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2019.08.05 Mon

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「社員インタビュー記事」の作り方。自社で取材、撮影、執筆を行う場合のポイント

社員インタビューのイラスト

オウンドメディアで自社の考え、商品やリソースの優位性、社員の人柄を発信するには、「社員インタビュー」は効果的です。しかし、ディレクターに切り口を考えてもらって、ライターにインタビューをしてもらって、カメラマンに撮影してもらってと外部へ依頼すると、1記事あたりのコストも膨らんできますよね。

制作の一部、もしくは全部をアウトソーシングするとしても、「作り方」を把握しておくと費用面においても推測が立てやすいと思います。今回の記事では、切り口の決め方、取材・撮影のディレクション、記事制作のポイントなど、社員インタビュー記事の作り方を解説します。

1.記事の切り口を決める

机に向かって記事の切り口を決める

社員インタビュー記事を作る際に、最初に考えたいのが「記事の切り口」です。普段からいろんなメディアの社員インタビュー記事を目にしますが、「もったいない…」と思う記事にはある傾向があります。

それは、

  • 人物紹介の記事になっている

という点です。

企業のオウンドメディアである以上、読者が興味を持つのはインタビュー対象者の「ノウハウ」「独自性」「先進性」が中心になります。その人の「趣味」「性格」「やりがい」はあくまで補足情報であるべきなのに、それらについて長々と書いてしまうと「結局、何が言いたかったの?」と本質が伝わらない記事になりかねません。

まずは「読者に何を伝える記事にするのか」を決めておき、話題の軸を作っていきましょう。おすすめは、最初に「仮タイトル」を考えておく方法です。自身の知識や、ネット・書籍でリサーチを行い、「こんな記事にしたいな」というイメージを膨らませてみてください。

仮タイトルの例

  • オウンドメディア成功のカギは「アナログ」的な解釈。年間100件のメディア立ち上げに携わるwebディレクターが導き出した最適解は?
  • 「効率化の答えは“ドライバーの安全”でした」。社内の反対を押し切って進めたIoTの導入が、物流の常識を変えた。
  • 文房具メーカーが飲食店を経営?消しゴムの開発を20年間続けた企画担当が狙う、新たなビジネスの形とは

※すべて、ぼくの想像で考えた記事タイトルです。事実とは異なります

2.インタビュー前の準備

膨大な資料を読んでインタビュー前の準備を行う

切り口を“こま切れ”にして質問を考える

記事の切り口が固まったら、インタビュー対象者へ事前にわたす「質問シート」を作りましょう。実は、記事の切り口が固まっていれば、質問内容はとても考えやすいのです。例えば、以下の切り口をベースに実際に考えていきます。

  • オウンドメディア成功のカギは「アナログ」的な解釈。年間100件のメディア立ち上げに携わるwebディレクターが導き出した最適解は?

この切り口を“こま切れ“にして、キーワードに対する質問を考えていきましょう。

質問の考え方

  • オウンドメディア成功のカギ

    ○○さんが考えるオウンドメディアの成功指標は/成功するためには何をしたら良いか/失敗はどんなパターンを指すのか/成功、失敗を判断するのに必要な期間はどのくらいかetc.

  • 年間100件のメディア立ち上げに携わる

    ○○さんはどのような立場で制作に携わっているのか/どんなチームを組んでプロジェクトを進めるのか/理想的なチームの条件は何か/特に印象深い事例は/成功体験&失敗体験etc.

  •  webディレクターが導き出した最適解は?

    ○○さんの経験則で導き出した「成功のカギ」は何か/どんな経験によってその答えが出たのか/その答えに懸念事項や例外はないか/その答えを資産に、今後どのような展開を想定しているかetc.

