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2019.11.18 Mon

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編集プロダクションが導入したツールとは?目的は「効率化」と「情報共有」

ツール導入編

エディマートでは働き方改革を推し進めています。
前回の記事では、「企業然」であることを意識し規律を重んじてきた当社の歴史や、多様性に対応するために少しずつ制度を足してきた話、その結果、「真面目で真摯な会社」という風土ができあがるなどメリットはあったものの、“社員ファースト”という点では欠けていた、という話をしました。

 

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今回は、編集プロダクションの働き方改革その2、「働き方改革を支えるためのツール導入」編にです。改革を進める上で高いハードルとなるのが、編集業界特有のハードワーク。「うちは働き方改革を進めていますから」と仕事を断る訳にもいかないため、自社にフィットしたツールを導入し、生産性を高めなければいけません。

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1.「働き方改革」には効率化と情報共有が欠かせない

効率化

「働き方改革」といえども編集者は忙しい!

編集プロダクションはなぜ忙しいのでしょう?過去に私が書いた記事にその理由をまとめているのですが、簡単に言えば、「プレイングマネージャーの要素がある」、「案件の中心に立ち各方面との調整をしなければならない」に集約できるかもしれません。
AIが席巻しない限りは、編集者のこの役割は変わらないことでしょう。ではどうすればいいか?一つの答えが、ツールの導入だと思うのです。

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ポイントは効率化と情報共有

前述のとおり、そう簡単に編集者の仕事は変わりません。また、売り上げや利益を確保するためには仕事量も減らせません。そこでポイントとなるのが「効率化」です。ツールを導入することで業務効率が上がれば、その分時間が生まれます。また、ツール導入によってコストが抑えられれば、その分お金が生まれ、外注費にあてることで社内負荷が軽減できます。
そして、「効率化」と同時に考えなければいけないのが「情報共有」です。効率を重視すると、おのずと社内の連携が弱まり、「聞いていません」「知りません」が頻発するかもしれません。その対応に時間が取られていては、結果的に非効率につながります。ツールを活用し、あらゆる情報をスタッフ間で共有することにより、効率化が加速するのではないでしょうか。

 

2.「Googleカレンダー」で全スタッフの予定を共有&即時アポイント

当社が「効率化」と「情報共有」の両面で活用しているのが、Googleカレンダーです。最初は外出の予定の多い私と、アカウントマネージャーの堀田から使い始め、2019年4月ごろから社内全員で活用するようになりました。

Googleカレンダーはスケジュール管理ができるウェブアプリ

エディマグを読んでいらっしゃる方には「釈迦に説法」かもしれませんが、Googleカレンダーは、スケジュール管理ができるウェブアプリケーションです。Googleアカウントがあれば誰でも無料で使うことができ、他人とスケジュールを共有することも可能です。私自身、会社関係の予定は全スタッフと共有し、プライベートの予定はカレンダーを変えて家族のみと共有しています。
Googleカレンダー導入前は、「サイボウズLive」を活用していましたが、2019年4月のサービス終了にともないこちらに切り替えました。

Googleカレンダー導入のメリット

Googleカレンダーの導入により、誰が何をやっているのかひと目で分かるようになりました。また、編集者はライターやフォトグラファーといった外部ブレーンをアサインすることが多く、これまで同じ外部ブレーンに複数のエディマートスタッフから「〇日は空いていますか?」という連絡をしてしまうことがよくありました。Googleカレンダーに外部ブレーンの稼働状況もエントリーすることで、どのスタッフが誰にオーダーしているかも確認できるようになり、無駄なアプローチが減っています。
また案件によっては、アカウントマネージャーとディレクターが一緒に稼働することもあります。Googleカレンダーを見れば他人の空き時間が分かるため、打ち合わせのアポイントがすぐに決められるようになりました。
代表である私の予定もまるわかりですから、スタッフからどんどん打ち合わせが入れられ、空きが埋められていきます(笑)。
他人から予定が見えるため、スタッフは効率的にスケジュールを組もうと意識が高まりますし、新人スタッフのアポイントの入れ方を見て、ベテランからアドバイスをするという思わぬ効果も生まれています。

