2021.06.16 Wed
記事作成で使いたいツールとは?WEB記事の誤植を防ぎ、スムーズに進めるためのツール選び指南
みなさんは記事作成のときにアプリケーションなどのツールを活用されてますか?
すでにMicrosoftのWordなど、文章を作成するためのテキストエディタや校正ツールを使っている人も多いことでしょう。
近年増え続けるWebメディアでは、“設定したターゲットに記事が読まれる”という「コンバージョンの最大化」も大切なミッション。
Googleの検索アルゴリズムでは、独自性のあるコンテンツを重視するため、SEO対策でも記事のオリジナリティが欠かせない状況です。
また万が一、ライターから提出された原稿が別のメディアから盗用されたものであれば、社会的信用を失うリスクも。
上記のような現状をふまえると、Web記事作成にあたっては、情報リテラシーを高めるだけでは不十分です。
テキストエディタとともに、検索ボリュームを見ながら記事に盛り込むべきワードを選定する「キーワードプランナー」「Ubersuggest」「ミエルカ」、文章の推敲や校閲を行う「文賢」、テキストコンテンツの類似度を分析し盗用を防ぐ「CopyContentDetector」などを使いこなし、スムーズな進行に努めなければなりません。
この記事では、Web記事のクオリティを上げつつ、コンバージョンの最大化につなげるためのツール選びをご紹介。「伝わる」ことにこだわってきた編集プロダクションとして、ツールだけでは解決できない大切なポイントもまとめていますので、最後までお読みください。
1.記事作成ツールの種類や有料と無料の違いについて
Web記事の制作において、どんなシーンでツールが活用できるでしょうか。
Webメディアでの記事作成は、キーワード選定からはじまり、構成案作成、文章作成、校正と進みます。その工程ごとに適正なツールはありますが、どの制作会社もかけられるコストには限りがあります。
エディマートでも品質と効率を上げるため、数々の記事作成ツールを試してきました。そして、編集プロダクションの視点から「本当に使える」ものを選んでいった結果、あまたあるツールからしぼりこまれてきた状況です。
記事作成ツールの種類
エディマートでは大きく、「キーワード選定」「文章作成」「校正」にわけて記事作成ツールを使用します。
構成案の作成ツールもリリースされていますが、コストバランスの観点、「伝わる」記事づくりをめざす当社として人の手を介したい思いがあるため、使用していません。
- キーワード選定のためのツール
コンテンツに関連する検索ニーズや、競合サイトの状況をリサーチ。記事制作のための適切なキーワードを洗い出し、絞り込むためのツール。
- 文章作成のためのツール
正しい漢字変換をしたり、規定の文字数におさめるためにカウント機能を使ったり。カットやペースト機能を活用して文章の流れをよりよくするためのテキストエディタ。
- 校正のためのツール
誤字や脱字、表記のゆれの防止だけではなく、よりわかりやすい表現への変更を促す機能も。既存のWebコンテンツとの類似度を確認できるツールは、盗用防止に役立つ。
無料ツールと有料ツールの違い
記事作成ツールは、無料ですべての機能が使えるもの、有料でしか使えないもの、有料と無料で機能に違いがあるものに分けられます。
有料のツールのほうが機能的に優れているのは当たり前ですが、前述のように、記事作成ツールにかけられるコストには限りがあることでしょう。
大切なのは、
・Web記事で重きをおいている点が何か
・ツール使用者(ライター側)が重きをおいている点が何か
を認識することです。
SEO対策によるコンバージョンの向上が厳命されているならば、キーワード選定ツールに投資をすべきですし、記事のオリジナリティをめざすなら有料であっても盗用防止ツールを使うべきかもしれません。
有料ツールであっても、期間を限定しながら無料で使えるものがほとんどですので、まずはいろいろなツールを実際に使ってみて、本当に使える、本当に使うべきツールのみ有料版に切り替えるのが得策だと考えます。
契約形態についても、使用単位、月や年単位といろいろあるので、有料への切り替えの際には必ず確認をしておきましょう。
記事作成ツールのメリットとデメリット
これらツールをうまく活用すれば、Web記事の品質向上に役立つはずです。しかし過信は禁物。メリットとともにデメリットを頭に入れたうえで、使用することをおすすめします。
- コンバージョンのアップにつながるキーワードを、エビデンスをもとに選定できる
- 知識に乏しくても、正しい漢字に変換できる
- 表記のゆれを防ぎ、統一感のある記事に仕上げられる
- 規定の文字数にあった記事を納品できる
- 誤字や脱字を防ぐことができる
- 既存メディアと類似する記事のアップを防ぐことができる
