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2019.05.30 Thu

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カメラマンを活かす撮影ディレクション。写真撮影の基本ステップをおさらい

撮影ディレクション

以前の記事では、「カメラマン発注のマナー」についてご説明しました。

カメラマン発注が滞りなく完了し、撮影当日の準備も万端。次なるあなたのミッションは取材現場での「撮影ディレクション」です。編集者、ディレクターとしてチームをまとめ上げ、カメラマンのポテンシャルを最大限に引き出しましょう。

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1.撮影現場の動き。編集者、ディレクターがすべきことは?

撮影現場の動き

入念に準備をしたとしても“現場は生き物”と言うように、どこで予想外の事態が発生するかは予想できません。一方で、どんな時も「自分が周りに期待されている役割を果たす」ことを念頭に置いておけば、おのずとどう動くべきか見えてくるもの。

どこに気を使い、何を基準に判断すべきか、取材ケースごとに考えておきましょう。

2.グルメ撮影の場合

グルメ撮影

年間、弊社でもっとも取材回数が多い「グルメ撮影」。1日に複数軒をめぐる撮影スケジュールを組む場合も多いので、効率よく現場を回すにはあなたのディレクション力が大切です。

撮影の主な流れ―グルメ撮影―

  • お店の担当者に挨拶。企画内容、取材メニュー、撮影の流れを説明(相談)

    当日、対応してくれる担当者さんと、撮影の内容と流れをしっかり打ち合わせましょう。「資料を送ってあるから大丈夫」と割愛するのではなく、送った資料をあらためて見せながら、認識誤りのないようにしておくことが肝心です。

  • カメラマンと撮影の流れを共有。順序を整理して伝えること

    お店の方と撮影内容を打ち合わせたら、その内容をカメラマンに伝えましょう。「まずは内観を撮影して、そのまま店内イメージを数点。その後、あそこのテーブルに撮影セットを組んでメニュー撮影をお願いします。それが終わったら撮影セットを片付けて、外観とスタッフを撮影して終了です」というように、順序を整理して要点のみ伝えます。

  • お皿を借りて撮影の構図決め。写真のイメージを伝える

    カメラマンにもよりますが、メニュー撮影の本番前に空の皿で構図を決めることも。カメラマンに「空の皿をお借りしますか?」と確認をして、必要であればお店の方にお願いしましょう。この構図決めのタイミングで、あらためて写真のイメージをカメラマンに伝えておくと安心です。

  • 写真チェック。必要に応じて構図の変更をオーダー

    写真チェックのタイミングは、カメラマンと呼吸を合わせることを意識しましょう。カメラマンが微調整しているタイミングで声をかけてしまっては、息が合わずにギクシャクしてしまうことも。写真を確認した際も一方的にこちらの希望を伝えるのではなく、「良い写真ですね。この角度から撮影したらどうなりますか?」と写真を肯定し、より良い仕上がりを目指すようにしてください。カメラマンのテンションを上げるのも、ディレクター、編集者であるあなたの役目です。

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3.モデル撮影の場合

スタジオを使った撮影、観光スポットに出向くロケ撮影など、モデルを起用した現場もディレクションを入念に。関わるスタッフが増えれば増えるほど、高い経験値と、即座の判断力が大事になってくると思います。今回は、プロモデルを起用した「ロケ撮影」のケースを想定してご紹介します。

撮影の主な流れ―モデル撮影―

  • 集合場所で各スタッフの顔合わせ挨拶。一日の流れを確認

    集合したら、即移動。でも問題はありませんが、せっかくならきちんと挨拶して結束力を高めましょう。「誰かがやってくれる」のではなく、皆への声がけはディレクター、編集であるあなたの役割です。

  • 移動中はカメラマン、モデルと撮影の打ち合わせを

    あなたが運転している場合は別ですが、そうでなければカメラマンとモデルに声をかけて撮影のイメージを移動中にも伝えておきましょう。雰囲気を良くするために車内の会話を回しながら、移動中に必要事項をしっかりと説明しておくことが大切です。

