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2019.04.05 Fri

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ライター・編集者に知ってほしいグルメ取材の基本。店舗への正しい依頼方法は?

ライター・編集者に知ってほしいグルメ取材の基本。店舗への正しい依頼方法は?

編集の仕事に「取材」は欠かせませんが、最近ではどんなお仕事でも“取材力が問われる場面があるのでは?”と思います。例えば、営業先でクライアントの意向をヒアリングするときや、外部のスタッフに発注内容を説明するときなど……。自分の意思を伝えながら、相手の気持ちを聞き取る(=取材)って、慣れていないとすごく難しいんですよね。

そこで今回は、ぼくが今まで学んだ「取材・インタビュー」のコツを紹介したいと思います。まずは、ガイドブックの取材で最も場数を踏んできた「グルメ取材」の基本から。編集者やライターにはもちろん、営業マンの飲食店に対するセールスでも応用できると思うので、参考にしてくださいね。

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1.取材前にやるべきこと

取材準備をする女性

Webのニュース記事や情報誌1ページ程度の飲食店取材では、撮影を含めて30〜40分程度の時間で終えるのが基本(撮影を兼務する場合は別)。お店の休憩時間や仕事の合間に対応してもらうため、だらだらと取材してはいけません。そのため、効率的に取材を行えるように「事前準備」をしっかりしておくことが重要です。

アポ入れはタイミングを考えて、簡潔に

まずは電話、もしくは訪問で取材のアポイントを取ります。「電話番号が分からない」「いつ電話しても繋がらない」というケース以外は、電話での連絡が望ましいでしょう。その際、以下のポイントに気をつけてください。

電話のポイント

  • 電話する時間帯はアイドルタイム。ランチまたはディナータイムの1時間前が理想
  • 「無料掲載or有料掲載」「web掲載or雑誌掲載」「何を取り上げたい」を端的に、確実に伝える
  • 「取材対応NGの日」を聞く。「都合の良い日」を聞くと、大体が数日しか候補を出してもらえず、スケジュール作りが難航する
  • 担当者の名前とMAILアドレス(ときにはFAX番号)を聞き、電話後すぐに企画書を送る

人気のあるお店ほど、無料・有料問わずさまざまな媒体の取材打診を受けています。「忙しい時間に電話してしまった」「きちんと内容を伝えられなかった」ばかりに、この時点で掲載拒否を受けるケースも、最近では珍しくありません。

質問はフォーマットを基本に

「4Pにわたって店の魅力を紹介!」などの深掘り取材以外は、質問事項はほぼ共通して用意できると思います。飲食店もノウハウ商売。「隠し味」や「仕入先」など、載せる必要がないことをアレコレ聞くと「そんなことまで載せるの?」と微妙な空気になってしまうことも。雑誌で言うと、1P程度までの情報は以下を押さえておけば難なく執筆できるでしょう。

最低限の質問例

  • 料理の作り方

    (ex:半日以上煮込んで、注文が入るごとに調理する、○○と○○をブレンドして)

  • 特筆すべき食材の情報

    (ex:地元産にこだわっている、ブランド肉を使っている)

  • スタッフ

    (ex:店主が有名店で修業している、家族で切り盛りしている)

  • 店の空間

    (ex:シンプルで落ち着いた雰囲気、カウンターや個室がそろう)

  • 店や料理のデータ

    (ex:営業時間や定休日、料理の値段)

「深掘り取材」の場合は上記の質問を基本に、店の歴史や食材への強いこだわり、店主の経歴など、追加で質問していく形になります。

2.取材中に心がけること

カフェで働く女性スタッフ

前述した通り、通常の飲食店取材は30〜40分程度が基本。カメラマンへ撮影指示をしつつ、効率的に取材を進めていきましょう。

自分が現場の司令塔に

当日、取材対応してくれる方は、店長もしくはそれ以外のスタッフ(企業が運営している場合は、広報が対応してくれます)。彼ら(彼女ら)は当然ですが、取材のプロではありません。どんな企画で、何を取り上げ、どんな順番で撮影し、いつ話を聞くかを、“取材のプロ”として最初にしっかり伝えておきましょう。

