2021.04.08 Thu
シンガーソングライター・藤田麻衣子さんが選ぶ5冊の本┃ありのままの自分を認めて、前を向く「明日を頑張るための本」
人生で特別な5冊を紹介してもらう連載企画「5冊の本」。
今回お話を伺ったのは、シンガーソングライター・藤田麻衣子さん。
まっすぐで透き通った歌声と共感性の高い詩は、男女問わず幅広い世代に愛されています。
2006年9月、シングル『恋に落ちて』でCDデビュー以来、すべての楽曲で作詞作曲を手がける藤田さん。最近では、「きみのあした♪プロジェクト」から生まれた応援ソング『きみのあした』のMVがYouTubeで45万回以上再生されるなど話題に。
『きみのあした』はコロナ禍において、文化芸術にふれる機会が減少する中で、日々を頑張る皆さんに向けた応援ソングです。
自身が作詞作曲した楽曲を通してたくさんの人を勇気づけ、頑張るきっかけを与えてきた藤田さん。今回のインタビューでは、皆さんの明日を応援する『きみのあした』にちなんで、「明日を頑張る」をテーマに特別な5冊を選んでもらいました。
また、初となる著書『一つ言葉にすれば 一つ何かが変わる -願いが叶っていく58の気づき-(扶桑社)』や、今年3月にリリースした『15th Anniversary 弾き語りBest(ビクターエンタテインメント)』についても伺い、藤田さんのこれまでの活動や今後の目標について、お話いただきました。
「言葉にしたことによって自分で夢に近づいていった」と藤田さんは自らの人生を振り返ります。15周年を迎えた現在までのアーティスト活動においても、本の中の言葉に支えられた経験が何度もあったことを教えてくれました。
そんな藤田さんが紹介する5冊の本には、どんな言葉が込められているのか、紐解いていきます。

¥1,980
発行/扶桑社
著者/藤田麻衣子
![15th Anniversary 弾き語りBest(通常盤) [2CD]](https://edimart.jp/edimag/wp/wp-content/uploads/bfi_thumb/3b2e9ffd27025fc2e0e3b37ad9cd0261-3euue8ljqj604.png)
¥3,630
発売元/ビクターエンタテインメント

この記事のライター/水野史恵(エディマート) エディマートに所属し、編集や記事制作、オンライン書店の運営を担当。仕事では、名古屋を中心とした地元の魅力を発信できる記事づくりを心がけている。 |
1.心がざわついたとき、言葉がやさしく救ってくれる
「『明日を頑張る』というテーマをもらったとき、『私は本に助けられて、頑張ることができている』。そんな場面があることを改めて感じました。アーティスト活動をする中で、本を読んで出会った言葉に助けられてきました。だから、今回はそんな本を紹介したいと思っています」。
インタビューのはじめに、そう話してくれた藤田さんは、日ごろからスキマ時間に本を読むことを心がけているそうです。
「今まではネットニュースを見ることが多かったのですが、ネガティブな内容で気分が沈んでしまうことも。それなら読書によって情報をインプットする方が、充実した時間が過ごせると思い、積極的に本を読むようにしています」。
そんな読書家な藤田さんですが、実は以前はどちらかというと読書が苦手だったと言います。しかし、プレゼントで本をもらう機会に恵まれ、自然と本を読む習慣ができていったと話してくれました。
