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2019.10.16 Wed

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編集プロダクションの働き方改革Vol.1 できたことと、やろうとしていること

編プロの働き方改革

代表の鬼頭です。2003年に創業したエディマートは、おかげさまで多くのクライアントから信頼をいただき、さまざまな情報伝達のお手伝いをさせていただいていますが、ここ最近は、これまでにない大きな課題に立ち向かっています。

それはズバリ、「働き方改革」です。時間ではかれない創作活動をともないながら、納品までに「締め切り」というハードルを幾度も超えていく編集プロダクションにとって、「働き方改革」はかなり難しい課題ですが、昨年から本格的に取り組むようになりました。今年の10月には、グループウェアのシェアNo.1のサイボウズが主催する経営塾に参加。風土改革にも取り組み出しています。

まだ道半ばではありますが、これまでどのようなことに取り組んできたか、これからどうしていくかをまとめてみます。継続的な課題でもあるため、何回かに分けて紹介していきますね。

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1.「働き方改革」とは?編集プロダクションとの乖離

ハードワーク

エディマートの大切にしてきた規律、その歴史と理由

厚生労働省が推す「働き方改革」とは、“働く方々が個々の実情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で「選択」できるようにするための改革”のこと。少子高齢化、働き手のニーズの多様化にともない、今、一律や一辺倒の働き方ではなく、一人ひとりに寄り添った労働環境を整備することが求められています。

私はフリーランス時代や、2〜4名の社員数でやっていたときでも、“その規模で大丈夫?問題なく仕事を納められるの?”というクライアントの先入観や不安を払拭するため、「企業然」であることを大切にしてきました。出勤や退勤、昼食の時間、電話の取り方や挨拶の仕方、服装の規定などなど。厳しいとまではいきませんが、おそらく他の編集プロダクションでは見られない内容のルールを設定することで、「真面目で真摯な会社」という風土を作ってきました。
もちろん、この「規律の歴史」を後悔はしていません。それにより、今もおつきあいいただいている大切なクライアントともつながれたと思いますし、他社と比べれば低い離職率が保てたと考えます。

 

もはや業界を問わず、変えなければ未来はない

一方で、政府が「働き方改革」を推奨する以前から、一律のルールでは難しいと感じる局面もありました。「結婚により残業が難しい」「体調が優れないので実家に戻りたい」「出産をするので休暇がほしい」など、さまざまな声が挙がるたびに、向き合い、できることは変えてきましたが、残念ながら整備が間に合わず、離れていった仲間もいます。
それでも、本を作ることが花形だった時代は、個人の希望に会社の制度が追いついていなくても、人が集まり、なんとかなったかもしれません。しかし、時代は変わりました。生産年齢人口が総人口を上回るペースで減少している今、「編集プロダクションはハードワークで当たり前」「人が抜けても人気の業界だからまた補充しよう」はまかり通りません。

 

2.産休・育休や、出勤時間の選択制度。「無い」ものを足すことから

産休

社員第一号の出産をきっかけに誕生した、産休・育休制度

今進めている「働き方改革」とは、時間軸が異なりますが、これまで当社が取り組んできた制度改革の歴史をおさらいしてみます。創業間もない頃、当社は20代を中心とした社員が多くいました。結婚して子どもがいるのは私だけ。遅い時間までみんなで仕事をして、その後にラーメンを食べに行ったり飲みに行ったり、はたまた休日には社員全員でバーベキューに行ったりテニスをしたりと、オンもオフもひとつになったような会社だったと思います。
そうこうしているうちに、社員第一号のデザイナーが結婚。やがて出産をすることになったため、新しいデザイナーを採用し、出産する当人は会社を辞めるということになりました。しかし、大切な社員を出産や育児で失うのは、会社にとっても大きな損失だと思い、彼女の出産をきっかけに、産休・育休制度を整備。制度利用者としても第一号となった彼女は、その後、二人目の出産時も産休・育休制度を利用し、今も時短勤務をしながら、貴重な戦力として活躍してくれています。

 

働き方改革への布石?出勤時間の選択制度

産休・育休と同じぐらいのタイミングでスタートしたのが、火曜日から木曜日の出勤時間を選択できる制度です。当社は通常10時に始業し、途中12時から13時に昼休憩をはさみ、19時に終業というのが定時になります。しかし社員が増えてくると、持病をもつ者から「通院してから出社したい、」、結婚した者から「役所は午前中にしか空いていないから、このままでは行きづらい」、音楽好きの者から「18時に会社が終わればライブに行ける」など、さまざまな声が挙がるようになりました。
それなら、週の始まりである月曜日と、週の終わりである金曜日は外した火曜から木曜は、4つの時間帯を用意し、朝早く来て夕方早く帰れたり、昼から来て夜遅めに帰ったりできるようにしようと、この制度が始まりました。
現在、火曜から木曜は、8時〜17時、8時半〜17時半、10時〜19時、13時〜22時という時間帯から選択できるようになっており、それぞれが自分の都合にあわせて利用しています。いずれは、選択できる曜日や時間帯などをもっとフレキシブルに変えられるようになることでしょう。

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3.ツール導入や情報の共有。他社の当たり前を自社に

働き方改革ツール

人に支えられてきた会社が、人にやさしくなくてどうする

まだ、改革の触り、改革前夜のエピソードしかご紹介できていませんが、もしかすると記事をお読みの方はこう思っているかもしれません。「まだ、そんなレベルなの?」と。
まさにその通り。しかし推測ではありますが、ほとんどの中小規模の編集プロダクションは、このような状況、もしくはさらに不整備な状況だと思われます。編集プロダクションの製品は、「人」がいなければ生み出すことができません。性能の良いパソコン、編集ソフトを導入したとしても、アウトプットするのは「人」です。人に支えられてきた業界、会社であるにも関わらず、人にやさしくなかった。それが認めざるをえない現実です。
できていないことに目を向け、他業界の当たり前、他社の当たり前を取り入れることから始めました。まずはスタートラインに立つことからです。

 

チャットワーク、kintoneなどツール導入による効率化や負担軽減も

一律のルールに沿ったハードワークによりビジネスが成り立っていた、当社のような編集プロダクションが働き方改革を推し進めると、一時的かもしれませんが売り上げや利益は下がります。また、多様な働き方を認めていくと、顔をあわす時間も減っていくため、コミュニケーションが希薄になる恐れもあります。人数が増えれば、解釈の違いから、疑心暗鬼も生まれかねません。そのため働き方改革では同時に、生産性の向上や、情報共有を進めなければなりません。

次回は、当社が採用した生産性向上のためのツールや、情報共有の手段をご紹介したいと思います。

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EIJI KITO

この記事の執筆者EIJI KITO代表取締役

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1973年生まれ。96年に同志社大学卒業後、新卒入社の宣伝会議で編集職の楽しさを知るも、己の未熟さから挫折。地元名古屋に戻り、プロトコーポレーションの制作部門に入社し、編集の仕事を学び直す。親会社に転籍後はWEBのプランニングに従事。03年フリー編集者として独立、06年法人化。エディマート代表として制作と営業を統括しながら、自身も編集者として最前線に立つ。好きな言葉は岡本太郎の「危険だ、という道は必ず、自分の行きたい道なのだ」。趣味はバイクとマイクラと部屋いじり。

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