2019.12.11 Wed
外部ライターに記事を発注する際に気をつけたいポイント。ライターと良い関係を築くためには?
企業として、プロのライターに執筆を依頼するケースは多いのではないでしょうか。ブログ・コラムの代筆やメディアの運用、広報誌、企業案内、製品カタログなど、情報発信ツールの制作ではライターの力が必要になります。
ライターとの仕事で、「スムーズに進行できなかった」「イメージと違う原稿が納品された」という経験はありませんか?それらはもしかすると、発注側の知識不足によるものかもしれません。
弊社は文字に関わるコンテンツを扱っているので、年間で1000件以上はプロのライターに記事制作を依頼しています。それらの経験で得た「ライター発注」のノウハウを例に、最低限、押さえておきたいポイントを解説します。
目次
1.まずは、案件の背景を共有しておこう
制作素材だけ共有し、「とりあえず書いてください」は発注においてNG。媒体の概要やターゲット、制作の意図を説明して、お互いの認識誤りを防ぎましょう。
コンセプトとターゲットを明確に
ライターとして一番困るのは、「誰に向けて書いているのか分からない」というケース。掲載する媒体(メディア)は何を発信していて、どんな人に情報を届けようとしているのか。発注時にライターに伝えるようにしましょう。
- できるだけ大勢の人に読んでほしい
- あらゆる年齢層の人に届けたい
上記のオーダーはコンセプト、ターゲットを伝えたことにはなりません。ペルソナがあればその資料を共有するのも良いですし、できるだけ明確なオーダーを心がけることが理想です。
クライアントの意向を共有
クライアントの依頼を請け負い、ライターに仕事を発注する際に気をつけてほしいポイントです。発注主であるクライアントは「どんな意向」で、仕事を依頼してきているかをライターに共有するようにしましょう。
「新商品の購入につなげたい」「イベントに足を運んでもらいたい」「会社のブランド価値を高めたい」など、記事を作る意義が何かしらあるはずです。
- なぜ、この記事を作るのか
- 記事を読んだ人に何と言わせたいか
上記2点をライターに共有することで、訴求ポイントにブレのない記事が出来上がるはずです。
2.どんな記事を作りたいのかを考える
発注段階で最終的なアウトプットのイメージを固めておくことは、とても大切。伝えたい情報や目的によって、記事の形式は異なります。
参考にしてほしい記事のイメージ
ひと口に「記事」と言っても、さまざまなパターンが存在しています。「こんな記事で…」と口頭で伝えてもうまく理解されないケースがあるので、サンプル記事のURLをいくつか示してあげると良いでしょう。
弊社が記事制作のサポートをしている実例から、いくつかのパターンを紹介します。
<インタビュー記事編>
・対談形式
聞き手(インタビュアー)、語り手(インタビュイー)の会話形式で進められる記事。読者は自然な流れで読むことができるのと、口調をうまく表現することで語り手の個性も伝わりやすいですね。
・三人称形式
聞き手(インタビュアー)の言葉で文章が進み、要所で語り手(インタビュイー)の言葉が差し込まれる記事。話題を論理的に紐解いていけることが、この記事の特徴です。テーマに対するライター自身の理解度も問われるということもあり、執筆難度はやや高め。
・二人称形式
終始、語り手(インタビュイー)の言葉で展開されていく記事。エッセイのような体裁で、本人の伝えたいことをストレートに感じることができますね。ライターはその人の特徴を汲み取り、文章を組み立てていく技術が必要になります。
<お役立ち記事編>
・社内スタッフによるブログ形式
独自のノウハウを持つ社内スタッフの知識を、プロのライターがサポートしながら記事を作っていきます。記事から社内スタッフの姿が伝わってくることもあって、親しみを抱きながら読み進めることができますね。
・情報記事
伝えたい事柄をまとめ、情報をシンプルに伝える一般的な記事です。Web上に掲載される記事はこのパターンが多いのではないでしょうか。
3.執筆上のルールを決めておく
媒体には、表記や文体など執筆上のルールが存在するはずです。「伝え漏らしていて大量の修正が発生した」。そんなことにはならないように、事前に漏れなく共有しておきましょう。
表記規定
「ひらがなにする」「漢字にする」「記号のルール」「数字表記」など、表記規定が存在している場合は共有するようにしましょう。表記規定が存在しない場合は作成されるのをおすすめしますが、難しければ「記者ハンドブック」に沿って執筆をお願いしても良いでしょう。