「ありがたいことに、今まで自分が読んでこなかったジャンルの本をいただく機会があって、読書の新しい楽しさを発見できました。そんな中で10年ほど前に読んだ『男と女のことは何があっても不思議ではない(林真理子/角川文庫)』がすごく面白くて、夢中になって読み進めました。今思い出すと、歌詞への向き合い方が変わった時期がちょうどそのころ。実体験だけでなく、周りの考え方や価値観など、さまざまな影響を受けるようになって、その一つが書籍だったのかもしれません」と言う藤田さん。
そして、同じころに出会った『きっとあなたにできること(光文社/唯川恵)』を読んだことで、いっそう読書にのめり込むようになったと話してくました。
『きっとあなたにできること(光文社/唯川恵)』
『きっとあなたにできること(光文社/唯川恵)』は、小説家・エッセイストとして活躍する著者・唯川恵さんが手がける、女性の元気を応援するをテーマにしたエッセイ集。将来への不安、恋愛・結婚のこと、上司・先輩・後輩との人間関係といった悩みを乗り越えるための、筆者流のアドバイスが記されています。
「もともと唯川さんの恋愛小説が好きで読んでいたこともあり、『今度はエッセイを読んでみよう!』と手に取ったのがこの本でした。一言で表すと、“やさしい”本。30代に差し掛かり、モヤモヤとしていた心を落ち着かせてくれました」と話す藤田さん。
そのやさしさの正体は、「決して突き放すことのない、包み込むような言葉」だと言います。
「人を見てうらやましくなる、自分が頼りないなど、自分には何か足りないのかもしれないと感じてしまうときって誰しもあると思うんです。筆者はそんな気持ちに寄り添うような言葉をかけてくれます」。
生き生きと楽しげに働く同僚や、恋人ができて魅力的になった友人に囲まれて、焦りを感じる…。
20~30代の女性であれば、一度は体験したことのある経験に対して、著者は発想の転換を提案。そんな著者の考え方に藤田さんは強く共感したそうです。
「とくに共感したのが、つまらない悪循環という話。つまらないと思いながら仕事をしていても、時間は過ぎていく。そんなとき、良い仕事が回ってこないと嘆くのではなく、『私はこの仕事がしたいんだ!』と意思表示をしよう、と書かれていて。まさにその通りだと思いましたね。私自身もどんな場所にいても周りからどう見えていたとしても、自分がやりがいを感じながら、働きたいし生きていきたい。自分がやりたいことをするためには、待っているだけではダメなんです」。
OL経験を経て作家になった著者だからこそ分かる、等身大の女性の悩みや不安。そんなネガティブな気持ちに寄り添うやさしい言葉たちに、藤田さんは現在も勇気づけられているそうです。
「悩んだときや、歌が書けないときには、今でも何度もこの本を開くんです。その度にすごく励まされます」と藤田さん。ちょっとした気持ちの持ちようで、前向きな自分になることができると気づかせてくれると話します。
「悩み事が完全に吹き飛んだ!」とはいかなくたって、ひねくれたり、なげやりになったりすることなく、「明日からまた頑張ろう」と素直に思える。
『きっとあなたにできること(光文社/唯川恵)』は、そんなきっかけをもたらしてくれるのではないでしょうか。

¥545
発行/光文社
著者/唯川恵
『がんばっても報われない本当の理由(PHP研究所/心屋 仁之助)』
次に紹介してくれた『がんばっても報われない本当の理由(PHP研究所/心屋 仁之助)』は、著者である心理カウンセラーの心屋仁之助さんが、自分をラクにしてくれる生き方を説いた本です。
実際に藤田さんは、頑張り続けたその先で本書と出会ったと話します。
「2017年に、デビュー当時からの夢であったオーケストラ共演コンサートが実現しました。もちろんこれがゴールのつもりはありませんでしたが、ひとつの夢がかなって、私自身も充実感で満ちあふれていたんです。
