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2021.04.15 Thu

本の紹介

TOUTEN BOOKSTORE・古賀詩穂子さんが選ぶ5冊の本┃持続可能な本屋をつくるため。「人生を拓くきっかけになった“出会い”の本」

TOUTEN BOOK STORE

人生で特別な5冊を紹介してもらう連載企画「5冊の本」。

第8回目となる今回、お話を伺ったのは、TOUTEN BOOKSTOREの店主・古賀詩穂子さん。

TOUTEN BOOKSTOREは、2021年1月に金山駅からほど近い沢上商店街にオープンした新刊書店。古賀さんは「本との出会いの場となる、地域に根付く本屋」を目指して店をはじめたと話します。

本屋は偶然の出会いをもたらしてくれる場所です。大げさに聞こえるかもしませんが、見知らぬ本との出会いによって、自分の未来が変わることだってあるかもしれません。

今回は、そんな出会い」をテーマに5冊の本を選んでもらいました。

5冊の本の中には本屋をはじめるきっかけになった本や、店づくりの参考にした本など、古賀さんの現在をつくった本もあるそうです。一体どんな本を紹介してくれるのでしょうか。

選者
TOUTEN BOOKSTORE店主
古賀詩穂子

愛知県出身。出版取次、書店の企画運営業務を経て、2021年1月、名古屋・金山に「TOUTEN BOOKSTORE」をオープン。フリーマガジン『読点magazine』の編集・発行も行う。(HPTwitter


水野史恵

この記事のライター/水野史恵(エディマート)

エディマートに所属し、編集や執筆の業務を担当。情報誌や観光ガイドブック、新聞記事などを制作している。生まれも育ちも愛知県。本屋さんが大好きで気づくと2.3時間過ごしてしまうことも。

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1.大好きな場所をなくさないために、自分ができること

TOUTEN BOOK STORE

古賀さんはTOUTEN BOOKSTOREをはじめる前、出版取次と呼ばれる「出版社と本屋をつなぐ仕事」をしていました。仕事で毎日のように本屋に足を運ぶ生活を送りながら、“町の本屋さん”が次々に閉店する様子を目の当たりにされたそうです。

本屋の置かれる厳しい状況を間近で見ていた古賀さんは、「本屋さんに訪れる人を一人でも増やしたい」といった思いが日に日に強くなり、自ら書店を開くという決断に至ります。

はじめに紹介する『これからの本屋(書肆汽水域/北田 博充』は、そんな古賀さんの背中を押してくれた本でした。

『これからの本屋(書肆汽水域/北田 博充)

これからの本屋

2016年発売の『これからの本屋(書肆汽水域/北田 博充』は、本屋の店主やフリーランス書店員、元書店員などへのインタビューを通じて、「本屋とは何か」「これからの本屋はどうあるべきか」を探求した一冊です。

本書の著者は、古賀さんと同じ取次会社の出身。取次目線で描かれた出版と本屋の話は、古賀さんの心を揺さぶったと言います。

「取次の仕事をしているときに読んで、効率主義の反対側を走っている』という本屋に対する言葉が、当時の自分にすごく刺さったのを覚えています。取次は流通網の渦中にいる、いわば効率主義ど真ん中の仕事。一方で、本屋は自分の趣味や興味のままにのんびり過ごせる場所。自分の大好きな本屋という場所を守るために、何ができるのかをすごく考えさせられました」と話します。

そんな風に考えを巡らせながら読み進めていく中で、共感を覚えたことも。

「自分が言いたかったことや考えていたことを、この本は言語化してくれていると感じました。とくに『本は人であり、人は街であり、街は人である』という言葉は、今の自分の原点にもなっています。本は多くの人が関わってできている。多くの人がいるから街ができて、人がいるから街になる。まさにその通りだと思いましたね」。

本,指

これまでの本屋を更新し、これからの本屋をつくるために“私たち”ができることは何か。

 

これは、『これからの本屋(書肆汽水域/北田 博充』の帯に記された言葉であり、本書のメインテーマにもなっています。大型書店やネット書店だけではない“これからの本屋”をつくり、持続させること。古賀さんもこの考えに感化され、TOUTEN BOOKSTOREをつくった今も、場としての意義を見出そうと模索を続けていると話します。