このように、切り口に散りばめたキーワードを“紐解いていく形”で質問を考えていきます。ここで挙げた質問もぼくの方で適当に想像しましたが、その人の経歴や性格、会社での立ち位置を把握していれば、より具体的な質問を用意できることでしょう。

ここで知っておいてほしいポイントは、切り口を決める前に「質問」を考えるのは避けてほしいということです。「どんな記事にしていきたいのか」「どこまでの話を聞きたいのか」「最終的に読者に何を伝えたいのか」を明確にし、実りある質問を考えるようにしましょう。

質問はインタビュー対象者に事前に共有。回答も考えておいてもらう

インタビューの数日前には「質問シート」を対象者に共有しておきましょう。その際に、「どんなことを話すか、ある程度考えてきてくださいね」と伝えておくと良いですね。また、可能であれば質問に対する回答を文章でもらえると、当日のインタビューがさらに充実した場になると思います。

難なく会話できる程度に、勉強をしておく

当たり前のことですが、インタビュー前に最低限の知識は勉強するようにしてください。ただ、社内のスタッフに話を聞くのであれば、それほど深く学ぶ必要は無いとも感じます。

  • インタビュー対象者の経歴
  • 現在はどんな仕事をしているのか
  • 話題の中心になりそうな実績
  • 仕事における力点(やりがい、実績、お金)はどこか

この程度を把握しておくと、インタビュー時の会話がスムーズになりそうですね。

注意点ですが、プロのライターとして他社の社員をインタビューする際はこれに当てはまりません。企業の歴史やビジネス領域、インタビュー対象者の深い経歴をしっかりと調べるようにしてください。「深く学ぶ必要がない」のは、あくまで自社の社員をインタビューする際の話です。

3.インタビュー当日の動き

複数人の男女で社員インタビューを行う様子

そしてインタビュー当日。ICレコーダーを回して、さあ本番です。

プロのライターがインタビューで意識するポイントは?

社員インタビューのハウツー記事ではよく、「緊張をほぐして〜」「リラックスした雰囲気を作って〜」など書かれているのをよく見ますが、実際はどうでしょうか?これをクリアするのって、実はプロのライターでもハードルが高いテクニックだと思います。

では、プロのライターは何を意識するのか。

それは話題を適切に「掘り下げる」ことです。新人からもよく「どうしたら、インタビューで上手に話せますか?」と聞かれますが、決まって「“上手に話す”必要はないよ」と答えるようにしています。従って、無理に和気あいあいとした空気を作る必要もありません。

自身は言葉に詰まりながらでも構わないので、インタビュー対象が発した話題に対して「疑問」を見つけ、質問を重ねるように意識してみてください。きっと、「そうですね」「そうかもしれません」「それは違うかも…」という回答が減り、具体的なエピソードを引き出せるはずです。

念のため、まとめておきます。

  • ICレコーダーでインタビュー音声を録音する
  • “上手に話す”必要はない。相手の話に傾聴することが大事
  • 話題に対して疑問を持つ。「なぜそうしたか」「どうだったか」「どう感じたか」を聞く
  • 「そうですね」「そうかもしれません」「それは違うかも…」の回答が続いたら要注意

仕事の雰囲気をイメージしてもらえる写真を撮影

社員インタビュー記事でよく見かけるのがこんな写真。

社員インタビュー記事でよく見かける写真

撮影するべきカットではありますが、このような写真だけが差し込まれた記事はどうでしょうか?ぼくはあまり、興味深く読みたいとは思えません。

インタビュー当日にできる範囲で、話題に出てきた「お仕事シーン」の写真を撮ってみてはいかがでしょうか?

さまざまな「お仕事シーン」の写真

例えばこんな写真

  • 打ち合わせをしているシーン(他のスタッフに協力してもらって)
  • 営業で外回りをしているシーン
  • 作業しているシーン(全体を写して)
  • 作業している手元のシーン

これらは、事前に特別な準備をしていなくても、普段のお仕事の再現をするだけで撮影できるかと思います。読者に仕事の様子をイメージしてもらうために、写真撮影も工夫してみると良いでしょう。

4.記事を作る

パソコンを操作して社員インタビュー記事の執筆を行う女性

執筆はポイントを把握するだけで、飛躍的に品質が向上すると思います。正しい情報を、正しい順番で書くことを心がけ、インタビューの成果を形にしていきましょう。

ICレコーダーで録音したデータを、文字に起こす

いわゆる、「テープ起こし」と呼ばれる作業です。ICレコーダーで録音したデータをイヤホンで聞きながら、会話の内容をテキストデータ化していきます。そのデータ化した情報をベースに記事を作っていきます。

今はいろいろと便利なツールがあるそうですが、ぼくは未だにこのテープ起こしを簡略化するイノベーションに出合ったことがありません。もし、おすすめがあれば教えてほしいです(それくらい、この作業は時間がかかる!)。

基本は「会話形式」で書いていく

―オウンドメディアで“成功“を得るために、心掛けるべきポイントは?