しかしすぐに、行く先々の場所で次の目標を問われました。胸を張って言える目標を考える時間もなく、心の準備ができていないのに無理やり答えを出すことも…。そうしていると胸がよじれるみたいな気持ちになってしまったんです。そんな中、『ちょっと一息つく時間がほしいな』と思っていたときに、自然とこの本に手が伸びていました」。
『がんばっても報われない本当の理由(PHP研究所/心屋 仁之助)』の著者は会社に人生を捧げる、いわゆる“モーレツ社員”でした。しかし、ある時から頑張っても頑張っても、うまくいかなかくなってしまったそうです。しかし、頑張らないと決めたら、なぜだかすべてうまくいくように…。そんな実際の経験談を交えつつ、捉え方を180度変えるための方法を本書に記しています。
具体的には、「あなたは何もしなくても価値がある」「がんばれば、認められるという思い込みをはずす」「断る・ちゃんとしない・期待にこたえないなど、いちばん“恐いこと”をやってみる」など。潜在意識を変えて、自分を肯定し、ラクにしてあげるためのアプローチ方法が紹介されています。
「20代のころは、頑張っている途中で壁にぶつかったとき、『どうしよう?じゃあもっと頑張ってみよう!』とひたすら前進していました。しかし、30代になってからは、『もっと頑張ります!』と言葉にして実行してみても、それでもうまくいかないことが出てきてしまって…。頑張るだけではうまくいかなくて、それがものすごく苦しかったんです」。
そんなときに、本書を読んで、その苦しみから解放されたと話します。
「『休みをください』と言えるようになったのは、この本を読んでからですね。今までは職業柄、断るという選択肢が頭になかったんです。でも、そうやって活動を続けるうちに、どんどん心がすり減っていってしまって。そんな自分に気づいたとき、思い切って『この日休みます!』と言ってみたところ、問題なく仕事が回っていきました。『あれ、今までの我慢はなんだったんだろう…(笑)』と思ったりしましたが、結局は必要のない自己犠牲だったんですよね」。
そういった気づきを得て、自分自身に対しても寛容になることができた藤田さん。その結果、凝り固まっていた考え方にも変化があったとか。
「自分に対しての厳しさや頑固さは、いらないものではありません。でも、必要以上に自分を縛り付けたり、それを他人にも強要したりしてはいけない。むしろ、そういったしがらみから自分をほどいてあげるもの大事な作業。それができれば、自分も他人も認められるし、許せるようになる。そうやって生きやすい環境をつくってあげるヒントがこの本には詰まっていると思います」と話す藤田さん。
真面目で頑張り屋さんなあなたにぜひ読んでいただきたい一冊です。

¥726
発行/ PHP研究所
著者/心屋 仁之助
そして次に紹介してくれた『ひとり悩むあなたを支える言葉(すばる舎/諸富祥彦)』も、心のもやを晴らしてくれるような一冊だと話します。
『ひとり悩むあなたを支える言葉(すばる舎/諸富祥彦)』
「この本は、著者である諸富先生に直接いただいたんです。フリーライブのサイン会に参加されていて、そのとき『本を書いているんです』と手渡していただきました。フリーライブから月日が流れ、ちょうど自分がすごく悩んでいた時期に、ふとこの本を手に取りました。そのままページをめくり読み進めると…疲れていた心が癒されて、励まされましたね」。
そんな経験から、藤田さんは「本との出会いはある種必然なのでは?」と考えるようになったそうです。
「本を買ってもすぐに読まないことってありますよね。しばらく置いておいたとしても、その本を手に取るタイミングが必ず訪れるような気がしていて。それってきっと自然に、必要な本を選んでいるのかなって思うんです」と話す藤田さん。
皆さんは本との出会いを意識したことはありますか?
