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2020.03.04 Wed

インタビュー

「プロのモデルってどうやって依頼するの?」新卒編集者がモデル事務所に聞いてきた [前編]

こんにちは。クリエイティブ担当の恒川です。

最近、とあるガイドブックの編集を担当することになりました。誌面で自分のアイデアを形にできることが嬉しくてたまらないな~!とニヤニヤ。ロケをして、モデルさんを入れて華やかな誌面にしたいなあ~!なんて考えて…。

 

よく考えてみたら、私、モデルさんの出演依頼したことないんです…!なんて致命的な問題でしょう!

こうしてはいられない!ということで、名古屋のモデル事務所にお邪魔して、モデルさんの出演依頼について聞いてみることにしました。

今回お話を聞いたのは… 

名古屋のモデル・タレント事務所「ジオット」。

企業広告やCM、雑誌などさまざまな媒体で活躍するモデルが約70名在籍。制作部門も併せ持ち、自社モデルを起用したウェブサイトやプロモーションビデオなどの企画提案も手がける。2019年にはキッズ部門を新たに設け、幼児(3才〜)からシニアまで幅広いキャスティングへの対応が可能に。

1.事務所へのファーストコンタクト。まず伝えるべきことは?

こんにちは!今日はモデルさんの発注について詳しくお聞きしたくて来ました。ガイドブックの誌面でモデルさんを使いたいんですけど、どうしたらいいですか!?


恒川

小林さん

おっ、いきなりですね(笑)。


松井さん

順を追って説明していきましょう(笑)!

すっすみません…。私、モデルさんの発注をしたことがないので、本当に初歩的な部分から教えていただきたいんです!まずモデル事務所には、どうやってコンタクトを取るのが一番良いんですか?


恒川

小林さん

電話かメールが基本ですね。初めてのお客様の場合は、基本的にメールでもらうようにしています。僕らも人を扱う仕事をしているので、依頼主がどんな会社なのかリサーチするようにしているんです。

小林伸(こばやし・しん)/マネージャー。1985年6月2日生まれ、愛知県岡崎市出身。入社14年目。専門学校時代に学んだアパレル業界の基礎知識が役に立つと思い、入社を決意。 東海地方にとどまらないネットワークをもち、きめ細かなマネジメントと、さまざまな案件に対応可能な幅広いキャスティングが強み。

ふむふむ。そこでいきなり「モデルさん貸してください!」だけではアウトなのは百も承知なのですが、具体的にどんなことをお伝えすればいいんですか…?


恒川

松井さん

そうですね!まずはどんな風に」「どんな媒体で」「どの期間・どのエリアで使うのか、ということを提示してほしいです。

松井佳美(まつい・よしみ)/マネージャー。1988年9月17日生まれ、岐阜県出身。入社8年目。ジオットでのインターンシップを経て入社。新人の頃から現在まで、中高生モデルや新人の発掘、育成を担当している。

媒体概要企画内容、ってところでしょうか。


恒川

小林さん

そうですね。広告の場合はクライアント名も含めて、媒体、企画、期間、エリアと合わせて、コンテ(ラフ)も提示していただきます。それに見合うモデルをこちらで絞ってご提案するという流れですね!

なるほど!あ、ちなみにギャランティの予算も最初にお伝えしたほうがいいんですか?


恒川

小林さん

そうですね!ご予算がある場合は、それも踏まえて見合った子をご提案しています。

2.一番は“好み”!? モデルを選ぶときの決め手

モデルさんを提案してもらうときは、プロフィール資料のようなものを見せていただけるんですよね?


恒川

松井さん

そうです。いわゆる「コンポジ」ですね!

