2021.07.13 Tue
企業の約8割がオウンドメディアに注力。コンテンツ制作の人材確保に悩む声も/調査・データ
雑誌『広報会議』の読者80名を対象に、株式会社宣伝会議が「オウンドメディア(サイトに限る)運用」にまつわるアンケートを実施。
その結果から、企業のオウンドメディアに対する期待値の高さが伺えました。一方で、課題を抱えながら運用しているケースも多いことが判明。気になる結果を詳しく見ていきましょう。
1.回答した企業の8割がオウンドメディアに注力
まずはオウンドメディアの定義について、改めて確認しましょう。
雑誌『広報会議』のアンケートでは、オウンドメディアに対して企業がどのように運用しているかを調査。結果は、「とても注力している」「注力している」などの回答が8割を超え、各企業が力を入れていることがわかりました。
オウンドメディアに傾倒する企業の増加の理由として、新型コロナウイルスの影響が挙げられるでしょう。また、リモートワークを中心としたオンラインを活用した働き方への変化も、その流れを加速させているのではないでしょうか。
しかし、運用にあたっては担当者から費用面、効果測定など多くの課題も寄せられているようです。
- 社内理解に関して
「社内からの情報収集体制が構築しにくい」
「思うような成果(リードの獲得)ができず、経営層にオウンドメディアの重要性を理解してもらえない」
- 効果測定に関して
「PV数は上がっても、コンバージョンに結びつかない。記事は役に立っていると推定できるが、顧客創造にはほど遠い」
「社内での分かりやすい効果測定の共有が課題」「BtoB向けコンテンツのため、PVの頭打ちが懸念」
- 人材確保に関して
「コンテンツ制作ができる人材の確保(他部署への依頼、モチベーションの担保)ができていない」
「やりたいことはたくさんあるが、人的リソースが限られており、優先順位の高いもの(コンバージョンにつながる施策)だけに注力せざるを得ない」
- 方針決めに関して
「オウンドメディアの方向性の決め方。企業の認知を広げる側面と、サービスへの登録を促す側面の両方大切なので、方向性をどちらかに振るということが難しく、結果メディアとしてぼやけてしまう」
(出典/株式会社宣伝会議「オウンドメディア(サイトに限る)運用」にまつわるアンケートから転載)
オウンドメディアに注力したいという思いが強まる一方で、制作における人材確保などまだまだ課題も残っているのが現状です。
2.企業イメージ向上・企業ブランディングの確立に期待
オウンドメディアに期待すること回答上位(出典/株式会社宣伝会議「オウンドメディア(サイトに限る)運用」にまつわるアンケートから転載)
オウンドメディア(サイト)に期待する役割については「企業イメージ向上・企業ブランディング」が最も多く、回答をした約7割の企業が期待していることが分かりました。
ブランディングのメリットとしては、競合との差別化や顧客からの信頼獲得が挙げられます。継続的にメッセージを発信できるオウンドメディアでは、長期的な運用を前提とし、一貫したメッセージを届けることが可能。さらに、顧客とのコミュニケーションの場として活用することも考えられるでしょう。
3.「ページビュー」をKPIとする回答が60%以上
KPI設定に関する回答トップ10(出典/株式会社宣伝会議「オウンドメディア(サイトに限る)運用」にまつわるアンケートから転載)
オウンドメディアの戦略策定において、重要となるKPIの設定。
Key Performance Indicatorの略で、「重要業績評価指標」という意味。目標を達成する上で、その達成度合いを計測・監視するための定量的な指標を指します。
KPIを適切に設定することで、目標が明確になり、チーム内の方向性が統一されます。つまり最終目標(事業目標)を達成するために必要な、具体的に数値化された中間指標を意味します。
本アンケートでは、KPIを「ページビュー」と設定している企業が6割以上に及ぶことが分かりました。次に「ユニークユーザー数」、「滞在時間」、「新規ユーザーの獲得」、「企業認知度の向上」と回答が続きます。
一方で、今回調査したオウンドメディアの月間平均PV(ページビュー)数は、半数が5万PV以下という結果だったそうです。対象となるオウンドメディアがBtoBなのか、BtoCなのかによって目標値も変わりますが、いずれにしてもPV数を上げることは容易ではありません。
ページビュー数をKPIに設定しているものの、実際に成果を収めることは容易ではないことが分かります。
PV数を上げるために重要になるのが、読者のニーズを的確にキャッチしたコンテンツの質。SEOへの理解を含めた価値の高いコンテンツをつくるために、自社だけでなく他社による代行という選択肢も考えられるでしょう。しかし、実際に外部委託を進めるには、さまざまな弊害が生じることが次の調査結果から分かりました。
4.外部委託については課題も浮き彫りに
外部委託に関する回答トップ10(出典/株式会社宣伝会議「オウンドメディア(サイトに限る)運用」にまつわるアンケートから転載)
オウンドメディアの運営の外部委託に関する調査では、半数が外部委託をしていないという結果になりました。
外部委託をしていない理由としては、「外注先によっては、かなり前に企画を確定させる必要があり、臨機応変な対応がむずかしい」、「コスト・クオリティのバランス」といった意見が挙げられています。
一方で外部委託をしている企業の回答は、「記事のライティング」が3割程度。次に「取材・インタビュー」、「文字起こし」、「写真の撮影」と続きます。
つまり、外部委託の内容としてはコンテンツ制作の実務が大部分であるというこです。制作にあたっては世界観の共有やフレキシブルな対応も必要なため、戦略は自社でコントロールしつつ、内製でまかないきれない部分は外部へ委託していると考えられます。
以上の結果から、オウンドメディアの運営において重要視すべきことを改めて考えてみましょう。
- 長期的な視点でのブランディング
オウンドメディア運営の目的の一つであるブランディングは、すぐに結果を出すことは難しいです。そのため、あくまで長期的な視点で観測することを忘れないようにしましょう。
- 明確な方向性の決定
ブランディングにおいて、明確な方向性を決めておくことは必要不可欠。長期的な運用が基本とされるオウンドメディアで、方向性がぶれないようにすることが大切です。
- 人的リソースの確保
オウンドメディアの運用は、有益となる情報を定期的に読者に発信し続けることが必要です。そのため、運用には手間と時間が取られてしまいます。社内だけでは運営が難しい場合は、運用代行などを活用し、ディレクターやライターなど専門的なリソースを適切に配置しましょう。
- 企業の認知向上やPV数に貢献するコンテンツ制作
設定したKPIを達成するためには、コンテンツの質が重要です。闇雲につくったコンテンツでは、時間とお金の無駄になってしまいます。オウンドメディアの資産化にもつながる、質の良いコンテンツを制作し、発信していきましょう。
このようなことをしっかりと検討した上で、運用することが大切になります。現在、オウンドメディアを運営している方はもちろん、今後新たなメディアのスタートを考えている方はぜひ参考にしてください。
矢野経済研究所の調べによると、オウンドメディアを含めたデジタルマーケティング市場は、今後も拡大が見込まれることが分かりました。
コロナ禍でオンライン化が急激に進み、オンライン上での顧客行動の把握や顧客接点の創出がより重要になっていくことが予想できます。
エディマートは、本オウンドメディア「エディマグ」の運営をはじめ、数々のオウンドメディアの企画や制作に携わってきた実績があります。そういった経験を生かして、オウンドメディアのコンテンツ制作はもちろん、運営代行から外注先の選び方までさまざまな側面からお手伝いが可能です。
オウンドメディア運営にまつわるお困りごとがありましたら、お気軽にご相談くださいませ。
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