やはり、記事の制作を怠らないことです。長く運用を続けていくと、つい手軽な記事を作る誘惑に負けそうになることがあるんですよ。それはよく陥りがちな落とし穴で、常に記事の品質を保つ、もっと言うと“読者ファースト”を貫くべきなんですよね。

という形が「会話形式」です。

インタビューの中で抜粋した質問と、それに対する回答をまとめていく記事体裁になります。執筆の難易度としてはこの会話形式が比較的にハードルが低く、スムーズに書いていけると思います。

導入で「どんな記事か」が明確に分かるように

小説は「結論(結末)」を最後に書きますが、web記事の場合は最初に「答え」を書いていきます。

つまり、

  • この記事は何について書かれていて
  • どんな悩みを抱えている人が読むべきで
  • 読むとどんな知識やメリットが得られるか

を導入部分に書くようにしてください。またこれは、インタビュー記事に限ったことではありません。web記事を作る場合は、基本的なノウハウとして意識した方が良いでしょう。

また、webコンテンツの作り方は下記の記事でも紹介しています。こちらでは基本的なポイントを解説しておりますので、併せて参考にしてもらえるとうれしいです。

できるだけ中立の立場で。宣伝は極力控える

オウンドメディアと言えど広告ではありますので、自社の魅力をアピールしたい気持ちは持っていて当たり前です。しかし、読者はそういった表現には敏感で、察知した途端に読むのを止めてしまうこともあります。まったく書いてはいけないわけではありませんが、アピールもほどほどに。事実を並べ、それに対する考察や、想いを形にしていくことを心掛けましょう。

そして言わずもがなですが、最初に考えた「仮タイトル」にもとらわれ過ぎないようにしてくださいね。当初に決めた軸から外れるのは避けたいですが、実りあるインタビューにより、思わぬエピソードが出てくるかと思います。それらをしっかりと反映した、素敵な記事作りを意識してください。

事実確認をしっかりと。校正を入念に行う

記事が形になったら、インタビュー対象者にはもちろん、社内の複数名で回し読みを行うようにしてください。記事の構成を完璧に仕上げても「情報が誤っている」「誤解を与える表現が含まれている」場合、記事の価値は0だと言っても良いくらいです。むしろ、企業の印象を悪くしてしまう意味ではマイナスかもしれませんね。

「校正」の重要性はこちらの記事でも紹介しています。

5.最後に、裏技を

ここまで社員インタビューの流れ、方法を解説しましたが、恐らく一番の難所は「記事を作る」のフェーズだと思います。執筆するのはスキルが必要ですし、テープ起こしもセットとなるとさらなる時間が…。

どうしても進まない際は、インタビューで録音したデータを制作会社にわたし、記事化からアウトソーシングしてみてはいかがでしょうか?「取材」という稼働を社内で対応した分、制作費を抑えることができますし、時間の節約にも繋がります。実際に、エディマートでもそういった依頼は多く、音声データからプロのライターが執筆して記事を提供しています。

個人的にですが、他社の社員インタビューの現場に立ち会うと「こんな考えで仕事しているのか」「自分の思っていた常識と違う」「職種ならではの大変さと、やりがいがあるんだな」と、発見が見つかることが多いです。なので、ぼくは社員インタビューの制作が好きです。

もしそういった案件をお考えの際は、ぜひお話を聞かせてくださいね。

HIROKI HOTTA

この記事の執筆者HIROKI HOTTAアカウント・マネージャー

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2012年エディマート新卒入社。エリア情報誌や新聞を中心とした編集・ライター業務の経験を積み、2016年により深い“編集のおもしろさ”を求め大手出版社へ出向。出版社編集者として情報誌の特集制作、webメディアの新規立ち上げなどにたずさわり、2018年に再びエディマート勤務に。出戻り後は主にweb案件の新規開拓を担当し、2019年度よりセールス専任にポジションチェンジ。“編集のできる営業マン”として、ビジネス・クリエイティブの両面でお客様のサポートに務める。

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