自分では無意識で選んだ本のつもりでも、潜在的にその本を必要としていた…。そんな藤田さんと同様の経験がある方も多いのではないでしょうか。
『ひとり悩むあなたを支える言葉(すばる舎/諸富祥彦)』は、ヴィクトール・フランクル、キューブラー・ロスなど、偉大なセラピストたちの言葉を引用し、わかりやすく解説しながら、悩める読者にエールを送っています。
「私は普段から名言集などの言葉の本を読むことが多いのですが、偉人や成功者の言葉は、感心はできても共感できないものもあることも…。一方で諸富先生が選ぶセラピストたちの言葉は、心に響くんです」。
そう語る藤田さんがとくに印象的だったと話すのが、『一人でいられるようになることは、人を愛することができるようになるための必須条件である』という言葉。
「一人の時間、つまり孤独ってとても大事ですよね。孤独に身を任せることで本来の自分に立ち返ることができる。孤独ってさみしいものだけど、絶対に必要なもの。孤独を感じているから今度はもっとやさしくなれるかもしれない、そう思えるから孤独も悪いものじゃないとポジティブに捉えることができましたね」と藤田さん。
本書につづられた一つひとつの言葉を自分なりに解釈し理解をして、歌詞づくりにも生かしたといったエピソードも。
「自分の考えを言語化するのって案外難しくって。そんなとき、この本に書かれている言葉をたどると、『ああ、私ってこういう気持ちなんだ』と認識できる。悩みと対峙して考えることで、歌詞がわいてくることもあったんですよ」と話してくれました。

¥1,430
発行/すばる舎
著者/諸富祥彦
2.悩みを解決するのは新しい知識やアイデア
続いて紹介してくれたのは、『片づけられる人は、うまくいく。(学研プラス/中谷彰宏)』。
「この本をきっかけに“片づけ”が好きになって、今でも自分にとって大切な習慣になっているんですよ」と話します。
『片づけられる人は、うまくいく。(学研プラス/中谷彰宏)』
- もったいなくて、片づけられない人
- せっかく片づけたのに、またすぐリバウンドしてしまう人
- 片づけることで、仕事も恋愛もチャンスをつかみたい人
『片づけられる人は、うまくいく。(学研プラス/中谷彰宏)』は、そんな願いをかなえたい読者に向けて、片づけに関する65の習慣を紹介。
「物よりも空間を大事にしよう」「やってはいけないのは、バーゲンで買うことです」「ホテルの人に預けるのが恥ずかしいモノはもたない」など、本書の中で登場する話題は、私たちの生活に密着した取り組みやすい内容ばかりです。
「私は歌が書きたくても書けないとき、本を頼りにするんです。この本を読んだのもちょうどそんなタイミングでした」と話す藤田さん。
数々の習慣が紹介される中、藤田さんがとくに共感し、納得できたと語るのが「膿を捨てるとアイデアが湧く」というキーワードでした。
「学生時代に勉強していると、急に部屋を掃除したくなることってありましたよね。それは一見現実逃避のように見えて、実は理にかなっているんです。ごちゃごちゃとした部屋では、気が散ったり、頭がいっぱいになったりして、集中できない。これを読んで、『なるほど!』と腑に落ちましたね」と藤田さん。それを知って、ご自身でも実践しているそうです。
「何か始める前には、整理してから始めるようにしています。歌を書きたいときとかもそう。身の周りをきれいにしてから始めることを大切にしています。回らない頭で無理に頑張ったり、めんどうな掃除を後回しにしたりするのではなく、先に片づけをして始めるとすごく気分が良いんです」。
もともと片づけは得意なタイプではなかったものの、書籍から新しいアイデアをどんどんと吸収し、納得いく片づけができるように。そうして自分なりの片づけメソッドを確立していったそうです。
「片づけって掃除だけではなく、自分を取り巻く環境に対してもできること。その環境を整えることで、自分自身にも向き合うことができるはずです。この本にはたくさんの法則が載っているけど、全部をやろうとしなくてもいいと思います。今の自分の気持ちや環境に合った法則をチョイスして、ぜひ実践してみてください」。

¥1,430
発行/学研プラス
著者/中谷 彰宏