「私は本屋という場を『だれに対してもオープンに開いていて、確かな情報を届ける、社会とつながれる場所』だと考えています。もちろん本を買ってもらいたいという思いはありますが、毎日本を買うことは現実的ではないですよね。だから、本を買う目的がなくても毎日通ってもらえるように、コーヒーやビールが飲めたり、ちょっとした雑貨を置いたり、ワークショップを開いたりもしているんです」。

ボタンひとつで本が買える便利な世の中だからこそ、本屋に足を運ぶ理由をつくることが大切だと言う古賀さん。店づくりの工夫は、選書にも表れていました。

「前職でお世話になっていた先輩の書店員さんから学んだことですが、独りよがりな売り場にはしないことを心がけています。本の並べ方一つとっても、誰にとっても見やすいこと。好きなジャンルであればあるほど、マニアックになりがちな棚ですが、あえて大衆的な選書をするようにしています。そこにほんの少し自分のエッセンスを加えてもいるのですが(笑)。基本的には誰でもフラッと立ち寄ってもらえるよう、間口の広い店を目指しています」。

TOUTEN BOOK STOREしっかりと本の“顔”が見える本棚

実際に店には漫画や週刊誌も並び、良い意味での気軽さを感じることができます。そういった店づくりに対する考えの一端は『これからの本屋(書肆汽水域/北田 博充』から学んだことに由来していると古賀さんは話してくれました。

本屋という場を愛する人に、読んでもらいたい一冊です。

これからの本屋

¥1,320
発行/書肆汽水域
著者/北田 博充

続いて紹介してくれたのは『本屋がなくなったら、困るじゃないか(西日本新聞社』。書店、出版社 、取次の現場を知る面々が座談会形式で語り合い、『これからの本屋(書肆汽水域/北田 博充』と同じく本屋の未来を考えるための書籍です。

『本屋がなくなったら、困るじゃないか(西日本新聞社)

本屋がなくなったら、困るじゃないか

書店・取次・出版社という本にまつわる職に従事する10名による車座会議を収録。

“本を売る・つくる仕事はなぜこんなに面白いのに、ネガティブな話題が多いのか”といった素朴な疑問から出発しつつ、出版をとりまく構造的な問題を徹底的に明るく、未来に向けて話し合った内容を掲載しています。さらにトランスビューやミシマ社など、新しい動きを実践する組織や人のインタビュー・寄稿を加えた、提言の書です。

「この本も2016年ごろに出版された本で、取次の仕事をしているときに読みました。本を売ることの難しさ、本屋を存続させることの難しさが赤裸々に語られているので、出版業界に馴染みのない方は驚くような内容もあるかもしれません」と話す古賀さん。

続けて、「欲しいと思った本をお店で売るシンプルなことのように思えて、実はとても難しい。この本を読むとそれを理解できると思います。私自身も本屋をはじめたことでより実感していますね。毎日何百冊もの新刊が発売されるのに、欲しい本は手に入らない…。現状の物流の仕組みの中で、どうやりくりしていくか、試行錯誤しています」と日々を振り返ります。

古賀さんが話すように、“本を売る”と一言で言っても、その仕組みは実に複雑。既に構築されている物流システムを変えることの難しさと、そのシステムを変えなければ状況は変わらない。そういった現実の一端を本書を読むことで理解できます。

TOUTEN BOOK STORE

しかし、現状を嘆くだけではないのが本書の魅力。書籍をとりまく状況が少しでも向上するようにと、新しい取り組みをする企業や書店についても紹介しています。

例えば、大分県にあるカモシカ書店の店主・岩尾さんのインタビュー。カモシカ書店という場が地域に根づき、さらにはそこで働きたいと移住者が現れるようになった。まさに地方の小さな書店におけるモデルケースとも言える事例について語られています。

