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2020.01.30 Thu

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「良い原稿」を定義する。編集者の“3つの視点”で文章をブラッシュアップ

「良い原稿」を定義する。編集者の“3つの視点”で文章をブラッシュアップ

コンテンツマーケティングが一般化し、「良い原稿」を作ることが当たり前の時代になりました。では、「良い原稿」をどう定義して、どのようなアプローチを用いて制作するべきなのでしょうか。

書き手がプロのライター、社内スタッフに関わらず、コンテンツ制作には原稿をチェックしてブラッシュアップする編集者の視点が必要。今回は編集者の目線で3つの視点を挙げ、「良い原稿」を生み出すためのノウハウを解説します。

1.何を「伝える」原稿なのか

「伝える」をイメージしたイラスト

忙しさに追われてしまうとつい見落としがちですが、世の中にある、あらゆる原稿の先には必ず読者が存在します。「読者に何を伝えたいのか」を整理し、文章を書く上で大切な“意識”を考えていきましょう。

原稿を作る「目的」を理解する

まずは前提の話から。そもそも、どんな目的があって「原稿」を作るのでしょうか。

原稿を作る目的

  • 製品やサービス、ブランドの認知を向上させたい(PR)
  • 製品やサービス、ブランドの理解を促して、活用してもらいたい(啓蒙)
  • 製品やサービス、ブランドの信頼を高め、継続的な関係を築きたい(ファン)
  • 検索キーワードを通して、製品やサービスを発見してもらいたい(SEO)

著名人に体感してもらって感想を聞くのか、イラストやマンガで親しみやすく解説するのか、自社のブランドと共感する人物に話を聞くのか、業界のハウツー記事を作るのかなど、それぞれの目的によって原稿の内容は異なるはずです。しかし、原稿の役割はどれも変わりません。

第三者は原稿を読んで、何かに行動を移したり、知識を得たりといった「変化」を生みます。つまり原稿というツールの最大の目的は、読者に「変化」を与えること。反対に言い換えれば、「変化」が生まれないのであれば「良い原稿」とは言えません。少なくとも原稿を制作する際は、「知ってほしい」「行ってほしい」「気付いてほしい」など、作り手の気持ちが宿るべきです。

「伝えたい」ことが明確に書かれているか

文章を読んで「伝わる」というのは、原稿の核となる部分。説明書を読めば製品の使い方を理解できますし、小説を結末まで読めば驚いたり、笑ったり、涙したりするはずです。最終的に「何が言いたいのかよく分からない」という感想を読者に抱かせてしまうと、残念ながらその原稿は失敗作。世にアウトプットされる前に、修正を加える必要があります。

編集者の役割は、原稿をチェックすることだけではありません。原稿を通して「伝えたいこと」を明確に示し、仮タイトルを設定し、入れ込む情報を支給し、適切な順番を組み立てることが必要です。その上で、整合性を欠いていないか、支離滅裂になっていないか、文章として深みはあるのかなどをチェックしていきましょう。精度によってはライターに原稿を戻し、「この情報を盛り込んだ方がいい」「構成を見直してみては?」などアドバイスし、原稿の質を高めていきます。

何を「伝える」原稿なのか

2.文章に「専門性」はあるか

専門性をイメージしたイラスト

深みのある原稿とはどういったものでしょうか。言葉選び、共感、ストーリー性などの要素も必要ですが、やはり「専門性」に勝るものはありません。

「専門性」とは

専門性:特定の対象に対して、高度な知識や経験を持つこと

つまり文章に「専門性」を加える場合は、対象の専門家が読んでも違和感を覚えない内容でまとめなくてはいけません。例えば、先日ヤフーニュースを見ていたら、海外の記事を翻訳したニュースに対して、こんなコメントが書かれていました。

ヤフーニュース・コメントからの引用。翻訳を間違えてしまった例

一般的に「首席著者(※)」という言葉は使わないそうで、それに対し「科学の知識を持つ人が翻訳すべきでは?」とコメントされています。コメント主が専門家かどうかは確かめる術がありませんが、例え素晴らしい内容が書かれたコンテンツでも、「専門性」の欠如・不備により不快感を抱く人も現れます。

※「筆頭著者」と訳すのが正解なのだとか

どうやって「専門性」を高めるのか

特定のテーマに対してきちんと調べられているか、あるいは取材によってさらに深い原稿になっているかを確認してください。

<専門性が低い原稿>

放課後児童クラブを利用している児童は増加傾向に。近年を振り返っても、急激な増加ということで各機関が対応に追われています。例えば施設の数や時間、定期的に訪れる長期休みの対応など、まだまだ問題は山積み。保護者からさまざまな声が挙がることも懸念されるなか、どう解決していくべきなのでしょうか。