最後に紹介してくれたのは、シンガーソングライター・さだまさしさんのステージトークを集めた『さだのはなし(U-CAN/さだまさし)』。笑ったり、ほっこりしたり。心温まるさださんのトークに、藤田さんは癒やしと元気をもらっているそうです。
『さだのはなし(U-CAN/さだまさし)』
シンガーソングライター・さだまさしさんの“声”が聞こえてきそうな一冊と評される『さだのはなし(U-CAN/さだまさし)』。
家族や友人達、恩師との思い出や旅先での出会いなど、さださんの人生の一端が垣間見えるエピソードを収録。抱腹絶倒の笑い話が続いたと思いきや、ホロリと感動してしまう話に泣かされるなど、実に感情的なトークが満載です。
もともとさださんのファンであった藤田さんは、10年ほど前に初めてコンサートに訪れたそう。
「さださんのコンサートの思い出は、さださんの歌を聞いてボロボロ泣いて、MCになると声に出すほど大笑いをして…感情のふり幅がとんでもないことになりましたね(笑)。こんなに充実感のあるコンサートがあるんだと本当に感動しました」と話す藤田さん。
当時、自身のコンサートの規模が大きくなり始めて、まさにMCを勉強したいと思っていたところ。さださんのMCからは学びがたくさんあったそうです。
「歌のときは左右いっぱいにステージを歩いて、全体を見渡しながら歌って、MCになると中央でお話をする。それが当時私が抱いていた歌手のイメージでした。でもさださんは、MCのときにステージの隅から隅まで歩き回って全身で笑わせてくれるんです。それが本当に面白くて、人生で一番笑った経験かもしれません(笑)。一方で歌になると楽器を持ってセンターから一切動かない。だからこそ歌に集中できて、歌詞が染み入るように伝わる。こんな伝え方があるんだととても勉強になりましたね」そうコンサートを振り返ります。
「コンサートで聞いた、あの心の底から笑ったMCが忘れられなくて、この本を買いました。文字を読んでいるのに、まるでさださんがお話しているようで、思わず笑みがこぼれてしまうんです。笑ってとにかく元気になれる一冊ですね」と藤田さん。
心身ともに疲れたときこそ、たくさん笑って笑顔になることが大切です。思いっきり笑いたいとき、ぜひ『さだのはなし(U-CAN/さだまさし)』を開いてみてください。

¥1,571
発行/ U-CAN
著者/さだまさし
3.著書と15周年ベストアルバムへの想い
今回のインタビューで、「明日を頑張る」をテーマに5冊の本を紹介してくれた藤田さん。
“心に残っている言葉はきちんと残しておきたい”という思いを形にするため、2020年に初となる著書「一つ言葉にすれば 一つ何かが変わる -願いが叶っていく58の気づき-(扶桑社)」を刊行されました。
『一つ言葉にすれば 一つ何かが変わる -願いが叶っていく58の気づき-(扶桑社)』
“オーケストラとともにステージで歌いたい”
藤田さんはその夢を叶えるために20歳で上京して、歯科衛生士として働きながらインディーズでCDデビュー。インディーズのまま7年間活動し、日本武道館での弾き語りライブに8000人を集め、30歳でメジャーデビュー。その後、夢だったオーケストラコンサートも実現させました。
夢をかなえるため、常に言葉にして具体的な行動を起こし、前進し続ける。
そうやって明日を拓いてきた藤田さんが、夢を実現させたい人に送る想い込めたのが、著書「一つ言葉にすれば 一つ何かが変わる -願いが叶っていく58の気づき-(扶桑社)」です。
「『歌が好きだから歌詞を書きたい!』と思うのと同じように『本が好きだから本を書きたい!』となって、本を執筆することになりました。一冊目ということで、自分のありったけの想いを込めることができたので、すごく楽しいものづくりになりました」と話す藤田さん。
自身が1枚目のインディーズアルバムをつくったときの感覚で制作を進めていった、と振り返ります。
「CDを出してきた経験があるから、1作目だからこその楽しさや感動はわかっていて。だからこそ、処女作ならではの楽しさにおおいに感謝しながら書き進めていきました(笑)。1作目のこの感覚は二度と味わえないから、制作の時間を大事に大事にしていましたね」。
本書のテーマは“言葉の力”。書籍の中でも数々のエピソードがつづられていますが、言葉の力を痛切に感じた印象的な経験について、藤田さんはこう話します。