また、古賀さんは本書に記されているある言葉を今も大切にしているそうです。

「第一章に出てくる『本屋がなくなると本を買う習慣がなくなる』という言葉にハッとして。そんな世界をつくらないためにも、自分で本屋をつくろうという思いが強くなりました」と古賀さん。

本書に登場する人々もみな、本に対して愛情と情熱を持っています。それは文字を通じて読者にもしっかりと伝わり、古賀さんの心にも響いたのではないでしょうか。

実際にインタビュアーである私も『本屋がなくなったら、困るじゃないか(西日本新聞社』を読んで、今ある本屋を残すために自分ができる消費について考えるようになりました。

本を売るために、本屋を存続させるために必死で試行錯誤する筆者たちの頑張りを体感した後は、自然と本屋に足が向いているはずです。

本屋がなくなったら、困るじゃないか

¥1,980
発行/西日本新聞社
編集/ブックオカ

次に紹介してくれた『マイパブリックとグランドレベル(晶文社/田中元子』は、TOUTEN BOOKSTOREの開業を決めた古賀さんが、店づくりの参考したと話す“まちづくり”にまとめた一冊です。

『マイパブリックとグランドレベル(晶文社/田中元子)

マイパブリックとグランドレベル

建築やデザインなどの専門分野と一般の人々とをつなぐことをモットーに、さまざまなメディアやプロジェクトづくりを行ってきた著書が、まちづくりのアイデアを紹介。

本書は前半の「マイパブリック編後半の「グランドレベル編 で構成されています。前半に紹介されている「マイパブリック」とは、筆者がつくった造語。直訳すると“私の公共”を意味します。マイパブリックがなぜ今の時代に必要なのか。これまでの筆者の経験から得た気づきと具体策について紹介しています。

後半では、「マイパブリック」の視点で導く「グランドレベル」の見方、考え方を解説。コペンハーゲンやポートランド、台北など、「グランドレベル先進都市」の事例を紹介しつつ、日本の都市や建築が見落としてきた大切なポイントを示しています。

古賀さんは本書を読んで、「店を出すなら1階にしよう!」と意思を固めたそう。その理由についてこう話します。

1階づくりはまちづくり、という考え方がすごく面白いと思いました。1階は地域とつながる場。まちに店を浸透させるには、まず1階を盛り上げようと店をつくるときに意気込みました!」と古賀さん。「地域活性化と言うとハードルが高く感じますが、1階づくりと言えば自分事にできますよね」と続けます。

TOUTEN BOOK STORE金山駅から歩いて7分ほどの沢上商店街に建つ「TOUTEN BOOKSTORE」

さらに古賀さんは“自分のできる事を無料で振る舞う”といった著者の考えにも感銘を受けたと話します。

「例えば、地元でもない土地で一人暮らしをしていると、誰とも話さないまま一日が過ぎることってあると思うんです。とくに今は新型コロナウイルスの影響で、より他人との関係が遮断されがち。そういった現状の中で、私の店がある意味で逃げ場のような存在になれたら、と思っています。本を買う目的がなくても、ふらっと立ち寄ってもらえる店にしていきたいですね」。

そう話す古賀さんですが、TOUTEN BOOKSTOREのような新しい店が地域に浸透することの難しさも日々感じているそうです。しかし、いつか自分の店が地域の公共の場になることを目指す思いは変わらないという話も。

マイパブリックとグランドレベル(晶文社/田中元子』は、古賀さんのように店を持つ人に限らず、自分も公共のために何かできるかもしれない、という想像力を導き出してくれる一冊です。

自分ができるマイパブリックとは何か。本書を読んでぜひ一度考えてみてはいかがでしょうか。

マイパブリックとグランドレベル

¥1,980
発行/晶文社
筆者/田中 元子

2.価値観の幅を広げてくれる一冊

次に紹介してくれたのは『くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話(タバブックス/ヤマザキOKコンピュータ 』。今までとは打って変わり、“投資”をテーマにした本書。古賀さんは、投資に興味がない人ほど読むべき一冊だと力説します。

『くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話(タバブックス/ヤマザキOKコンピュータ )

くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話

皆さんは投資についてどんなイメージをお持ちでしょうか?

