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2019.05.13 Mon

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相手に伝わる!会議で使える!企画書の書き方

こんにちは。エディマート編集担当の礒永です。

ブレストやミーティング、意見交換などでステキな案がたくさん浮かんだとしても、それを誰かに伝えなくては意味がありません。その伝える手段が、企画書。エディマートとしては、出版社の編集部に対して提案することが多いです。

まずは企画書を作る前に、あらためて企画書とは何なのか?どう在るべきなのか?という点をおさえておきましょう。

1. 企画書の在り方

自分のやりたいことを伝える手段

前述の通り、企画書とは伝える手段の一つです。企画立案によって出てきたアイデアを、自分のやりたいこととして、上司や会議のメンバーに伝えるのです。ただまとめればいいというわけではありません。“伝わるように書く・まとめる”ことが大切です。

簡潔かつ詳細に、料理のレシピのように。

「簡潔かつ詳細に」?とツッコミが入りそうですが、メリハリをつけるということです。すべての項目で詳しく説明していては、長くなり読むのも大変。分かりづらい部分、より伝えたい部分を詳細に。それ以外は簡潔にまとめます。

例えるなら、料理を作るときのレシピのようなもの。野菜の切り方など基本的なことは簡潔に。調味料を入れる量と順番、投入タイミングや火加減など、調理(企画全体)のキモとなる部分は詳細に書きましょう。

上司や会議のメンバーの“納得”が目標

「○○な特集を作るという“目的”達成のために、この企画案が必要だ」と納得してもらうことを目標にしましょう。納得が得られれば、実制作に移ることができます。つまり、“企画が通る”ということです。

2.企画書作成の流れ

上司や会議のメンバーに納得を得るために、どのような項目を、どのような順番で組み立てればよいかを考えることが大切。項目は企画内容によって異なる場合もありますが、一般的に入れるべきものを列挙します。

企画書の項目例

  • 企画タイトル

    企画書作成の時点では仮でもいいですが、ある程度の企画内容が分かる言葉を選びましょう。テンションは企画内容に合わせるのがベター。

  • リード文(概要)

    企画内容をざっくり説明します、概要と企画提案に至った経緯などをまとめます。

  • 背景

    リード文で書いた経緯について、詳しく説明します。

    • 1.企画内容に関するデータなど客観的な事実を列挙
    • 2.その事実に基づく分析や仮説を提案
    • 3.その提案に基づくアイデア(テーマや切り口)

    上記の流れで、「このような事実と分析から企画内容を決めました」というバックグラウンドを、できるだけ具体的に書きましょう。

  • カテゴリ別の企画内容

    企画の中でカテゴライズした項目を列挙します。情報誌の場合はページ構成、イベントの場合は時系列の催事内容など。それぞれの概要も添えておきましょう。

  • スケジュール

    どのような日程で進行するかをイメージしてもらうため、スケジュールも必要です。この時点では「上旬」や「頃」でも構いません。

  • 担当メンバーの体制

    どれくらいの人数・規模で進行するのか。社内だけで実行するのか、社外も巻き込むのか。社外が会社単位になる場合は、その会社の業務内容(何ができるのか)を添えておきましょう。

上記にプラスして「企画の狙い」を入れるとより分かりやすくなりますし、「背景」に含めてもいいです。また、発注先を想定している場合は、発注の「予算」項目を設けましょう。

伝えたいことにより順番を変える

順番に決まりはありませんが、この通りがベターです。具体的な企画内容を先に言いたいかもしれませんが、「背景」を先に言うことで、その後の企画内容の説明時により納得度が増します。

太字、下線、マーカー、フォントを駆使しよう

視覚的に分かりやすく伝えることも大切です。文字ばかりでは読みづらいので、太字や下線、マーカー、フォントを変えて、少しでも読みやすく。また、表や図、写真、箇条書きを活用することも有効です。

3.エディマートにおける具体例

過去に作成した企画書を添付するのが一番わかりやすいかもしれませんが、ここでは「背景」に着目。冒頭で述べた“納得”につながる「背景」の部分を、具体例を使って紹介します。

女性ターゲットのグルメ特集(情報誌)の場合 その1

【企画 “いろいろな業態店のコッペパン” に至るまでの「背景」】

  • 客観的な事実

    ・2015年頃からコッペパン専門店が増えてきている。

    ・コメダコーヒーの新業態「コメダ謹製 やわらかシロコッペ」が2017年に名古屋駅にオープンし、2018年11月には栄に新店もオープン。

    ・別業態の参入も続いている

    (ex:喫茶店「パンの田島+ドトール」2018年12月オープン、アパレル「niko and… COFFEE」2018年11月オープン、豆腐店「おとうふ湯葉いしかわ」2017年11月オープン)

    ・既存店でも新メニューとしてコッペパンを提供する店が増えつつある

    (ex:コーヒースタンド、劇場売店「御薗小町」など)

  • 分析と仮説

    ・コッペパンの流行や店の増加はまだまだ止まないのでは。

    ・コッペパンの新しい専門店は、やはりニュース性があるのでおさえておきたい。

    ・別業態からのコッペパン専門店は話題性がある

    ・新メニューを出す店のジャンルが幅広い(「カフェ」「喫茶店」「ベーカリーカフェ」「コーヒースタンド」「低糖質パン屋」「劇場の売店」など)

  • アイデア

    コッペパンをテーマに、いろいろな業態店を切り口にする。

 

女性ターゲットのグルメ特集(情報誌)の場合 その2

【企画 “ランチで気軽に中華の飲茶” に至るまでの「背景」】

  • 客観的な事実

    ・2017年頃から「中華系バル」が流行

    ・小籠包やスイーツなど台湾や香港も含めたグルメが長年女性には人気。

    ・2018年12月、「世界の山ちゃん」の新業態「世界のやむちゃん」がオープン。点心や飲茶が味わえる本格中華の店。

    ・テイクアウトの小籠包や7色の小籠包など、行列店やインスタ映え店が人気。

  • 分析と仮説

    ・中華の流行、というより人気は継続するのでは。

    ・大皿でシェアしてがっつりというよりも、点心や飲茶を少しずつのほうが女性に好まれるのでは。

  • アイデア

    中華料理をテーマに、飲茶を切り口にする。

4. 最後に

あくまで一例としてですが、企画書の書き方を紹介しました。企画内容によっては項目や順番を変えてもOKです。そのようなときでも、「背景」の中身は詳しく、ほかの項目は簡潔に、メリハリを付けましょう。また、“自分の伝えたいこと”を念頭に置いて作成することも大切です。

今回紹介した手法は編集部向けですが、クライアント営業への提案としても「背景」などの要所は使えると思いますよ。

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RYOTA ISONAGA

この記事の執筆者RYOTA ISONAGAクリエイティブ・マネージャー

名城大学理工学部を卒業後、トヨタ系の自動車部品製造業に就職。「勉強したことを仕事に」という仕事の向き合い方は、次第に「好きなことを仕事に」という考えに変化。まったくの他業界から、2007年にエディマートに飛び込む。取材デビューは温泉旅館。現在では取材執筆もこなしながら、編集業務を中心に担当。ライターやカメラマンをはじめステキな外部ブレーンの方々と、上下ではなく横に並んで、ともにイイモノを創っていきたい。プライベートでは、二児の父親として奮闘中。ワークライフバランスを大切に。

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