「ずっと夢だったオーケストラと一緒に歌うコンサートができたことですね。インディーズでデビューして7年ほど経って、メジャーデビューすらできていない状況だったので、オーケストラのコンサートはすごくすごく遠い夢でした。
でも、言葉にすることで仲間と出会い、協力者やスタッフさん、そしてファンの人に出会うことができました。大きな会場でライブができたことも、『オーケストラと一緒に歌いたい!』と言葉にしてきたことで、引き寄せられたんだと思います。一つの目標があるだけで、たくさんの経験や出会いができることを実感して。上京して13年、CDデビューからは11年、ようやく夢がかなって、『言葉にしていてよかった』と改めて感じて、自信を持ちましたね」。
続けて、「これからも夢や希望を言葉にしていこうと思っています」と未来を見据えた言葉を発してくれました。
藤田さんが実際に起こした未来を拓くための具体的な行動と、その過程での貴重な気づきが記されている『一つ言葉にすれば 一つ何かが変わる -願いが叶っていく58の気づき-(扶桑社)』。
夢を持つすべての人に送る藤田さんのメッセージを、本書を通じて受け取ってください。

¥1,980
発行/扶桑社
著者/藤田麻衣子
『15th Anniversary 弾き語りBest(ビクターエンタテインメント)』
さいごに、15周年の集大成となるベストアルバム『15th Anniversary 弾き語りBest(ビクターエンタテインメント)』についてのお話を伺いました。
「周年を迎えるたびに、いつも歌を聞いてくださってる皆さんに感謝をして、活動ができるありがたさを感じます。皆さんのおかげで15周年を迎えることができたので、『皆さんに喜んでもらいたい!じゃあどうしよう?』と考えた結果、聞きたい曲を皆さんに選んでもらって、レコーディングする形にしました」。
そう藤田さんが話すように、本アルバムの収録曲はファン投票によって選ばれた楽曲から構成しています。ファン投票結果は藤田さんも驚きの結果だったとか。
「Disc1の1~10位はライブの定番曲が多くて、『だよね~!』と納得の結果に(笑)。Disc2の11~20位は結構意外でした!CD未収録の曲『スポットライト』が入っていたりして、『さすがファン投票!』と思いましたね。自分がセレクトしたら全然違う曲になっていただろうし。レコーディングするとは思っていない曲もあって、私自身も楽しんで収録できました」と話してくれました。
15周年を迎えた今年は、ベストアルバムのリリースから始まり、全国ライブツアーやアニバーサリーライブなども控え、精力的な活動が予定されています。
そして、アニバーサリーイヤーを駆け抜けた先でチャレンジしたいことについての問いついて、
「去年の3月に名フィル(名古屋フィルハーモニー交響楽団)と一緒に歌えるチャンスがあったのですが、残念ながら新型コロナウイルスの影響で中止に。東京ではオーケストラと一緒に歌うことができたので、次は地元の名古屋やほかの地域でもオーケストラコンサートを開催することが近い未来の目標です!」。
そう強い信念を込めて答えてくれました。
夢を言葉にして歩み続け、夢をかなえた藤田さん。数多くの楽曲を世に送り出し、全国各地に歌声を届けた15年は、決して順風満帆ではなく、悩みや苦労が尽きなかったそうです。
そんなとき、本を読むことで、気持ちを切り替えて頑張ることができたと話してくれました。
皆さんも毎日を過ごす中で、「心が疲れてしまう」「頑張るのが辛い」、そんな感情に襲われることもあるでしょう。そんな風に立ち止まってしまいそうになったら、藤田さんがセレクトの本を読んでみてください。
その本が「明日を頑張る」きっかけになることを願っています。
写真=藤原慶
「きみのあした」ミュージックビデオ映像
「きみのあした」は名古屋市文化振興事業団×愛知芸術文化協会(ANET)×藤田麻衣子さんのコラボ企画として昨年の夏にスタートした『きみのあした♪プロジェクト』から生まれた応援ソングです。
MVには俳優の佐野勇斗さんや男性ユニットBMKのほか、名古屋に所縁のあるキャストが応援参加しています。ぜひ映像でチェックしてみてください。
『15th Anniversary 弾き語りBest』トレーラー映像
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