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2019.05.13 Mon

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良い写真とは?編集者が知っておきたい写真の見極め方

こんにちは。クリエイティブ担当の須崎です。

日頃、写真を目にする機会ってたくさんありますよね。本や雑誌、新聞、パンフレット、ポスター、WEB記事など、あらゆる制作物に写真は使われていますし、最近ではSNSなどでも多く見かけることでしょう。

では、どんな写真が「良い写真だな」と感じますか?「テクニックを駆使した美しい写真」、「人の表情が自然に出ている写真」、「色味や雰囲気などがきれいな写真」などいろいろあると思いますが、あなたが「良い」と感じれば、それは良い写真です。

ただ、もし写真を使って何かを発信しようとしたり、制作物を作ろうとしたりしているのなら、何を「良い写真」とするのかを決め、説明できるようにしておくことが大切です。今回は編集者が身に付けたい良い写真の見極め方についてのお話をします。

 

1.アート写真と商業写真の違い

写真といえば、子どもの成長記録や旅の思い出などいわゆる記録写真が一般的かもしれませんが、プロが撮る写真は大きく2つ、アート写真と商業写真に分けることができます。編集者が主に扱う写真は商業写真にあたります。

  • アート写真

    記録としてや、情報を伝えるためではなく、個人の主観的視点で撮る芸術作品。自己表現に重きを置いたもの。

  • 商業写真

    雑誌や広告、カタログなどに使われる写真。カメラマンの主観ではなく、クライアントの要望に合わせて撮るもの。

 

2.商業写真において「良い写真」とは何か?

写真はものごとを伝える際の、重要な手段のひとつです。つまり、良い写真とは、「伝えたいことが人に伝わる写真」だと私は考えています。プロのカメラマンに依頼をした場合は、必要な写真の指示を出し、撮ってもらった写真の中から実際に使う写真をセレクトするのが編集者の仕事。どんなに「おしゃれ!」「かっこいい!」と思える写真を撮ってもらえたとしても、伝えたいものが伝わらない写真では意味がありません。

例えばこちらをご覧ください。2点とも朝食の写真です。

もしおしゃれなライフスタイルとして朝の風景イメージを伝えたいということであれば、左のようにふんわりと雰囲気のある写真でもよさそうですが、メニューやレシピなどの紹介として料理の内容を伝えたい場合はどうでしょう。右のようにしっかりと見せる写真のほうが伝わりませんか?

媒体によって「良い写真」は異なる

専門誌やファッション誌、ウェブニュースなど、媒体によってターゲットや伝えたい内容は変わってきます。それぞれに適した「良い写真」は何か、を考えるようにしましょう。

媒体ごとに求められる写真の例

  • 商品カタログ

    商品情報が細かく伝わるような、あらゆる角度からのカットや、部分的な寄りのカット

  • ファッション誌

    ターゲットの欲求に訴えかけるおしゃれな写真

  • グルメ情報誌

    美味しそうと思わせるシズル感のある写真、食欲をそそる写真

  • 旅行ガイドブック

    行ってみたくなるような美しい景色の写真

  • ニュース記事

    例えばサッカー選手がゴールを決めたというネタを取り上げるなら、その瞬間の写真

  • 高級ホテルの会報誌

    重厚感やラグジュアリー感のあるテイストの写真

商業写真は写真単体では完結しない

アート写真であれば写真だけで完結しますが、商業写真は大抵の場合、写真以外の要素とセットで使われます。例えば広告ならキャッチコピー、雑誌の表紙ならタイトルや特集の見出しなど。写真と写真を組み合わせることもあります。他の要素とどう組み合わせるのかを考えることが大切です。

写真単体で見るより、文字などほかの要素を組み合わせた状態で見てこそしっかりと写真が活きて伝わる誌面が作れたなら、編集者冥利に尽きるというものです。

 

3.「良い写真」を撮ってもらうためにやるべきこと

私は新人の頃、先輩に言われるがままにモデル撮影の現場に行ったら、ベテランカメラマンさんに「この写真、誌面のどこで使うの?モデルの視線や方向の指示がないとわからないよ」と指導され、反省した思い出があります。それからは「ちゃんと絵が見えているね」と言ってもらえることも増えました。「絵が見えている」とは、自分が求めているイメージが頭に浮かんでいる、ということ。あいまいに「良い写真を撮ってほしい」と伝えたところで、意図は伝わりません。

もしカメラマンに依頼した写真が、「思っていたイメージと違った」という経験がある方は、カメラマンに意図が伝わっていない可能性もあるので、下記のことを意識して伝えてみてください。

撮影前にカメラマンに伝えておきたいこと

  • どんな媒体に使うのか?

    媒体ごとに求められる写真の性質が違うので、ナチュラルが良いのか、力強い感じが良いのかなど写真のテイストを共有しておきましょう。

  • 何を見せたいor伝えたいのか?

    水族館の撮影で、ペンギンがたくさんいることを伝えたい場合、ペンギン1羽をクローズアップして撮った写真ではそれは伝わりません。しっかりと意図を伝えるようにしましょう。

  • 写真上に他の要素は載るのか?

    表紙や扉ページの写真なのに、タイトルが載ることを無視して撮影してしまうと、いざレイアウトする時にうまくスペースが確保できないという事態になりかねません。

  • どこに使うのか?

    右開きの雑誌の右側ページで、右方向に歩く人物の写真を入れると、読み進めていく方向と逆を向いてしまうので違和感が生じてしまいます。どこに載せるかも大事な情報です。

 

4.最後に

プロのカメラマンに撮ってもらったとしても、その写真を生かすのも殺すのも編集者の腕にかかっています。その写真を使って何を伝えたいのか、意図を明確にしておけば、自ずとどんな写真が必要なのかがはっきりします。

いろんなカメラマンと仕事をしたり、たくさんの写真を見て目を養ったりして、良い写真を見極められるようになると編集スキルも上がります。さらには、自分が求めるイメージを超える写真を撮ってくれる腕のいいカメラマンと出会えたら、より楽しい編集者ライフを送ることができるはずです!

 

MICHIKO SUZAKI

この記事の執筆者MICHIKO SUZAKIクリエイティブ・マネージャー

関西大学在学中、カンボジアの少年と出会ったことをきっかけに、無関心を卒業すべく13か国をめぐる地球一周の船旅に出る。知ることの大切さと伝えることの難しさを感じ、編集という仕事を志すことに。2009年エディマートにアルバイト入社し、4カ月後に正社員に。主にエリア情報誌(飛騨高山と伊勢志摩が得意!)や新聞広告、子ども向け新聞などの編集・ライター業務に携わる。なかでも映画関連の俳優・監督インタビューと、国内外問わずカメライターとしての旅取材経験多し。九州生まれ。

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