「コンポジ」とは?  「コンポジット」の略語。芸能人の業界内部宣伝用プロフィールカードを指す。写真のほかに、身長や足のサイズ、スリーサイズなどが記載される。起用するモデルを選ぶ際に重要な資料となる。

コンポジは、どんな観点から見るのがおすすめですか?何を判断材料にして選ぶのが正解なのか、よくわからなくて…


恒川

小林さん

ん~最終的には好みが一番ですよね…(笑)。表情や雰囲気、髪色、そして

好みか~~!! って、いやいや、顔の好みで選ぶなんて超絶シビアじゃないですか!?選ばれないモデルさん、辛すぎじゃないですか!?関係ないのに私が悲しくなってきた…。


恒川

小林さん

…というのはさすがに冗談です(笑)。でも、本当に編集者さんそれぞれの好みに委ねるしかないんですよ。自分が作る誌面に、こんな子に出てほしい!っていう理想は確実にあるでしょうからね。

それは間違いないですね。単純に見た目の好みというわけじゃなく、誌面に出てほしいと思う人ってことなんですね。


恒川

小林さん

そういうことです!あとは強いて言うなら、コンポジで着ている服装の系統を見てみるといいかもしれないですね。情報誌だと、私服での撮影が多いじゃないですか。

確かに!前に先輩のモデルロケに同行したとき、私服をいくつか持って来てもらっていたような記憶があります。


恒川

松井さん

情報誌の撮影は特に、メイクも衣装も自前で!ということが多いので、持っている服の系統から見て自分のイメージに合う子を最初から選んでおけば、ミスマッチがなくて安心ですよ~


小林さん

そうそう!特に服装は、事前に細かく指定してもらえるとイメージしやすいんですよ画像1枚でもいいので、発注の段階で送ってもらえると、より的確に候補を絞ることができますね。

そんなに細かいところまで指定していいものなんですね。例えばゴスロリ系とか、超ハイブランドで固めたコーディネートとかもアリなんですか!?


恒川

小林さん

そんな個性強めな私服を持っている子いるかな…(笑)。でも、そういうことです!

3.企画とのマッチングを意識したモデル選びのコツ

モデルさんを2人以上お願いするときに、こちら側が何か気を付けるべきことってありますか?


恒川

小林さん

まずは身長差ですよね。男女ならあまり問題ないですが、女性2人で150センチ&170センチのような極端にアンバランスにならないように組み合わせて選んでもらった方がいいと思います。

確かに誌面でそんなにデコボコしてたら気になっちゃいますね…。


恒川

松井さん

あとは、企画の内容によると思いますけど、その2人の関係性を重要視する編集者さんは多いんじゃないかな?例えばカップルや友達の設定だったり、「○○っぽく見える2人」というように…。

確かに…!紹介するスポットによっては、カップルで行くイメージが強い場所だったり、女子たちに人気のスポットだったりしますもんね。


恒川

小林さん

そうそう。前に「本当に仲の良い子2人で」という発注もありましたよ(笑)。嘘偽りなく本当に仲が良さげな絵が撮りたいってことで。

おおお…そんなにリアルなところまで(笑)。


恒川

小林さん

本当にそうなんです。人によっては、内面的なことも言われますよ。かわいいだけじゃなくて「初々しい感じ」とか…。

え~!じゃあ例えば、アウトドアの特集だったら「本当にアウトドアが好きな子」なんてこともできてしまったりするんですか!?


恒川

小林さん

そういうことです!それだけじゃなくて、「こういう感じの子がいたらいいな」というビジョンは、可能な限り明確に細かく伝えてもらえたほうがお互いがスムーズなんですよね。

確かに。でも、イメージにピッタリ!という子がたまたまスケジュールが合わない…なんてこともよくあるんじゃないですか?


恒川

小林さん

もちろん。特にそういう子はキャリアを積んでいるから、スケジュールも埋まりやすいですね。その場合は、近いイメージの新人や、将来的に同じタイプになるだろうという子をご提案しています。

より最近の姿を知りたいときは?

ちなみに、こんなことを聞くのは失礼かもしれないですが…


恒川

松井さん

なんでしょう?

いざ現場に来て、実際に見たらコンポジとイメージ違ったというのも“モデルあるある”だと聞いたことがあるんです。


恒川

小林さん

なるほど。

コンポジ写真はどのくらいの頻度で撮るものなんですか?


