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2021.05.17 Mon

本の紹介

『お茶のすすめ お気楽「茶道」ガイド』(WAVE出版・川口澄子)/ 敷居が高いという先入観を塗り替えてくれる、ほのぼの茶道入門書

お茶のすすめ

お稽古歴15年を超える画工・川口澄子さんが自身の体験談をもとにつづった “お気楽茶道ガイド”。

興味を持ったきっかけから、お稽古を始めたてのころのエピソード、茶道具やお菓子、着物やお茶会といった専門的な知識まで、茶道のひと通りを網羅した、楽しくも学びの詰まった内容です。

慣れない経験に戸惑いながらも、茶道の世界にはまっていく様子はイラストも相まって臨場感たっぷり。読み手も茶道の入り口に立った気分を味わえる一冊です。

本書を手に取る理由はお茶が好き、和菓子が好き、それだけでOKです。さあ、著者の体験をのぞいてみましょう。

この記事のライター/甚沢里絵(ライター・心を整えるノートレッスン主宰)

書くことって、楽しい。それに、自分をご機嫌にしてくれるもの。幼い頃からそう信じて、ライターになる。現在は、日記の習慣化など、心すこやかに生きるエッセンスを発信。女性のライフスタイルや暮らし方、セルフケアに関する分野を中心に、気持ちよく生きるためのコツを日々収集する。

顔写真
甚沢里絵
 
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1. 高そうな敷居に躊躇しているなら、まずは本から 

お茶のすすめ

茶道は敷居が高いもの、というイメージを持っている方が多いかもしれません。でも、茶道でいただくお抹茶は、コーヒーや紅茶と同じように、普段の生活の中で気軽に楽しむことができるもの。抹茶味のスイーツも、世代を問わず愛される定番グルメですよね。

かくいう私も、抹茶好きの一人です。そして、和菓子も好き。私の場合、このふたつの好きが、茶道に興味を持つきっかけでした

本書は茶道に興味はあるけれど、まずは気軽に楽しんでみたいなという、茶道の入門にぴったりの一冊です。

興味はあるもののお稽古を始めるには敷居が高いと躊躇していた私自身も、まず気軽に本で学んでみようと思っていました。

そこで見つけたのが、この本。書店の棚で由緒正しき佇まいの専門書に挟まれて、ほかとは雰囲気の違う背表紙と、マンガ風のゆるふわっとした表紙を見て、うれしくなったのです。

著者の川口澄子さんは、広告や書籍など様々な媒体で挿絵や版画を手掛ける画工。版画を学んでいた大学時代に、茶室を見学する機会があったことが、茶道に興味を持つきっかけになったとつづられています。

さらに、初めてのお稽古のこと、お茶会デビュー、着物の楽しみ方など、自身の体験談がイラストとともに記されています。

道具やお作法など実際に役立つ専門知識も項目に分けて紹介されていて、エッセイ的要素と実用的エッセンスの両方が詰まったひと粒で二度おいしい本なのです。

2.ひたむきにお稽古に向き合うことは、まるで人生の教訓のよう

専門的な知識は、著者による手書きの図解。実際に見聞きし体験したことはマンガ仕立て。

聞きなれない用語や見慣れない道具も登場しますが、どちらも初めて茶道に触れる人の目線に立ってやさしくわかりやすく書かれています

これまでにお茶をいただくお客として経験したことがある方なら、理解がぐっと深まるはず。何よりほのぼのとしたイラストが、茶道をぐっと近くに引き寄せてくれています。とくに、マンガ仕立ての体験談は、一緒に体験しているような気持ちを誘ってくれます。

抹茶のおいしさを噛みしめたり、茶室にただようお香の香りにうっとりしたり、茶道を通して広がった人との関わりも、一つひとつが茶道の魅力を教えてくれるのです。

中でも印象深いのが、お点前(お茶を点てお客に飲んでもらう一連の動作)をやり遂げた日のエピソード「わかったのね」

お点前の動作は、すべて細かく決められているのですが、それを川口さんは「まるで楽譜のよう」と書いています

ピアノのレッスンと同様に、お点前の動きが身につくまで幾度もお稽古を重ねます。入門してからしばらく経っても、お点前の動作を覚えることができずにいたという川口さん。ある日突然、先生の指示を仰がずとも滞りなくできる日が訪れます。

そのお抹茶を飲んだ先生が言った「これまででいちばんおいしいわ!」という一言に、読んでいるこちらも温かい気持ちに。そして、「これからよ はじまりは」という最後のコマに書かれた先生の言葉に、“茶道って人生みたい”などと感慨深く思ったのでした。

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3.茶道をしている人が美しく見えるのは、ちゃんと理由がありました

私は茶道が人生のようだと感じると同時に、かつて先生から「茶道は思いやりの心なのよ」と教えていただいたことを思い出します。

川口さんが、本書の冒頭で掲げている「お茶七則」のひとつに「立場をわきまえて、相手が居心地よくなるような思いやりを忘れずに」という言葉があります。

私は常々、茶道をしている人は美しいと思うのですが、その美しさは、流れるような所作や立ち居振る舞いはもちろん、この思いやり、おもてなしの心を知っているからこそのものだと思ったのです。茶道を学ぶことは、内側の美しさを磨くことなのですね。人との関わり方も勉強になります。奥が深いですよね。

本書には抹茶の選び方や点て方など、家庭でもできる楽しみ方も紹介されています。実際に川口さんがどんなふうに自宅でお茶を楽しみ、どんなおもてなしを心がけているかも勉強になります。

流れるような所作に、茶道の心。本で知るだけでも、日々の目線がぐっと変わるはずです。

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RIE JINZAWA

この記事の執筆者RIE JINZAWAライター・心を整えるノートレッスン主宰

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