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2021.07.20 Tue

本の紹介

『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』(集英社・石田勝紀)/ 「早くしなさい!」は、呪いの言葉!? 親も子もハッピーになれる、最大6文字の言葉かけ習慣

子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば

20歳で学習塾を創業し、30年以上教育の現場に立ち、現在はセミナーや講演会活動で全国を飛び回る教育専門家である筆者・石田勝紀さん。

早くしなさい!」「ちゃんとしなさい!」「勉強しなさい!」は、マイナス効果100%の『呪いの言葉』と、冒頭から読み手をドキリとさせますが、子どもの自己肯定感を育むコミュニケーション術は、世のお父さん・お母さんを勇気づける内容です。

子どもの勉強について多くふれられていますが、未就学児の子どもを持つお父さん・お母さんにも響くポイントが満載。

前向きな言葉を使うにはどうしたらいいのか。そんな疑問は本書を読むことで、解決できるかもしれませんよ。

この記事のライター/甚沢里絵(ライター・心を整えるノートレッスン主宰)

書くことって、楽しい。それに、自分をご機嫌にしてくれるもの。幼い頃からそう信じて、ライターになる。現在は、日記の習慣化など、心すこやかに生きるエッセンスを発信。女性のライフスタイルや暮らし方、セルフケアに関する分野を中心に、気持ちよく生きるためのコツを日々収集する。

顔写真
甚沢里絵

1.そもそも、親である私の自己肯定感に自信がなくて

子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば

自己肯定感。

この本ではその定義を、『自分のことを価値ある人間である、素直に大切な存在であると感じる心』、『シンプルに言えば「自分が好きで自分に自信がある」ということ』としています。

そもそも私は、落ち込みやすくて、ネガティブにならどれだけでもなれそうな性格。

「自信のなさにこそ自信があります!」と胸を張れそうな私は、子どもには自己肯定感のかたまりのようであってほしいと思っていました。…でも、どうやって?

そんな興味からこの本を手にしたのですが、ただならぬ前書きから始まるのです。

「それくらい我慢しなさい」

「みんなに嫌われるよ」

「あとで後悔するのは自分だからね」

(中略)

これらはみんな子どもたちへのNGワードです。

私は別名「呪いの言葉」とも呼んでいます。

(中略)

子どもは勝手にはつぶれない。

子どもは親の言葉によってつぶされている。

という現実でした。

そして何がつぶされるのかといえば、それは自己肯定感です。

(本文より)

 

さらに、続く第一章では、数ある呪いの言葉の中でも、いちばん使ってはいけない「マイナス効果100%の呪いの言葉」が3つ挙げられています。

「早くしなさい」

「ちゃんとしなさい」

「勉強しなさい」

(本文より)

 

ついつい口にしてしまっている自分を見抜かれているようでドキリとしました。

本の中では、それぞれの言葉がなぜいけないのか。子どもの心にどう作用しているのかを教えてくれます。そして、それらの言葉はいますぐ「葬り去るべき」だ、と。

「ちゃんと」っていったい何でしょう?

言っているほうの親が実はよくわかっていなかったりするので、言われた子どもは「ちゃんとって何? わからない」と素朴に「?」が頭に浮かんでいるはずです。

実は「ちゃんとしなさい!」というのは、親にとって都合のいいストレス発散用語であり、イライラ波立った感情を言語化して言っているだけだったりするのです。

(本文より)

 

子どもの気持ちも、大人の身勝手な都合も、まさにその通り。

著者の石田さんが学習塾という教育の場で、親と子を客観的に見つめてこられた方だからこその的確な考察に弁解も反論もできません。

2.幼い日の自分もそうだったと回想しながら

呪いの言葉で弱った自己肯定感を高める10の言葉は、最大6文字のとても簡単でシンプルな言葉ばかりです。

その中でとくに心に響いたのは「だいじょうぶ」。

友人にかけるには根拠がなくて、少し無責任な気がして、軽率に使うことはためらわれる言葉だと思っていました。子どもにも「だいじょうぶだよ」と言いつつ、大丈夫じゃなかったら…と口にするたび気になっていたのです。

著者の石田さんは、国内外の研究を用いて、不安や心配事の9割は取り越し苦労だと言い

「だいじょうぶ」とは、「それは悩み損だよ」「無駄な苦労だよ」「だから心配してもしょうがないよ」という気づきを与えてくれる言葉です。

(本文より)

 

と勧めています。

自分の心にあった小さな気がかりが、この一節を読んでなくなりました。親と子の信頼関係において「だいじょうぶ」は、ほかに勝るものがないお守りの言葉なのですね。

ちなみに、シンプルな言葉だけに使い方が肝心とのこと。

思いを込めて一生懸命に使うのか、それとも軽くさりげなく使うのか。こんな時には使わないでという注意点もありました。その一つひとつがいちいち面白く、読むスピードも上がります。

私もかつては、一人の子ども。母に「宿題しなさい!」「いい加減にしなさい!」って怒られたな。急かされたり、ときに見放されたり(笑)。そのときの気持ちが、石田さんが捉えた子どもの心境にぴったり合って、面白い。納得がいく

単に子どもとのコミュニケーション術を読んでいるだけではない、豊かな気持ちにさせられるのです。

3.最後に、お母さんの自己肯定感も上がります

あくまで“わたしの場合”ですが、呪いの言葉は、今のところ「葬り去る」ことはできていません

今も、朝のバタバタの中で「早くしなさい!」と言ってしまいます。けれど、その言葉を言われた子どもの気持ちや、のんびりしているわけではなく子どもの時間軸で急いでいることは理解しているから、回数はぐんと減りました。繰り返し言ってしまいそうになるところを抑えることも心がけています。

10の魔法のことばは、しっかり活用しています。なにせ簡単だからいいのです。頭をなでながら、両手のひらで頬を包みながら、体をギュッと抱きしめながら、愛情表現もプラスしたらより伝わるかなと思いながら実践中です

本書には、子どものためにしてはいけないこと、するべきことがたくさん書かれていますが、どうか途中で読むのをやめないで最後までページをめくってください。締めくくりの第4章には「お母さんの自己肯定感も高めてしまいましょう」が待っています。最後の章で心がふわりと軽くなりますよ。

「よし!頑張ろう」という気持ちも、子どもを愛おしく思う気持ちもますます湧いてくるはずです。

 

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RIE JINZAWA

この記事の執筆者RIE JINZAWAライター・心を整えるノートレッスン主宰

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書くことって、楽しい。それに、自分をご機嫌にしてくれるもの。幼い頃からそう信じて、ライターになる。現在は、日記の習慣化など、心すこやかに生きるエッセンスを発信。女性のライフスタイルや暮らし方、セルフケアに関する分野を中心に、気持ちよく生きるためのコツを日々収集する。

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