取材は会話!一問一答はNG

取材の基本は「会話」です。用意した質問を淡々と読み上げるのではなく、相手の様子を伺い、適切なタイミングで聞き取っていきましょう。「なるほど」「そうなんですね」「私はこう思っていました」など、「きちんと話を聞いていますよ」と思わせるように、相槌(リアクション)を取ることも大切です。

撮影ディレクションをこなしてこそプロ

話を聞くことばかりに集中するのではなく、しっかりと撮影ディレクションを行うことも大切。写真を縦横どちらで撮るのか、切り抜きで使うのか、寄り、引き、ピントの浅さ深さなど、1カットごとにカメラマンへ要望を伝えて、撮影をスムーズに進める段取りも担当しましょう。取材前までに使用イメージをカメラマンと共有しておくと、当日の進行もスムーズです。

料理は食べるように。「食べない」は失礼

これは人によって考え方が分かれるかと思いますが、ぼくは「取材する料理は必ず食べる」派。店によっては撮影後に下げられてしまうこともありますが、「味見だけしても良いですか?」と声をかけるようにしています。食べることで新たな発見もありますし、自分が飲食店の店主だったら「食べて書いた原稿」を信頼します。取材時間との兼ね合いで難しい場合もあるとは思いますが、「次へ行かなくてはいけないので、ひと口だけですが食べても良いですか?」などとお願いして、トラブルになったことは一度もありません。そして食べた後は、感謝の気持ちをしっかりと伝えましょう。

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3.取材後にやること

シェフと話すライター

現場でのアフタートーク、帰社後に整理しておくことなど、取材を終えた後の動きも意識しておきましょう。

アフタートークは意外と重要

グルメ取材だけではなく、取材後、何気なく話していたことが「記事に使えるネタに」というケースも多いです。質問をすべて消化した後にズルズルと会話を引き伸ばすのではなく、「以上でお伺いしたいことはすべて聞けました。ありがとうございます」と一旦会話を区切り、「ところで…」と切り出すことがポイント。そうすると会話が砕けて、こぼれ話から「思わぬ魅力」を発掘できるかもしれませんよ。

記事はできるだけ早く書く

紙媒体、web媒体問わず、取材には締切が付きものですが、ときには任意で設定できるお仕事もあります。締切が設定された媒体を優先しがちですが、「情報の鮮度」を考えると、できるだけ早く執筆することをおすすめします。先延ばしにしていると季節限定メニューが終ったり、食材の仕入先が変わったり、定休日や営業時間が変更になったりと、時間が経つことにより“鮮度”が損なわれてしまうことがあるでしょう。そして何より、「取材してもらったけど、記事ってどうなったかな?」と店に不審に思われてしまう能性もあります。

4.最後に

いかがでしょうか?あくまで「基本的なグルメ取材」を想定しているため、専門性が高まるほど、ここからさらなる技術が必要になります。専門的な知識と経験を身に付け、引き合いや例えを交えながら取材できれば、グルメライターとして活躍できることでしょう。

ちなみに今回ここで書いた内容は、弊社が新人にまず教える「取材の心得」を簡単にまとめました。入社半年くらいの編集者が身に付けておきたいスキルとして、基準にもなると思いますよ!それでは、また。

 

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HIROKI HOTTA

この記事の執筆者HIROKI HOTTAアカウント・マネージャー

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2012年エディマート新卒入社。エリア情報誌や新聞を中心とした編集・ライター業務の経験を積み、2016年により深い“編集のおもしろさ”を求め大手出版社へ出向。出版社編集者として情報誌の特集制作、webメディアの新規立ち上げなどにたずさわり、2018年に再びエディマート勤務に。出戻り後は主にweb案件の新規開拓を担当し、2019年度よりセールス専任にポジションチェンジ。“編集のできる営業マン”として、ビジネス・クリエイティブの両面でお客様のサポートに務める。

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