  • 現場についたらまずはロケハン。すぐの撮影は基本的に避けたい

    事前にロケハンを行っていたとしても、可能な範囲で撮影場所を下見しておくとより良いでしょう。だからと言って、全員で移動する必要はありません。モデルには「カメラマンとロケハンに行ってくるので、その間に身支度を整えておいてください」と声がけすることが多いです。

  • 写真チェック。モデルへの気遣いも忘れずに

    グルメ撮影と同じく、写真チェックを行いながらロケを進めます。モデルへはポーズ指示を出すのと同時に、「やりにくくないか」「心配なことはないか」「疲れていないか」などを気にするようにしてください。一定以上に気を配る必要はありませんが、モデルの感情変化が仕上がりに影響する場合もあるため、注意が必要です。

4.インタビュー撮影の場合

インタビュー撮影

企業の社長や社員、タレントなど、インタビューとセットで行われるカメラ撮影。社長やタレントの場合は、立ち会うスタッフの数が多いことも想定されます。例えば社長であれば秘書や重役、広報担当者、タレントであればマネージャーやヘアメイク、スタイリストなど。その中から今回は、「タレントインタビュー」を想定してご紹介します。

撮影の主な流れ―インタビュー撮影―

  • 撮影の構図決め。タレントの拘束可能な時間を確認

    現場に入ったらまず、タレントが何時に入って、何時に出なくてはいけないのかを確認しましょう(前日までに確認していたとしても、念のため再確認を)。そして、撮影する写真の構図決めを行います。ポートレート撮影の場合は「どこで」「どんな風」に行うのか、インタビュー中の喋っている撮影であれば「タレントの背景に余計なものはないか」「カメラマンの導線は確保されているか」を気にすることが肝心。

  • タレントが現場に入ったら段取りに沿って進行を。和やかな雰囲気作りを心がける

    短い時間の現場だからこそ、良い雰囲気作りが大切。音楽をかけたり、差し入れを用意したりするのも、時には素晴らしい効果を生み出します。

  • 写真チェック。必要に応じて構図の変更をオーダー

    まずは自分で確認しますが、その後はマネージャーやヘアメイク、スタイリストに確認を促すようにしてください。彼ら(彼女ら)は、タレントをより良く見せるプロ。写真の構図や雰囲気を共有して、全員で“最高の写真”を撮影できる条件を整えていきます。また、タレントに対し、複数のポーズやカットを要求するのは良くないことが多いでしょう。カット数が増えるにつれ「迷っている?」と印象を付けてしまうこともあり、そうすると周りのスタッフ全員に「早く終わらないかな」という気持ちが芽生えることも。少しの不信感で、せっかくの現場が悪い雰囲気になってしまうため注意が必要です。

5. 最後に

今回は「撮影ディレクション」と「現場の流れ」を解説しました。撮影内容によってさまざまなところに気を使う必要がありますが、一番は“リスペクト”を持って接することが大切かなと思います。カメラマンは最高の写真を撮影してくれるパートナーで、周りの人もそれぞれの分野のプロフェッショナル。自分から積極的にコミュニケーションを図って、「こんな写真を撮影したい」という強い意思を持って臨めば、おのずと良い成果に繋がるかと思います。

もちろん、“気持ち”だけでは何ともならないことも多いので、しっかりと現場の経験値を積むことも大切。弊社は年間でさまざまな撮影ディレクションをこなす、経験豊富なスタッフがそろっております。何かに迷った際はご相談くださいね。基本から応用まで、具体的な例を提示しながらアドバイスしますよ!それでは、また。

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HIROKI HOTTA

この記事の執筆者HIROKI HOTTAアカウント・マネージャー

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2012年エディマート新卒入社。エリア情報誌や新聞を中心とした編集・ライター業務の経験を積み、2016年により深い“編集のおもしろさ”を求め大手出版社へ出向。出版社編集者として情報誌の特集制作、webメディアの新規立ち上げなどにたずさわり、2018年に再びエディマート勤務に。出戻り後は主にweb案件の新規開拓を担当し、2019年度よりセールス専任にポジションチェンジ。“編集のできる営業マン”として、ビジネス・クリエイティブの両面でお客様のサポートに務める。

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