- 有料ツールの場合はコストがかかる
- 思い違いによる漢字の変換ミスは防ぐことができない
- クラウドツールの場合、ネット環境により使用が制限される
- システマチックな記事になり、読みやすさや面白さが軽減される場合がある
- ツールに頼りすぎると、使用者側の能力が劣化する
デメリットに挙げた「思い違いによる漢字の変換ミスは防ぐことができない」とはどういうことでしょうか。
たとえば参考資料に「遍く」と書かれていたときに、執筆者が「あまねく」と読むことができず、手入力で間違って「偏く」と入力したとします。この場合、ツールの校正機能をすり抜ける可能性が高く、人の目で校正をしなければ誤植のままアップされるかもしれません。
「ツールに頼りすぎると、使用者側の能力が劣化する」も同意です。漢字変換に頼りすぎると、上記のような誤植は防げませんし、キーワード選定においても、選定者に基礎知識がなければ、最終的な正しい判断はできません。当社としては、記事作成のツールはあくまでも「補助」とすべきだと考えます。
2.記事作成の現場で実際に使っているツールを紹介
次に、多くのWeb記事の執筆を手掛けてきたエディマートが、実際に使っているツールをご紹介します。
いずれのツールも、コストバランスを考えながら、品質の高い記事制作のための「補助」として必要だと判断したものです。
キーワード選定ツール「キーワードプランナー」
Googleが提供する「キーワードプランナー」は、記事の検索順位をアップさせるために必要なキーワードを見つけるためのツール。Google広告アカウントを開設し、Google上に広告出稿を行うことで使用可能になります。
エディマートもキーワード広告に出稿することで、「キーワードプランナー」が使えるようになりました。
作成する記事に関連するキーワードを入力することで、Google上での月間平均検索ボリュームや、競合の度合い、広告インプレッションシェア(キーワードでインプレッションやクリックを獲得できる可能性)、広告の単価実績が確認できます。
記事に関連するキーワードの中で、検索ボリュームの多いものを選定するのが一般的ですが、競合の度合いが高ければ見直す必要があります。
本格的なSEO対策ツールとは比較になりませんが、比較的安価にキーワード選定ができるため、エディマートでも活用しています。
キーワード選定ツール「Ubersuggest」
無料でキーワード選定ができるツールをお探しなら、「Ubersuggest」をおすすめします。Ubersuggestはキーワードプランナーと同様、調べたいキーワードの検索ボリュームを知ることが可能です。
使い方はキーワードプランナーとほぼ同じで、調べたいキーワードをポストするだけ。キーワードプランナーでは「100~1000」「1000~1万」と、幅広いレンジで検索ボリュームが表示されるところ、Ubersuggestではより具体的な数字を確認することができます。
また、オーガニック検索での競合分析結果を、「SEO難易度」として数値化してくれるのもわかりやすいでしょう。
なお、キーワードプランナーでは、検索ボリュームの対象期間が4年前より設定できるため、選定したキーワードの検索が増えているのか、減っているのかがわかります。一方のUbersuggestは、無料プランでは直近の状況しか確認できません。
エディマートでは無料プランのまま、キーワードプランナーと併用することで検索ボリュームのエビデンスとしています。もし機能のグレードアップを図りたい場合は、最も安価なパーソナルプランであれば月額2,999円で利用可能です。
キーワード選定ツール「ミエルカ」
有料のSEO対策ツールとして多くの会社で活用されているのが「ミエルカ」です。SEOにおける課題を洗い出し、内部最適化、内部対策、コンテンツ作成を行うことで検索表示を上位へ押し上げます。
ミエルカの優れている点のひとつに、コンバージョンに足りないコンテンツを可視化できることが挙げられます。キーワードの検索市場の大きさや、自社と競合他社のキーワード別の流入差をグラフィカルに見ることが可能。
また、検索ユーザーの知りたいこと(インサイト)を確認できる機能も便利。メインのキーワードからつながる第2、第3のキーワードが見えるため、記事の構成案を作成する際に参考にすれば、ひとつの記事に対して、どのような章立てをすると効果的なのかもわかります。
料金プランは、利用アカウント数や1日あたりの取得キーワード数などに違いがある3つのプランを用意。もっとも安価なスタンダードプランで、初期費用10万円、月額利用料15万円です。
それなりに費用はかかりますが、定期的にWebライティングの案件を抱え、より本格的にSEO対策を行う必要があれば、選択肢に入れるのもよいでしょう。
文章作成ツール「Word」「Googleドキュメント」