お金儲けのため、資産運用のため。確かにそれも間違いではありません。しかし著者は、本書の中で投資について独自の視点で定義づけています。

「はじめに」より

この本の中「投資」をお金を増やすための道具ではなく、人生を楽しむための道具として扱ってみたい。それは競馬や宝くじといったギャンブル的なアミューズメントという意味ではない。

投資を生活の中に落とし込むことで、よりよく、より楽しく生きていけるのではないか、という提案だ。

バンドマンであり個人投資家でもある著者の視点から見えた等身大の社会と経済、お金に関することをまとめた本書。お金との付き合い方を一から考え直してみて発見した、お金に対する価値観と投資の重要性をつづっています。

「この本を読むと、お金をどう使うか、どこに使うかがいかに大切なのかを体感できると思います自分の好きなものや好きな店、好きなブランドを残すためには、どんな行動を起こせばいいのか…私もすごく考えるようになりました」と古賀さん。自分の店をはじめたことで、さらにその意識は強くなっていったそうです。

「本を仕入れるのにもお金がかかるし、購入した本を入れる袋一つ買うのにだってお金がかかる。それを支えてくれてるのは売上でしかない。自分の店にお金を使ってくれていることのありがたさを実感するからこそ、自分がお金が使うときに、『応援したい企業を選択しよう!』と考えるようになりましたね。買い物は投票だって言うくらいですから」。

TOUTEN BOOK STORE

そう古賀さんが話すように、『くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話(タバブックス/ヤマザキOKコンピュータ 』を読み解くと、投資に限らず自らのお金の使い方について新しい気づきを得ることができます。銀行で貯金をする、コンビニで商品を買う…。今まで当たり前だと思っていた行動を改めるきっかけを与えてくれるはずです。

もちろん、本書には実際に投資をはじめる際の注意事項についても記されています。キーワードは「ときメモと資産運用は、ひとつに集中しないこと」。ユーモラスな解説の詳細は、ぜひ本書を読んで確かめてみてください。

「格差や汚染を見て見ぬふりをして、自分の幸せだけを追求することに対する問題提起がこの本に書かれています。私自身も今を楽しく生きるだけでなく、次の世代のことを意識するようになりました。しかし、自分一人で格差社会を変えることや環境汚染を防ぐことは難しい。でもその問題と戦う企業に投資することはできますよね。そういった自分の姿勢によって社会を変えることができる。自分がどういった社会で生きていきたいかを考えたときに、この本は役に立ってくれるはずです」。

くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話

¥1,540
発行/タバブックス
著者/ヤマザキOKコンピュータ

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3.本屋での偶然の出会いによって見つけた新たな世界

これ、グラフィックノベルの本なんです」。

そう言いながら紹介してくれたのが、『マッドジャーマンズ(花伝社/ビルギット・ヴァイエ)』です。

『マッドジャーマンズ(花伝社/ビルギット・ヴァイエ)

マッドジャーマンズ

グラフィックノベルとは、高い物語性や芸術性を志向し、複雑なストーリーを備えた大人向けのコミックのこと社会問題やアイデンティティの問題を、マンガならではの工夫を盛り込みつつ、絵とテキストによってわかりやすく描いています

古賀さんとグラフィックノベルと出会いは、数年前の東京・神保町の本屋で偶然起こったそうです。

「前の仕事をしているときに、たまたま神保町の本屋で見かけたのが『マッドジャーマンズ(花伝社/ビルギット・ヴァイエ)』でした。表紙に惹かれて購入して、すぐにバスの中で読んだのを覚えています。グラフィックノベルを読んだのが初めてだったのですが、すごく衝撃を受けましたね」と話す古賀さん。

TOUTEN BOOK STORE

グラフィックノベルは総じて、センシティブな話題を取り扱うことが多く、『マッドジャーマンズ(花伝社/ビルギット・ヴァイエ)』では、移民問題のリアルを描いています。

あらすじ ドイツ統一により、現在は失われたかつての東ドイツにアフリカからやってきた若者たちの物語。東ドイツ時代には移住労働者だった彼らは、ドイツ統一の混乱に巻き込まれた後、ドイツの市民として取り扱われることに。この市民を意味する言葉が表題である「マッドジャーマンズ」です。故郷に戻らない選択をした彼らを待ち受けていたのは、統一後の混乱と差別。そんな状況の中、彼らは自分だけを頼りに道を拓いていくのでした。