 

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3.メールによる情報伝達から、「Chatwork」による情報共有へ

チャットワーク

「情報共有」という点では、2019年3月から本採用をしたChatworkも、今では欠かせないツールとなっています。サイボウズの経営塾では「メールは情報共有ではなく情報伝達でしかない」ということを学びました。個人的なことは「情報伝達」で良いと思いますが、可能な限り情報はオープンに。そのために有益なツールがChatworkであり、後ほど紹介する「kintone」なのです。

Chatworkはクラウド型のビジネスチャットツール

Chatworkはグループ間でメッセージのやり取りはもちろん、タスク管理や音声通話、ビデオ通話もできます。無料で手軽に始めることができますが、グループチャットやストレージの上限があるため、当社では必要に応じてスタッフを有料登録に切り替えています。

会社のオフィシャルのグループとして、

社員チャット…社員のみ。業務連絡、直行連絡、会議や打ち合わせのアナウンス

全社チャット…アルバイトも含む。遅刻や欠勤、休日出社、外出時に帰社予定時刻から遅れる場合、直帰連絡、不在時の伝言を連絡

日報チャット…退勤時にその日の業務内容をポスト、必要に応じて他のスタッフからアドバイスやフォロー

通信チャット…各スタッフの気づきや学び、他のスタッフに知らせたい情報を共有

 

があり、その他案件ごとに関わるスタッフのグループをつくっています。

 

Chatwork導入のメリット

当社のコミュニケーションツールの歴史をたどると、「口頭」や「携帯電話」、「メール」から始まり、その後LINEグループを使うようになりました。LINEは個人アカウントのままグループ化していたため、プライベートと切り分けたいという声が高まり、Chatwork導入に至りました。
話が冒頭に戻りますが、規律を重んじる当社では、メールやLINEの送信後に「送った相手に一声かける」というルールを敷いていましたが、すぐに気づいてほしい大切な内容のときのみ声をかける、という内容に変更しました。
かつて、取材先からの定時連絡や帰社連絡は個人の携帯から会社にかけてもらっていましたし、不在者に連絡があった場合、そのスタッフの携帯に電話をかけていました。Chatwork導入のメリットのひとつが、個人と会社の通信費の削減です。加えて、同時に複数に共有できるため、Aさんは知っているが、Bさんは聞いていないという、情報格差が無くなりました。
いまは遅刻や欠勤、帰社予定時刻の遅れなどもチャットでOKにしています。最初は「そういう大切なことは電話をかけるべきだろう」と、昭和生まれの私は思っていましたが、意外と切り替えてみるとこちら側も楽でした。

 

4.「kintone」で課題もお金も見える化

kintone

おそらく、当社の導入したツールでもっとも革新的なのが、2019年4月から採用したグループウェアkintoneでしょう。今ではkintoneなしの運営は考えられないほど、会社の中心に存在するツールです。

kintoneは業務改善のためのクラウドサービス

kintoneはサイボウズが提供するクラウドサービスで、業務改善に役立つアプリを作成し、チーム内で共有することができます。こちらも無料から始めることができ、当社も最初は試験導入をしましたが、早々に1アカウント月額1,500円のスタンダードコースに切り替えました。
kintoneは、アカウントマネージャーの堀田が率先してアプリ開発に挑戦してくれています。最近は彼の動きが刺激となり、他のスタッフも会社に必要なアプリをつくってくれるようになってきました。kintoneの活用範囲はとても広く、それだけで記事が1本作れるぐらいなので、ここでは抜粋して紹介します。