多くの人が、テキストエディタとしてWordを活用しているのではないでしょうか。
Wordは1983年に初版がリリース(日本では1991年にリリース)された、歴史ある文章作成ソフトです。
Word上で文章にいろいろな装飾を施し、そのまま印刷原稿としたり、Webに公開したりすることも可能ですが、他のアプリケーションに流し込んだり、CMS登録を行うための、プレーンなテキスト素材を作成するためのツールとして使用することが多いと思われます。
ほとんどのWeb記事は「〇文字~〇文字」や「〇文字以上」という、文字数について仕様が切られていることでしょう。また、誤字脱字や表記のゆれを防ぐことは、記事作成の最低限のマナーです。
Wordの校閲機能を使えば、文字数のカウントや簡易な文章校正は可能。エディマートでも毎日のように活用しています。
従来はインストール版が主流でしたが、近年はMicrosoftアカウントを取得すれば無料で利用できる「Word Online」が用意され、パソコンにWordをインストールすることなくほぼ同等の機能を使うことも。
オンラインでの共同編集も可能なため、ライターの原稿をチェックして修正箇所についてコメントを添えるなど、業務の効率化につなげることができます。
なお、Googleアカウントがあれば無料で利用できる「Googleドキュメント」も、Word Onlineとほとんど同じ機能を備えています。クライアントによって、デスクトップ版やオンライン版の希望や指定があることも。そのため両方の環境を整えておき、どちらでも対応できるようにしておくことをおすすめします。
文章作成ツール「Excel」「Googleスプレッドシート」
「Excel」や「Googleスプレッドシート」は、基本的に「表計算」をするためのツールです。
しかし記事作成で活用するシーンも少なくないため、エディマートでの実例を紹介しましょう。
当社では、カタログ系の記事や、用語集の作成、住所や営業時間・定休日などのデータを複数取り扱う記事作成の場合、ExcelやGoogleスプレッドシートを活用しています。表の1行目に項目名を入れ、2行目以降からテキストをエントリーしていきます。「キーワード」や「文字数カウント」を表示して、常に確認できるようにできる点でも便利です。
複数のレコードを並べて見ることができるため、同じような表現が続いていないか(仕様によっては「同じような表現にまとめられているか」)確認したり、データの表記にゆれがないかをチェックしたりする作業もスムーズになるでしょう。
Word OnlineやGoogleドキュメントと同じく、オンラインでの共同編集も可能。膨大な量のレコードの場合、複数名で作業にあたることも少なくありません。データは常に最新の状態に更新されるため、作業の効率化を図ることができます。
校正ツール「文賢」
先ほど、簡易な文章校正はWordやGoogleドキュメントでも可能と書きましたが、より本格的な校正を行うなら、有料ツールの「文賢」の導入も検討してみましょう。
文賢は誤字や脱字、誤植のチェックだけではなく、文章表現を確認してより適切な言い回しの提案もしてくれるため、自身の原稿のレベルアップに役立てることができます。
フォームにテキストを流し込むだけと、手順も簡単。不快表現や日本語の誤用も洗い出してくれるため、「炎上」を防ぐという観点からも有用です。
料金は、通常プランで初期費用11,880円+1ラインセンスあたり月額2,178円。ライセンスをまとめることで値引きされるプランも用意されています。
エディマートでも文賢を利用しており、納品前には必ず文賢を通すことをルール化しています。
校正ツール「CopyContentDetector」
かつて医療メディア「WELQ」では、盗用を交えて信ぴょう性の低い記事を量産し、大きな社会問題となりました。
WELQまではいかなくても、まだまだWeb上には他のメディアから安易にコピー&ペーストをして作られた記事が散見される状況です。
記事作成にあたっては、盗用は絶対にいけません。しかし、意図しなくても既存メディアと似たような記事になってしまうこともあるかもしれません。
また、Googleの検索アルゴリズムで独自性のあるコンテンツを重視する以上、既存メディアとの類似は避けるべきでしょう。
エディマートでは、「CopyContentDetector」という無料ツールを使い、このような事故を未然に防ぐように注意しています。
オリジナリティのある記事作成を心がけながらも、念のため既存メディアと類似していないか確認したり、ライターから納品された原稿が盗用でないかチェックしたり。
CopyContentDetectorでは、対象となるテキストを流し込み、「チェックする」ボタンをクリックするだけで、既存メディアとの類似度をパーセンテージで表示し、「コピーの疑い」「要注意」「良好」の3段階で判定してくれます。