例えば原稿をチェックする際にも、「表記揺れが発生した際は記者ハンドブックを参考にする」など、ルールを作っておくのがおすすめです。
文体「敬体(です・ます)」「常体(だ・である)」
文末を「です・ます」で終わる場合を敬体、「だ・である」で終わる場合を常体と呼びます。どちらの文体で執筆してもらうか、しっかりと伝えるようにしてください。それぞれの役割については、下記のように説明できるかと思います。
- 敬体…読み手に対して“丁寧”に事柄を伝えたい場合
- 常体…読み手に対して“簡潔“に事柄を伝えたい場合
前提として、敬体と常体はひとつの文章で混在することはありません。混在することで読み手は雑然とした印象を抱き、うまく読み進めることができなくなってしまいます。
引用元
情報のソースはできるだけ、発注者が支給するようにしてください。ライターはあくまで文章を書く専門家であり、あらゆる情報に精通している訳ではありません。インタビューや取材が発生する場合は対象者の事前資料を、調べ書きの場合は参考にしてほしい資料を共有するようにすると良いでしょう。
4.制作進行上の取り決めを交わす
ライターへの相談・発注時に「スケジュール」「記事の依頼本数」「単価」「修正の有無」を伝えることも忘れずに手配するようにしてください。これらの共有がしっかりできていなければ、ライターとの信頼関係を築くことが難しいかもしれません。
スケジュール
確実に伝えておきたいのは、以下の2点。
- 発注日…構成案(記事の骨子・設計図)、参考資料の支給日
- 納期…執筆をスタートしてから、記事納品を希望する日程
これら2点を事前にアナウンスすることはもちろん、どちらに関してもライターに相談を行った上で決定することが理想です。あなたの会社の専任でない限り、ライターは普段から多数の案件を抱えて仕事をしていることでしょう。例えば、発注者の認識で「中2日」を作業日と設定しても、その2日間はすでに別の仕事で埋まっているケースも考えられます。
最初の内は特に、ライターとこまめにコミュニケーションを図りながら、お互いにとって最良のスケジュールを組み立てていくことが重要です。
記事の依頼本数
1記事ずつ五月雨で発注するよりかは、可能であれば、何本かまとめて発注する方が制作はスムーズに進みます。
前述した通り、大切なのは事前相談によるコミュニケーション。「いつまでに◯本の記事を制作する必要があり、全部で△本の執筆をお願いしたいのですが…」と、具体的な本数を提示しながら依頼していくと良いでしょう。
執筆費(単価)
ライターへ支払う執筆費は、以下のケースがあります。
- 文字単価
1文字◯円のように、記事の文字数で算出する方法。クラウドソーシングなどでは1文字0.1〜1円もありますし、一般的なプロライターでは5円〜を目安に考えると良いでしょう。
- 記事単価
1記事◯円と、文字数に関係なく記事本数で算出する方法。弊社のweb案件で圧倒的に多いのが、記事単価をベースにした取引です。インタビュー記事で3万円〜(取材費別)、調べ書きでも1万円〜が目安となります。
- ページ単価
紙媒体の算出方法。出版案件であればメディアが設定する価格表に沿って、広告案件であれば制作物の予算に応じて決められることがほとんど。主に取材のあり・なし、情報の専門性、世に出た際の影響力によって、金額が変動します。
ライターへ単価の提示、見積もりを依頼する際は、ここまで記載した項目を伝えることができると安心。伝える情報に具体性が欠ける程、ライターとしては金額の算出が難しくなります。
5.さいごに
私がまだ駆け出しのころ、先輩ディレクターに教えてもらった考えがあります。ライターに仕事を依頼する際は、「ライターが作業のみ集中できるように下準備を入念にし、修正も細かく出す」「制作の大筋はライターの感性に委ね、失礼のないように修正は最小限に留める」の2パターンで考えるべきと。
「とりあえずライターに任せておけばいい」「プロなんだからうまいこと書いてくれる」「発注に時間をかけられないほど忙しい」という形では、なかなか思い通りの成果は得られないもの。お互いを尊重し合い、プロジェクトに伴走してくれるパートナーを作ってくださいね!
またweb記事の制作、冊子の制作パートナーなど、ライターをお探しの際は弊社までお気軽にご相談ください。
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