名古屋の編集プロダクション・エディマートが取材や編集のノウハウを伝えるメディア「エディマグ」 エディマートが取材や編集の
ノウハウを伝えるメディア

  • TOP
  • デザイン
  • 新聞デザインの基本。事例を交えて記事広告の作り方を解説

2019.08.14 Wed

デザイン

新聞デザインの基本。事例を交えて記事広告の作り方を解説

新聞デザインについて

エディマートでは雑誌や書籍などのマガジン制作と合わせて、新聞の記事広告も多く手がけています。新聞といえば、記者が現地へ足を運んで記事を作るいわゆる報道面をイメージすると思いますが、広告を記事風に見せる「記事広告」というページもあります。記事広告は報道記事と違い、新聞社以外の制作会社が取材や執筆、デザインを請け負う場合があります。かくいう私自身も2007年頃から10数年、メインの案件として制作に携わってきました。

新聞の記事広告の説明/中日新聞夕刊_大相撲名古屋場所_荒磯親方インタビュー

新聞離れがすすみ、新聞広告自体が減少傾向。新聞デザインの制作方法を解説したハウツー記事もなかなか見当たりません…。そこで新聞としての信頼性を保ちながらも、報道記事よりも自由なレイアウトを見せられる記事広告のデザインについてまとめました。

1.まずは新聞レイアウトの基礎を解説

新聞の段の概念を説明

新聞サイズを表す「段」とは?

新聞1ページは、横に15分割した「15段」という単位で構成されています。そのため、記事を作るときはこの「段」をもとにしてレイアウトを組んでいきます。主に新聞の下半分で見かける広告も段の単位でサイズが決められ、全5段(5段全部)、半5段(5段を縦半分に分割した大きさ)などと呼ばれており、内容の切り替えや広告費を決める際の基準となります。また、1段の高さや幅は新聞社によって異なることも。段のサイズは各新聞社のホームページで公開されていますので、制作するときは掲載する新聞社のものを確認するようにしましょう。

近年は読者の高齢化に合わせて文字のサイズが大きくなり、15段ではなく12段で構成する新聞社も増えてきました。エディマートがお世話になっている中日新聞も、2014年から報道面に関しては12段を採用しています。しかし、広告に関しては15段のまま数えるのが一般的ですね。

2.新聞の肝は見出しにあり!

新聞の記事は逆三角形で構成新聞記事を書くときは、欠かせないポイントが2つあります。ひとつは、いつ(WHEN)、どこで(WHERE)、だれが(WHO)、何を(WHAT)、なぜ(WHY)、どのように(HOW)の、いわゆる5W1Hの要素が必ず含まれるようにすること。

もう一つは、起承転結ではなく、結論を先に書く逆三角形で構成されていること。読者に伝えたい大切な情報は一番最初に書き、その後に補足を書き加えていくスタイルです。

そのなかでも、もっとも重要なのが「見出し」。記事の中で一番伝えたいことを10文字前後で簡潔にまとめます。報道記事では原稿を書いた記者が見出しをつけるのではなく、情報の大小や紙面のレイアウトを決める整理記者と呼ばれる人が、その日に掲載をする記事全体を把握してから決めているそうですよ。

記事広告にも同じルールに則って、伝えたい内容を要約したタイトルを大きく扱い、読者の目を引くようにするのがセオリーです。

新聞記事で大切な2つのポイント

  • 5W1Hの要素/いつ(WHEN)、どこで(WHERE)、だれが(WHO)、何を(WHAT)、なぜ(WHY)、どのように(HOW)
  • 見出し/記事の中で一番伝えたいことを10文字前後で簡潔にまとめる!