移民問題は各国の社会問題が絡んで複雑化しており、一朝一夕に認識するのは難しいでしょう。しかしグラフィックノベルという形でその問題にふれることで、従来より難なく理解を深めることができるのではないでしょうか。

古賀さんも文章だけでは伝わりづらい感情を本書を通じて感じ取ったと言います。

日本の漫画では見たことのない絵のタッチやコマ割が多く、独特ですね。顔も身体も美化されていないのに、なぜか目を引く。リアルな絵柄ではないのに、自然と感情移入してしまうから、遠い国の移民問題をすごくリアルに感じられた気がしたんです」。

本棚「TOUTEN BOOKSTORE」のグラフィックノベルの本棚

そして古賀さんは『マッドジャーマンズ(花伝社/ビルギット・ヴァイエ)』をきっかけに、世界各国のグラフィックノベルを読み深めていったそうです。そして、「自分の店を開いたら、グラフィックノベルの棚をつくろう!」と決意するまでに。

本の魅力の一つが“新しい世界との出会い”だと思っています。私はグラフィックノベルをきっかけして、社会情勢や歴史についてより興味を持ったようになりました。そういった経験もあって、本屋をはじめるモチベーションの一つとして、グラフィックノベルを多くの人に広めたいという思いが生まれましたね」と話す古賀さん。

「TOUTEN BOOKSTOREをつくる上で、重要な役割を担ってくれた作品です」と『マッドジャーマンズ(花伝社/ビルギット・ヴァイエ)』を最後に紹介してくれました。

マッドジャーマンズ

¥1,980
発行/花伝社
著者/ビルギット・ヴァイエ

4.終わりに

本

「このまま何もしなければ、町の本屋が消滅する一方だ…」。そんな危機感から、自分で店を開く決意をした古賀さん。

TOUTEN BOOKSTOREをオープンして、約3か月が経った現在。地域の方の「ここに本屋ができてよかった」という声に毎日励まされていると古賀さんは話します。

しかし、今回紹介した『これからの本屋(書肆汽水域/北田 博充』や『本屋がなくなったら、困るじゃないか(西日本新聞社』にも記されているように、本屋を継続して運営することは非常に難しく、自身でもその苦労を感じるそうです。

持続可能な本屋にするために、TOUTEN BOOKSTOREをどんな店にしていきたいのか。改めて古賀さんにお伺いしました。

「本をきちんと売りたいのが一番ですが、粗利の低さという問題はどうしてもつきまといます。そんな中で、うちの店はカフェやワークスペースをうまく活用していきたいですね。具体的には、出版イベントをしたり、ワークショップを開いたり場所としての価値をどんどん高めていきたいですね。あとは今後マルシェなど、地域の方とコラボしたイベントができたら幸せです」。

本との出会いがきっかけの一つとなり、本屋をオープンし、TOUTEN BOOKSTOREの未来に夢を抱いている古賀さん。

皆さんも未知なる本との出会いを、本屋で体験してみてください。

写真=太田昌宏(スタジオアッシュ)

丨エディマートが運営するオンライン書店丨

 

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FUMIE MIZUNO

この記事の執筆者FUMIE MIZUNOクリエイティブ・ディレクター

大学卒業後、大手機械メーカーに就職。企画・広報業務を担当するなかで、自分自身で何かを作り上げたいという気持ちが芽生え、転職。2018年エディマートに入社する。学生時代はメディアプロデュースを専攻。テレビ番組や記事制作を通じて、「つくる」ことの楽しさを知り、編集の仕事に憧れを持つように。現在は主に雑誌や新聞の編集・ライター業務とオンライン書店「Emo Books」の運営を担当。食べることが大好きで、グルメ取材が何よりの楽しみ。女性アイドルと猫と野球をこよなく愛する編集者として日々奮闘中!

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