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2019.06.05 Wed

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取材する側とされる側、どちらが上でどちらが下?

今日もお疲れさまです。エディマート代表の鬼頭です。

今回の話題は、けっこう勘違いをしているケースが多い、「取材時の対応」についてです。取材の現場では、当然ですが「取材者」と「被取材者」という関係が生まれます。この関係を誤ると、大切な情報が得られなくなったり、間違った情報を収集したりと、大きな弊害が起こります。

果たして正しい関係性とは?起こりうる弊害もあわせて考えてみたいと思います。

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1.取材者は偉いのだ!?

それは、情報を収集し発信することが、一部の人に限られていた時代によく見られました。編集者やライターが、「取材してあげている」というスタンス。あなたや、あなたの店が本に載ることで、多くの人に知れ渡りますよ。私はその手助けをしてあげているのです、という考え方。口には出さなくても態度に出ている人をよく見ました。

取材者>被取材者の弊害

取材者が偉そうだと、被取材者は不愉快になりますよね。当然のことながら本来聞ける情報が聞けなかったり、最悪なパターンでは取材中止になったりいうことも起こりえます。私も若かりし頃、そんな態度が出てしまったのかもしれません。ある店舗取材で、店主の顔がみるみるうちに曇り、取材がうまくできなかった経験があります。

また、情報にバイアスがかかってしまうことがあります。例えば「名古屋の老舗特集」の取材に行ったとしましょう。いざ店主に話を聞いてみると、実は業態変更後に代替わりをしていてその店は創業10年程度だったとします。普通なら取材しなおしですよね。ところが取材者の力が強すぎると、「先代の歴史も加えれば老舗ですよね」と言いくるめてしまうなど、誤った方向に行くことも。結果的に被取材者にも読者にも迷惑をかけてしまいます。

なぜ偉そうな取材者が生まれるのか

なぜそんな取材者が生まれるのでしょうか。誰もが最初から、偉そうな取材者ではないでしょう。経験を積むほどに慣れが出てきて、「取材をする=特別な権力」と勘違いをしてしまうケースがほとんど。違いますよね。僕らは被取材者から、貴重な情報を仕入れさせていただくのです。同業と一緒に動くことも少ないため、自分の間違いに気付きにくいかもしれません。

もっとも、最近は偉そうな取材者は減ったような気がします。おそらく、いろんな人がいろんな形で情報収集、発信できるようになったため、被取材者の多くが「場慣れ」し、そういう態度の悪い取材者が拒否されるような世の中になったのかもしれません。

2.お客様は神様です!?

最近多いのが、逆のパターン。「被取材者こそ偉い」というスタンスで取材をするケースです。編集者、ライターとしてのキャリアが浅い頃に必ずやってしまうと思います。相手を立てるのは間違っていません。でも、立てすぎるとやっぱり弊害が生まれるのです。

取材者<被取材者の弊害

「取材者>被取材者」以上に情報にバイアスがかかる危険をはらんでいると思います。人間誰しも、おだてられれば調子に乗り、多少話を「盛って」しまうこともあるでしょう。某ステーキ店で、すべて店マターで取材を行ってしまい、撮影用に出されたステーキと、実際に店舗で振舞われるステーキに厚さの差があってクレームになったと聞いたことがあります。被取材者は写真映えも意識して、サービス精神でそうしたのかもしれません。「おいしそうですね」「分厚いですね」は良いですが、冷静さを欠いてはダメ。正確な情報を取るために目を光らせなければなりません。

すべては取材者側がつくりだす

では、なぜ「被取材者>取材者」という関係が生まれるのでしょうか。一つはキャリアの浅さに原因があると思います。取材経験の少ない人が、必要以上に相手を持ち上げてしまうケース。もう一つは、キャリアを問わず、「そのほうが楽」だから、だと思います。正しい情報を得るためには、時には被取材者を制したり、あやふやにしていることを明確にしたりと、円滑な関係性を多少崩してでも真実に迫る努力をしなければなりません。それは取材者にとって大きな負荷でありますし、それを避けても取材は成立します。進行を急いだり、関係性を壊すことを恐れたりして、被取材者を持ち上げて事なきを得ようとするのです。

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3.どのような関係性がベスト?

取材者が上ではダメ、かといって被取材者を立てすぎてもダメ。だったら「対等」であればいいのでしょうか。20年以上の取材活動を経て、私がたどり着いた答えがあります。

「被取材者が少し上」がベスト

私はいつも、「被取材者が少し上」という関係性を念頭に取材をするようにしています。ベストは「対等」であることは言うまでもないのですが、人の感覚はそれぞれであるため、こちらが「対等」のつもりで接しても、受け手によっては高圧的にとられることもあります。そこで「被取材者が少し上」ぐらいの感じで接すると、ちょうどいいのです。また、取材は少なからず、こちらからお願いして、相手の貴重な時間を割いて協力してもらうことになります。そういった面でも、感謝の気持ちは常に忘れてはいけません。

基本はリスペクト

いきつくところは、「リスペクト」の精神だと思います。自分たちが持っていない情報源であることへの「リスペクト」、それを惜しげもなく教えてくれることへの「リスペクト」。相手をリスペクトしながら、プロ意識をもって取材に望めば、おのずと相手もこちらをリスペクトしてくれるはずです(もちろん、相手からのリスペクトは求めるものではありません)。そんな関係性が築ければ、きっとより良い情報を仕入れることができ、読者にとって有益なコンテンツとなることでしょう。

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EIJI KITO

この記事の執筆者EIJI KITO代表取締役

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1973年生まれ。96年に同志社大学卒業後、新卒入社の宣伝会議で編集職の楽しさを知るも、己の未熟さから挫折。地元名古屋に戻り、プロトコーポレーションの制作部門に入社し、編集の仕事を学び直す。親会社に転籍後はWEBのプランニングに従事。03年フリー編集者として独立、06年法人化。エディマート代表として制作と営業を統括しながら、自身も編集者として最前線に立つ。好きな言葉は岡本太郎の「危険だ、という道は必ず、自分の行きたい道なのだ」。趣味はバイクとマイクラと部屋いじり。

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