2019.04.24 Wed
フォント選びの基礎知識。明朝体、ゴシック体って?
こんにちは。デザイナーの田中です。雑誌やwebなどのメディア、広告やパンフレットなど世の中はさまざまな書体にあふれています。制作物によって、伝えたい内容や読みやすさを考えて使い分けがされているのをご存知ですか?今回はフォントの適切な選び方についてまとめました。
目次
明朝?ゴシック?フォントの種類いろいろ
- 明朝体
- ゴシック体
- 楷書体
- デザイン書体
どの書体にも特色があり、読みやすさや雰囲気などそれぞれ与える印象が異なります。
長文に向いている明朝体
明朝体は10世紀の中国で盛んになった、木版印刷で使われた書体から始まったといわれています。「一」のような横線の右上に「うろこ」と呼ばれるアクセントがあるのが一般的。また縦線が太く、横線が細く表現されるため、縦方向に視線を誘導するのに適しています。まさに日本語の組版にぴったりですね。主に縦書きの長文を組むのに使われています。
幅広く使えるゴシック体
ゴシック体は基本的にすべての線が同じ太さで表されるフォントで、見出しなど強調したい文章などに使われたのが始まりです。今ではもっともよく使われるフォントといえるでしょう。横書きの文章もストレスなく読むことができるため、webならほぼゴシック体が使われています。派生として角を丸めた「丸ゴシック体」があり、カジュアルなシーンで活躍します。
重厚な印象の楷書体
楷書体は毛筆で書いたようなフォントで、一般的にはあまり使われることはありません。伝統的なコンテンツを扱う場合や、改まった場面で使うといいでしょう。
ポイント使いに!デザイン書体
デザイン書体はその名のとおり、デザインされたフォントのこと。ロゴなど目を引きたいものに使います。手書き風やレトロ調など、コンテンツに合う書体を使うとアクセントになりますね。本文などの長い文章には向いていないため、見出しなどのポイント使いに留めておいた方が洗練された印象につながりますよ。
場面によって書体と太さを使い分けよう
雰囲気が伝わる書体の選び方
使うフォントによってコンテンツの印象はガラリと変わります。一般的に明朝体は引き締まった印象を与えるため、フォーマルな制作物でよく使われます。ゴシック体はカジュアルな印象を与えることが多いでしょう。可読性はピカイチですね。ちなみに丸ゴシック体はよりカジュアルな場面に適しています。例えば下のような同じ内容でも受ける印象はだいぶ違いますね。
上の明朝体はフォーマルな印象に、下のデザイン書体ならばカジュアルなパーティーが想像できますね。この場合、参加者がイベントの雰囲気をイメージしやすい方を選びましょう。どちらも間違いではありません。
ターゲットによって文字の太さを意識して
文字の太さ(ウエイト)を選ぶことができるフォントがあります。見出しには太め、長文を読ませるときには細め〜標準のウエイトを選ぶのが一般的ですが、与える印象によっては見出しでも細めを選ぶことがあります。下の場合、太めの書体の方がインパクトはありますが、女性に向けたイベントならば細めでもいいでしょう。誰に伝えたいかを考えて選びたいですね。また、高齢者向きならば、太めのウエイトを選んで視認性を良くすると親切です。
ユニバーサルデザインフォントをかしこく取り入れよう
誰にでも読みやすい書体
日本語が母語ではない人にも読みやすいように「ユニバーサルデザインフォント」を使う場合が増えています。これは誰もが読みやすく、間違えにくいように開発されたフォントのこと。文字の隙間や濁点、半濁点の場所を工夫し、字の大きさに関わらず認識しやすいよう設計されています。現在使われている手書き文字に近いのも特徴です。例えばカタカナ「フ」ならば、右角に濁点・半濁点が重ならないようになっており、読み間違いを防ぐ配慮がされています。ひらがなの「な」「り」は日本語が母語ならば同じ字と認識できますが、そうでない場合、別の字に見える可能性もあります。
おわりに
ゴマンとあるフォントの中から、より適したものを選ぶのはなかなか難しいもの。書体選びに正解はありませんが、情報が正しく伝わるようにフォントの特徴を理解した上で選びたいですね。
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