3.記事広告のレイアウトの基本

中日こどもウイークリー 韓国風コーデ

新聞の特性上、さまざまなジャンル・業界の話題を手がけます

新聞の記事広告は、ビジュアル(インパクト)重視の純広告とは違い、文章を読ませることが目的になるケースが多いです。とは言え報道面とも異なり、新聞特有の段組みにとらわれない自由なレイアウトを組むことができます。対談やインタビュー記事ではストレスなく長文を読ませる紙面に、旅行訴求の記事では写真をふんだんに使って、旅情をかきたてるよう楽しげな紙面を演出します。防災や詐欺防止など命に関わる啓蒙記事では、もちろん引き締まった印象の記事に。またエディマートでは子ども向け新聞の制作もしていて、ファッション記事も手がけています。

記事広告の段組みは?

右綴じの新聞では縦書きでレイアウトを組む場合が多いですが、親しみやすい内容が多い生活面での掲載や、ターゲットによっては横書きも取り入れています。また報道面の1段は高さ30〜35mm程度ですが、記事広告では報道面との差別化を図るなどの理由で、1段の高さを50mm前後と長めすることもあります。

例えば、エディマートがレギュラーで制作している中日新聞「MUNEHARU!!!」。映画や音楽などの最新カルチャー情報をお届けする企画です。若い読者に向けてインタビュー記事は横書きに、インタビュー対象のアーティスト写真は大きめに配置し、ビジュアルでも訴求するデザインにしています。

MUNEHARU!!! DRUM TAOインタビュー

新聞の記事広告、書体は何を使う?

報道面の記事では各社でオリジナルの書体を用いていますが、記事広告は自由度が高いので、内容に合わせてさまざまな書体を使っています。取り上げるジャンルや企画によりさまざまですが、他の記事に埋もれないような太めのゴシックを使う頻度がもっとも高い印象ですね。

通常の広告と同じく、ターゲット層の目を引く書体を選んでいますが、奇抜でデザイン性を重視した書体はあまり用いず、可読性を下げないように気を配ることも大切です。

また、読者層の年齢が高めと言うことは忘れず、文字の大きさには気をつけないといけません。さらに高速印刷でもかすれないように、小さい文字は明るい色や明朝体を避ける気遣いも必要ですね。

書体選びはこちらの記事もチェック!

新聞の記事広告デザインで気をつけたいこと

誤った情報を掲載しないよう、原稿だけでなくデザイン面にも気を配ります。例えば国旗を使うとき、風になびくようにデザインをするのはタブー。国旗は各国によって正式な縦横比が決まっているからです。地図を配置するときも、小さい島が抜けていないかなども配慮しておきたいですね。また「NEW OPEN」のような、雑誌ではアルファベット表記が多い単語でも、多様な読者に合わせてなるべくカタカナ表記にしたり、ルビを振るなどの対応もします。

ちなみに新聞の記事広告でも「フォトジェニック」がある意味でブーム!私は10数年、新聞デザインに携わっていますが、近年は文章が少なめで、写真を見せるレイアウトが好まれていているように感じています。以前よりも印刷の質が上がり、きれいに印刷できるようになっていることも一因かもしれません。

3.最後に

主に若い世代の新聞離れのため、記事広告の掲載頻度は2015年ごろを境にぐんと減ってしまいましたが、新聞紙面のなかでも比較的カジュアルな内容が多く、誰にとっても読みやすい紙面だと私は思っています。新聞を読む機会があれば、報道とは違った魅力を持つ「記事広告」にも目を通してみてくださいね。

AYANO TANAKA

この記事の執筆者AYANO TANAKAデザイナー

大学を卒業後、2006年新卒入社の社員第1号。1年目は編集者兼ライターとして、2年目から約9年間はデザイナー兼編集者として勤務し、新聞広告・ムック本の制作を主に担当。硬派な仕事が好み。2度の育児休業を経て2019年4月に時短勤務で復帰。仕事はつねに全速力で行うことを心がける。旅行&自転車好きが高じて、某新聞社の旅行サイトで2年間ブログを連載。子どもとお出かけがライフワークで、趣味は断捨離と株式投資。

記事一覧

お問い合わせ

お仕事のご相談や、採用についてなど、
お気軽にお問い合わせください。