各種スペース…全社スペース、案件ごとのスペースがあり、その中で情報やファイルの共有を行っています。

JOB一覧…現在エディマートが受注している案件を登録。仕様、アップ日、現在のタスク、売り上げ・仕入れ額などを、案件の主担当がエントリーしています。集計することで瞬時に売り上げ・仕入れ総額や月別の推移を見ることが可能です。

クライアント管理…当社の取り引き先情報が格納されています。JOB一覧と紐づいているため、どの取り引き先からどれぐらいの受注をいただいたかもひと目で分かります。

タイムカード…各スタッフの出退勤情報です。それまで月末に用紙で提出してもらっていたものをアプリ化することで、業務負荷の軽減につながりました。

案件ガントチャート…複数月にまたがる案件をチャート化するアプリ。各スタッフの案件の重なりを視覚化できるため、早めにセールスをかけることが可能です。

ルールブック…会社のルールを共有するアプリ。入社時期が異なっても、このアプリを見れば社内ルールが分かるようになっています。なお、各ルールには「説明」とそこに込められた「思い」が添えられており、各スタッフは疑問や質問があれば、ルールブックに書き込めるようになっています。

 

kintone導入のメリット

前項を見ていただければ分かると思いますが、kintone導入によるメリットは計り知れません。これまで用紙で提出していた届出がkintoneのアプリになることで、ペーパーレスにもつながりました。また、スマートフォンや自宅のPCからでもアクセスできるため、どこでも最新情報をキャッチしたり、更新したりできるようになりました。
メリットとして特に大きいのは、各スタッフの「お金」に対する意識が高まったことかもしれません。ともすればクリエイター職はお金のことを軽視しがちですが、ビジネスである以上、お金に対する意識をもつことはとても大切です。
kintoneのJOB一覧アプリでは、自分の関わる仕事が、「いくらの売り上げになり」、「いくら外部にお支払いして」、結果「どれだけの利益になる」かがひと目で分かるようになっていますし、集計すれば自分がかかわった仕事の売り上げ・利益の総額を知ることもできます。

 

5.まとめ

まずは試用ではじめてみる

このように、Googleカレンダー、Chatwork、kintoneの導入により、業務の効率化と情報共有が進み、働き方改革の後押しとなっています。今でこそ各ツールは“あって当たり前”の存在となっていますが、導入の際は「本当に便利になるの?手間が増えるだけでは?」と、自分自身を含め不安があったのも事実です。多くのツールは無料で試用することができるため、まずはテスト的に導入して、自社にフィットするか判断してみるのがおすすめです。

フェーストゥフェースがすべてではない

また、昭和生まれとしては、ツール導入によりフェーストゥフェースのコミュニケーションが減る怖さもありました。しかし、いざ導入して情報共有がしっかりされるようになると、前よりもグッと会社の一体感が高まったような気がします。確かに何年も会っていない友人でも、Facebookやインスタグラムを通じて昨日の食事など分かりますし、距離が離れていても、情報を共有できていれば安心につながりますよね。
一方でフェーストゥフェースのコミュニケーションと違い、文字だけの情報は感情が読みづらいというデメリットもあります。これについては、「事実と解釈の切り分け」や、絵文字の活用(意外と大切)で回避できるはずです。

当社のツール導入はこれで終わったわけではありません。今後も会社をより良くするツールを見極め、採り入れていきたいと思います。

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EIJI KITO

この記事の執筆者EIJI KITO代表取締役

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1973年生まれ。96年に同志社大学卒業後、新卒入社の宣伝会議で編集職の楽しさを知るも、己の未熟さから挫折。地元名古屋に戻り、プロトコーポレーションの制作部門に入社し、編集の仕事を学び直す。親会社に転籍後はWEBのプランニングに従事。03年フリー編集者として独立、06年法人化。エディマート代表として制作と営業を統括しながら、自身も編集者として最前線に立つ。好きな言葉は岡本太郎の「危険だ、という道は必ず、自分の行きたい道なのだ」。趣味はバイクとマイクラと部屋いじり。

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