性があれば避けたほうがよいでしょう。

例えば、以前は当然のように使われていた看護婦や保母さんという言葉は、同じ職業を男女で区別するのは良くないとされ、現在は「看護師」「保育士」と言い換えられるようになりました。世論が何を問題視するかは時代によって変わるので、常に意識するようにしたいですね。

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3.精度を上げるために心がけたいこと

自分以外の視点を入れて校正を行う男女

2003年に創業した当社も、少なからず誤植を経験してきました。その都度、ベストな校正・校閲の方法を検討し、改善を行っています。15年以上にわたり、正確な情報発信に努めてきた当社が、現在、校正・校閲の精度を上げるために心がけていることをご紹介します。

紙に出力する

パソコンのモニターでは文字を追いづらく、紙に出力したほうが間違いに気付きやすいと言われています。Web記事であっても、必ず出力して校正にあたりましょう。

他の人に見てもらう

自分で執筆した場合、一人よがりにならないよう、自分以外の視点を入れると、思わぬ気づきがあります。間違いを見つけるのが得意な人もいますが、自分の原稿だとどうしても見落としがちです。それだけ自分の文章を客観的に見るのは難しいもの。

時間を置いてみる

自分で執筆した文章を自分で校正する場合、執筆してから時間を空けたほうが、客観的な目で見ることができます。

作業者に的確に伝える

修正指示は基本的に赤ペンで書きます。なぐり書きなど読みづらい指示を入れると、デザイナーやDTPなどの作業者が解読するのに時間がかかるだけでなく、時には間違った認識のまま修正してしまいかねません。誰もがわかりやすいような明確な指示を、きれいな引出線とともに余白に入れるようにしましょう。文中に入れた修正の指示は、見落としにもつながります。

時には妥協も必要

例えば、表記の統一。「うれしい」と「嬉しい」が同じ記事内で混在していたとします。もちろんそろっているのが好ましいですが、違っていたからと言ってクレームにつながるという可能性は極めて少ないでしょう。時間が限られている場合、校正ポイントをしぼり、統一表記のチェックは最低限に抑え、クレームにつながりかねない数字や固有名詞などを優先的にチェックするという臨機応変な対応も必要です。

プロの校正者を併用する

「他の人に見てもらう」でもふれましたが、自分の文章を客観的に見るのは難しいもの。もっと言えば、制作会社の全員が「間違った知識」や「共通の先入観」を持っていたとしたら、社内の別の目を通しても、間違いは防げません。また、医療や介護、美容、金融など、誤った情報が時に大きな損害を与えたり、死にもつながりかねないデリケートな情報は、専門機関にファクトチェックを出すべきです。
当社でも、取り扱う情報の内容、ボリューム、納期から総合的に判断し、プロの校正者を併用することが少なくありません。もちろん、その分の制作費はかさみますが、軽視すべき点ではないと考えますし、クライアントにも丁寧に説明をして理解を得るようにしています。

4.校正・校閲で品質を向上させた実例

ぴあ・喫茶店の本 東海版

☆多種、複数の情報を扱うメディアは、社内外の校正・校閲で万全に

当社では情報誌まるごと一冊の、企画から取材、原稿、デザイン、印刷データ作成まで行うことも少なくありません。制作を慎重にすすめるのはもちろんのこと、取材先の確認とともに、社内でも複数の目で校正・校閲を行っています。そして印刷入稿前には必ず全ページを出力して、頭からお尻までを通しで読みこみ。そうすることで、企画単位では気づかなかったエラーが判明することも。多種、複数のデータを扱うため、こちらの媒体はプロの校正者にもチェックを依頼し、万全を期しました。

中日新聞・くらしと中日 Clife

☆医療に関する記事は、専門の監修者に確認を依頼

中日新聞社発行「くらしと中日 Clife( シーライフ)」の靴特集の中で、「足のトラブル対処法」という企画を実施。医療に関する情報であったため、社内での校正・校閲とともに、医療専門の監修者にチェックを依頼しました。

 

中日新聞・各種広告記事

 

☆最大約213万部を発行するメディアは、新聞社の校閲前に完璧なものに

愛知、岐阜、三重の東海3県を中心に7県で約213万部を発行する中日新聞。当社では数多くの記事広告の制作をお手伝いしています。新聞社社内でも校閲はされますが、あくまでも最後の予防線。誤植があれば、非常に多くの読者に迷惑がかかります。当社から納品する段階で完璧なものに仕上げるため、制作途中での校正・校閲とともに、最終段階では出力を行い、一字一句間違いがないか、鉛筆で印をつけながら読み込んでいます。掲載日の前日ギリギリに内容が固まることもありますが、どれだけ時間が限られていても、校正・校閲作業は手を抜きません。

EmoBooks・それ、編集入ってますか?

☆著者目線で発信する書籍は、第三者の視点がとても大切

当社EmoBooksレーベルから出版した書籍「それ、編集入ってますか?」。代表の鬼頭による、会社に編集業界への想いをまとめた一冊です。過去のブログやホームページの記事をベースに執筆した本書は、コラムごとに表記がまちまちであったため、統一を図るために外部の校正者に見ていただき、表記ゆれの抜け漏れをチェックしてもらいました。また、出版不況にまつわるデータや、感銘を受けた偉人の名言などについても、外部校正者のファクトチェックにより、間違いがないか確かめた上で印刷に回しています。

5.最後に

何度も校正作業を重ねても、誤植は起きる時は起きてしまいます。新聞や雑誌などしっかりとプロの目を通した出版物でさえ。だからこそ校正を疎かにしてはいけません。「複数人でチェックしてあるからたぶん大丈夫」という姿勢で臨むのはもってのほか。校正は誤植を防ぐ重要な作業なので、読者に正しい情報を届けるためにも、クライアントに喜んでいただくためにも、気を引き締めて臨みたいものですね。

また、校正・校閲をしっかりと行った、高品質なアウトプットを求めるときに、当社を頼っていただくのも一案です。困ったときはお気軽にご相談ください。

 

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MICHIKO SUZAKI

この記事の執筆者MICHIKO SUZAKIクリエイティブ・マネージャー

関西大学在学中、カンボジアの少年と出会ったことをきっかけに、無関心を卒業すべく17か国をめぐる地球一周の船旅に出る。知ることの大切さと伝えることの難しさを感じ、編集という仕事を志すことに。2009年エディマートにアルバイト入社し、4カ月後に正社員に。主にエリア情報誌(飛騨高山と伊勢志摩が得意!)や新聞広告、子ども向け新聞などの編集・ライター業務に携わる。なかでも映画関連の俳優・監督インタビューと、国内外問わずカメライターとしての旅取材経験多し。九州生まれ。

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