3.記事制作を専門に行うエディマートが、ツールを使う理由と使わない理由
情報誌や書籍の制作からスタートしたエディマートは、記事作成の高いスキルを持ち合わせているため、当初はツールの導入に懐疑的でした。
スタッフができることに、なぜ余分なお金を払う必要があるのか、と。
しかしWeb記事の作成においては、競合となるのは同業の編集プロダクションだけではありません。記事制作のノウハウがなくても、ツールを駆使することでコンバージョンの最大化を図ろうとするSEO対策会社、記事のデザインやコーディングを行うWeb制作会社など、業種を超えて参入しているのが現状です。
そこで当社は、これまで培ってきた「興味深く読ませる力」「内容をターゲットに伝える力」に、ツール導入によって得られる「リーチを高める力」「制作をよりスムーズに進行する力」を加えることで、さらに上のレベルのWeb記事をめざしています。
最後にあらためて、記事制作を専門に扱うエディマートが、ツールを使う理由と使わない理由を整理しておきます。
記事作成ツールを使いたいシーン
当社では、「エビデンスを元にしたキーワード選定」「複数&ボリュームある記事のスピーディな進行」「複数&ボリュームある記事の品質の標準化」「誤植や盗用の確実な予防」に関しては、記事作成ツールを必ず使うようにしています。
簡単にいえば「人の手より機械が優れていると思われるタスク」です。
-
コンテンツのコンバージョンを高めるためには、検索ボリュームをエビデンスとしたキーワード選定を行い、記事に盛り込むことは欠かせず、この工程はツールを使わなければできません。
-
キーワードの検索市場の細かな分析や、競合サイトの流入キーワードの分析などは、無料のキーワードプランナーでは叶えられませんが、必要最低限のキーワード選定は可能。クライアントのオーダーに応じて、SEO企業とタッグを組むことも行いますが、Web記事制作のいろはの「い」として、ツールを活用したキーワード選定は欠かせません。
- Web記事は流入を高めるために、短期間で複数のボリュームある記事を制作することが少なくありません。
スケジュール内に確実に納品するためにも、記事作成ツールによる文章作成、校正のスピードアップは有効的です。 - 同一サイト内に複数の記事がアップされる場合、文体や表記の統一は確実に図りたいもの。エラーの洗い出しは、人の目よりも機械に軍配が上がります。
- 当社が記事作成ツールを使う、もっとも大きな理由がこちら。Web記事はアップ後でも直せることから、品質の低いものも多く見られます。オールドメディアと比べ、Webメディアは信ぴょう性が低いと感じるユーザーが多いというデータも。
- 当社ではWeb記事の信頼性を高めるため、「人の目」と「ツール」を重ねた誤植の完全阻止、また自社スタッフや発注したライターからあがってきた記事が盗用でないかを確認するためにツールを使用しています。
記事作成ツールを使わないシーン
一方で、どれだけ便利な記事作成ツールがあっても、当社では使わないシーンも。
まさに使うシーンと逆の、「人の手のほうが機械より優れていると思われるタスク」です。
先ほどもふれましたが、構成案の作成ツールはあるものの、「伝わる」記事づくりをめざす当社として人の手を介したい思いがあるため、使用していません。
記事を読むのは「人」。キーワードを効果的に盛り込んで、ターゲットに見られたとしても、その記事が読まれ、さらにターゲットの心を動かすかは別問題です。
記事は、その内容によって適切な流れや構成があります。また、ときにセオリーから外れることで読者を引き込んだり、気づきを与えたりするテクニックも。
人々を引きつける作家は、文章力以上に、高い構成力をもちあわせています。いずれ、AIが構成を作り、文章をまとめる時代が来るかもしれませんが、現状は「見られる」施策では機械に軍配、「読ませる」「伝える」施策は人間にはかなわないと考えています。
4.記事作成ツールのまとめ
このように各種ツールは、使い方によっては確実にWeb記事の品質向上やスピードアップに役立ちます。
しかし、ツールに頼りすぎた記事は、どれも同じような仕上がりとなり、ターゲットに届いても、心を動かすまでには至らないでしょう。
大切なのは、ツールを「補助」として使いながらも、ターゲットの立場に立って構成案をつくり、「魂」をこめ、「味」を添えること。エディマートでは「コンバージョンと同じぐらいエモーションが大切」を合言葉に、「見られて伝わる」Web記事を作成しています。
Web記事でお困りの際は、ツールとともにぜひエディマートも頼ってみてくださいね。
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