2019.10.25 Fri
文章の表現を広げるには?レパートリーを増やして、ポジティブな記事を作りたい!
こんにちは。クリエイティブ担当の恒川です!
8月末に発売された「ぴあMOOK 東海肉の店」では、ライター兼 編集を担当しました。
実はこのとき、10件以上の肉の専門店を取材し、原稿を書き進めていたのですが…そのときに先輩社員にチェックしてもらった原稿がコチラ↓↓
まるで血の海でした。この赤字をたっぷり入れていただいた原稿、大事に保管してあります。自分がどんな原稿を書いたのか、どんなところがダメだったのか一目でわかる、今見ても教材のような存在になっています。
このとき先輩社員に頻繫に言われた注意点を思い返してみたのですが、
- 表現がネガティブだからポジティブに。
- 言い回しが似てきたから書き分けたい。
- 読んでて流れがスムーズではない。
- 具体的な情報が足りない。
というものでした。
言葉は、情報として伝わるだけではなく、その言葉に込められた思いや、書き手が伝えようとしている意味も伝わるものですよね。言葉の使いどころや意味は間違っていなくても、ニュアンスや伝わり方が本意と違うだけで、180度違う印象を与えてしまう…なんてことは避けたいです。
そこで今回は、どうすれば同じ内容でもよりポジティブな言い回しに変えることが出来るか、調べてみました。言い回しの引き出しを豊富に増やすために、まずは間違った認識で使いがちな表現も洗い出していきますよ。
目次
1.思考を常にポジティブにすることが大切!
「○○できない」よりも、「▲▲できる」
内容としては同じことを言っていても、結論として否定的な言葉でネガティブな表現をしてしまうと、結果的に記事全体がネガティブな印象になってしまうのだそう。
例えばグルメ取材の記事だとしたら、「予約しておかないと入店できない」よりも「予約しておくとスムーズに入れる」のほうが、記事としても明るい印象になりますよね。記事を読んだ読者も、
予約しないといけないのか…面倒だな。他の店にしようかな。 |
となるよりも、「予約しておくとスムーズに入れる」とあったほうが、
この店行ってみたい!予約しておけば安心だな♪ |
と、明るい気分になるのも納得です。
「やみつき」は隠れネガティブ表現!
グルメ記事のキャッチなどでもよく見かける「やみつき」という言葉。
「一度食べると止まらない!」という表現にはピッタリなのですが、実はこの言葉、漢字にしてみると…
となり、なんと逆にネガティブな言葉になってしまうのだそうですよ。
同じような表現を使いたいときは、
- ○○に夢中
- クセになる
- 心を奪われる
- 虜になる
などを使うと良いのかもしれませんね。
例文でチェック!
・ピリッと辛いスープのコクと旨みがクセになる!
・見た目にもキュートなフルーツサンドに心を奪われる
2.勘違いして使いがちな表現もチェック
原稿を書いていると、段々と似たような言い回しが増えてきてしまい、少し上級な表現を使いたくなってしまいます。ただし、意味を正しく理解してこそ、かっこよく使えるというもの。いくつか例を挙げて確認していきましょう。
浮き足立つ
× ウキウキして落ち着かない
○ 恐れを感じて落ち着かない
【類語】
逃げ腰、尻込みする
類語を見ると一目瞭然ですが、正反対の意味で勘違いしてしまいがち。「浮かれている」と文字面が似ているからでしょうか。
「浮き足立つ」という言葉は「浮き腰」と同じく、今にも逃げ出したい、という意味で使われる言葉です。嬉しいときや楽しみでソワソワしたときには「気持ちが浮き立つ」「地に足が着かない」と表現するのが一般的なのだそうです。
例文で比較!
× 明日から一週間のハワイ旅行のため浮き足立っている
○ 明日はクライアントへのプレゼンがあるため浮き足立っている
甘党/辛党
× 甘い食べ物が好きな人/辛い食べ物が好きな人
○ お酒よりも甘い食べ物が好きな人/甘い食べ物よりもお酒が好きな人
その昔は、それぞれ「塩辛い物好き」「甘い物好き」の意味で使われてきた甘党・辛党。今でもこの認識が一般的だと思っている方が多いかと思いますが、意外にもこれは間違いなのだそうです!酒を好む人には、つまみに塩辛い物を食べる人が多かったことから、現在の辞書では上記のように説明されているのだとか。
例文で比較!
×(甘党)彼女はスイーツビュッフェに詳しい甘党だ。/(辛党)彼はカレーや韓国料理など、辛い食べ物が得意な辛党だ。
○ (甘党)彼は見かけによらず甘党で、バーや居酒屋よりもスイーツ店に詳しい。/(辛党)辛党の彼女は、おつまみにもこだわりがある。
たそがれる
× もの思いにふけること
○ 日が暮れて薄暗くなること
そもそも「黄昏れる」とは、「黄昏」という名詞が動詞化したもの。「黄昏」そのものは「夕暮れ」という意味であるため、「黄昏れる」は「夕方になる」が正しい意味になるようですよ。もの思いにふけるときのシチュエーションに夕暮れが多いことから、正しい意味とは別の解釈が生まれてしまったんですね。
例文で比較!
× 海辺のカフェで、夕日を眺めながら黄昏れる
○日が落ちて薄暗くなり、空が黄昏れる
3.“お値打ち”は方言?!
「お値打ち」が名古屋弁だってこと、知っていましたか?生粋の“名古屋っ子”である私は、名古屋弁だと聞いたときはとても驚いたんです。もちろん名古屋弁に限らず、日頃から使っている言葉が、その地方特有の言葉だった!なんてこと、他にも結構あると思います。常日頃つかっている言葉だからこそ、方言だということに気がつきにくいんですよね。
なかでも、名古屋をはじめとする東海圏では頻出する「お値打ち」。グルメ取材の機会が多い編集者・ライターにとっても、馴染みがあるかと思います。言葉そのものは全国区ですが、実は意味が違うため、使いどころに注意したいところです。
お値打ち≠値打ち
名古屋で「お値打ち」といえば、“本来はこの値段で売れるような品ではないが、特別に安く売っている”という認識。本来の価値よりも価格が安くなるため、お買い得だということですね。
- 例:A5ランクの黒毛和牛をお値打ちに味わえる
この文章の場合、“安かろう悪かろう”ではなく、上質な肉を使用しているが、相場に比べて低価格で提供しているから魅力的だ、という意味になるというのが、名古屋流の「お値打ち」。
しかし、全国的に「値打ち」とは、 価値(または価格) のこと。「値打ち(価値)がある」という使い方があります。そして「値打ちもの」という言葉は、「特売品」や「お買い得品」ではなく、「価値がある、良いもの」という意味。名古屋人の共通認識である“良いものを安く”という意味にはならないため、全国で発売される雑誌の記事やウェブ記事では、使用しないのが妥当かもしれませんね。
例文でチェック!
露天風呂付きの贅沢な客室は、訪れてみる値打ちあり
4.読む人の気持ちをつかむ記事を書きたい!
エディマートに入社して早半年、原稿執筆の際に気を付けていることは、「 読み手に対して親切になること 」 。
取材した自分はよくわかっていることも、行ったことがない読者にとって伝わりづらい文章になってしまわないように、情報をしっかり嚙み砕いて具体的に記述できるよう気をつけなければと思います。そして、今回の記事にあるポジティブ表現のコツをしっかり掴んで、言い回しのレパートリーもさらに増やしていけるよう、精進していきます!
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