<専門性が高い原稿>

放課後児童クラブの登録児童数は、平成27年5月時点で100万人を突破、クラブ数は22,000か所を超えるなど急増しています。ただ、急激に増えたとはいえ、施設数の不足や保育園と比較したときの終了時間の早さ、夏休みをはじめとした長期休暇の対応など、働く保護者の要望をカバーできていない部分もあります。

 

2つの文章を比べてみると、後者は年次や人数、施設数を数字で表し、かつ現状の問題点も的確に記載されています。ただし、「専門性」とは単に数字や学術用語を並べて書けば良いという訳ではありません。専門知識のない読者が読んで、しっかりと理解できてこそ「良い原稿」だと言えるのです。

文章に「専門性」はあるか

3.「事実関係」が正しく書かれているか

「事実関係」をイメージしたイラスト

原稿に正しい内容が書かれているのかをチェックするのも、編集者の仕事です。前述した「専門性」にも関わってくる点ですが、質の低い原稿は時に、事実とは異なる形で伝えてしまう危険があります。

<事実とは異なる原稿>

月々のスマホ代を節約したくはないですか?普及率が年々拡大している“格安スマホ”にすると、なんと月額は大手キャリアに比べて半額になります。格安スマホユーザーは「もう大手キャリアには戻れない」と話します。

※いつからいつまでを比べて、拡大しているのか

※価格の基準が記されていないので、判断できない

※誰の声か分からないので、情報として不明確

<事実を記した原稿>

格安スマホを使用しているユーザーへのアンケート(20xx年x月x日実施)によると、「スマホの月額料金」の平均は¥3,000。以前の大手キャリアに契約していた時の平均月額¥7,000に対して、乗り換え後は月々¥4,000の節約ができています。

※アンケートを提示することで、客観的な事実のみを判断することができる

 

前者は情報が薄いが故に、信憑性のない事柄をいかにも「事実」かのように書いています。新人ライターの原稿や、明らかに手を抜いた原稿でよく見られる表現です。編集者は「事実を書けないのか」という点を追求し、表現の“解像度”を上げられるようにチェックを入れてください。

誹謗中傷は書かれていないか

「良い原稿」を制作する上で、第三者の誹謗中傷と捉えられる表現は避けなくてはいけません。明確な根拠がない上での批判や、個人の名誉を傷つける言葉嘘の情報など、原稿確認時に抵触する表現があれば削除する必要があります。

以前、働き方に関するコラムでライターに書いてもらった原稿に、「◯◯◯業界の労働環境は、あまり良くないというイメージがありますよね」という一文がありました。誹謗中傷という訳ではありませんが、読者によっては不快な表現として受け取られるかもしれません。

常に、不特定多数いる読者の存在を念頭に置くことが大事です。

誤字・脱字・誤植はないか

原稿の最大の敵が、誤字・脱字・誤植。これらを防ぐには、「校正」「校閲」の重要性を深く理解するほかありません。

文章を書く人なら誰でも知っておきたい、「校正」という作業の重要性 | EDIMAG

誤字・脱字・誤植はひとりで確認していても見落としがちなので、できる限り複数人で読み回すようにしてください。エディマートでは社内に「校正チーム」を組織し、すべての原稿で納品前に2人以上がチェックするようにしています。もちろん、担当編集がその前に何度も確認するようにもしています。

たった一箇所の間違いで、苦労が水の泡になる。決して言い過ぎではなく、誤字・脱字・誤植は原稿を瞬時にダメにしてしまうのです。

「事実関係」が正しく書かれているか

4.「伝える」「専門性」「事実関係」の視点で文章を読み解く

今回は「良い原稿」の定義として、伝える・専門性・事実関係を挙げました。原稿を目の前にした際には、この3つの視点に沿ってチェックすると良いでしょう。

冒頭にも書きましたが、今では「良い原稿」を作って当たり前の時代。企業のメディア、ブログ、コラムなど、アウトプットに関わらず原稿の“質”は求められることでしょう。目の前にある原稿が良いのか、悪いのか。それを見分けることのできるスキルは、積極的に身に付けておいた方が良いかもしれません。

 

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HIROKI HOTTA

この記事の執筆者HIROKI HOTTAアカウント・マネージャー

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2012年エディマート新卒入社。エリア情報誌や新聞を中心とした編集・ライター業務の経験を積み、2016年により深い“編集のおもしろさ”を求め大手出版社へ出向。出版社編集者として情報誌の特集制作、webメディアの新規立ち上げなどにたずさわり、2018年に再びエディマート勤務に。出戻り後は主にweb案件の新規開拓を担当し、2019年度よりセールス専任にポジションチェンジ。“編集のできる営業マン”として、ビジネス・クリエイティブの両面でお客様のサポートに務める。

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