恒川

松井さん

少ない子は1年に1回ですね。それこそ髪を短くしたり染めたり、イメージがガラリと変わったときには撮るようにしています。なので、安全なのは「コンポジと変わりないですか?」と事前に聞いてもらうことかな…。

なるほど。仮に変わっていたとしても「今は暗めの茶髪です」とか、どう変わったのか詳しく教えていただければ予想できますしね。


恒川

小林さん

あとは、どうしても不安なら最低限の注意事項だけはマネージャーに伝えておくと良いかも。絶対に髪の毛を明るくしたら困る!とか、ロングヘアじゃないとダメ!とか。さっきの話で言うと、女性2人をショートヘアとロングヘアで組み合わせたい!ということもあると思うんですよね。

そうか…!モデルを選ぶポイントもしっかり伝えておく必要があるということですね。


恒川

小林さん

そうです!それから、選ぶときにコンポジだけで判断するのではなく、インスタグラムなどのSNSをやってる子に関しては、直近の投稿を見て一番最新の状態をチェックしてもらえるといいかもしれないですね。

その手がありましたね!やはりSNSもどんどん有効的に使われるようになってきているんですね。


恒川

 ここまでを振り返って…  

「この企画でモデルさんを使いたいです」というだけでなく、予想以上に細かいところまでイメージを伝えるのが大切なんですね。こちらの要望が細かければ細かいほど、理想にマッチしたモデルさんを提案していただけるだなんて…ありがたい限りですよね。現場の声を聞きに行ってよかった!

モデルさんの選び方も、編集者によってさまざま。依頼を何度か重ねていくうちに、言わずとも好みがわかってくることが多いのだとか。「この子を選ぶはず!」って予想しながら提案してくれることもあるそうですよ。好みを理解してもらえるほどの信頼関係を築けたら嬉しいですよね!


恒川

4.事務所選びの基準のひとつは「信頼できる」かどうか

ところで名古屋のモデル事務所って、新人の私が知っているだけでも本当にたくさんあって、しかも規模感も大小さまざまじゃないですか?


恒川

松井さん

そうですね!

キッズモデルが多かったり若い女性モデルが多かったり、はたまた男性モデルに力を入れていたり…得意分野はさまざまですよね。でも、そもそもどの事務所に発注したらいいのか、誰しもまずそこから迷ってしまうと思うんです…事務所を選ぶ基準とかあるものなんでしょうか?


恒川

小林さん

そうですね…それを僕らに聞いちゃいますか(笑)。

はい…。すみません教えてください…(笑)!


恒川


小林さん

(笑)。基準の一つとして挙げられるのは、協会へ加盟しているという点です。ジオットの場合は「日本モデルエージェンシー協会」に所属しているんですよ。

日本モデルエージェンシー協会」…?そんな団体があるんですか?


恒川

松井さん

そうなんです。モデルの肖像財産権を守って、安全な活動ができるようサポートしている団体です。信頼のある事務所しか所属できないようになっていて、所属している事務所はガイドラインも統一されています。

なるほど…!協会に所属している事務所をチェックしてみるのも一つの方法だと。やはり、信頼という部分は大きいですよね。ガイドラインというのは?


恒川

小林さん

主に、モデルの肖像利用の注意点や出演料、契約などについて記されています。モデルを発注する前には、是非ともチェックしてみてくださいね! 

5.モデル発注はガイドラインを読んでからがスタートライン

ガイドラインを改めて読んでみると、当たり前のことなのにハッとするような一文も。モデルさんを依頼するということは、人を取り扱うということ。出演してほしい!と思ったら、まずはガイドラインをしっかり読みましょう。


恒川

さて、基礎を学んだら、次回はもう少し深掘り。後編では、ガイドラインには載っていない現場のリアルな話や、実際に起こったタブーな事例もたっぷりと聞いていきましょう!!

 

写真:渡邊秀男(ジオット)

 

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MIZUKI TSUNEKAWA

この記事の執筆者MIZUKI TSUNEKAWAクリエイティブ・ディレクター

愛知淑徳大学在学中にエディマートにアルバイト入社し、2019年4月に新卒入社。大学ではメディア制作を専門に学びながら、韓国語の習得に勤しむ。2年次の夏季休暇中にはソウル市内の語学堂へ3週間の研修、3年次には大邱広域市の大学へ交換留学を経験。帰国後に報告書やレポートをまとめたものが冊子として形になり、自分が見聞きしたものを人に伝える楽しさ、難しさを知ったことから編集の世界に興味が芽生える。韓国アイドルと特撮とF1とバンドが好き。エディマートで一番の高身長。

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