2019.08.19 Mon
効率アップの香盤表づくりとは?飲食店やテーマパーク取材に使えるスケジュール術
クリエイティブ担当の礒永です。
エリア情報誌の場合、掲載されているのは飲食店や観光スポットが中心です。新しく撮影する物件が決まれば、掲載依頼をしたのち、取材撮影の日程調整をすることになります。
「複数の取材先をどのように時間調整すればいいのか?」
「撮影点数が多いスポットでの一日の流れは?」
「優先するべきことは何か?」
「事前に頭に入れておくべきことは何か?」
今回はエリア情報誌においての、取材スケジュールの組み立て方を紹介します。
目次
1.基本的なスケジュール表・香盤表の作り方
スケジュールを組み立てるための準備から、スケジュール表や香盤表の作成まで基本をご説明します。まずは、コツではなく一般的なことから考えていきましょう。
事前のリサーチは必須
公式ホームページや公式SNSなどで、取材先の定休日と営業時間を必ず確認しましょう。飲食店の場合、営業時間内に取材撮影をすることは基本的にNG。事前に確認をし、把握しておくことが大切です。
その後に電話をして、該当媒体への掲載依頼。掲載OKならば、取材撮影のアポイントに移ります。
取材対応OKな曜日と時間帯をヒアリング
電話で日程調整をする際、まず取材で訪問してもいい曜日と時間帯を聞きます。このとき「来週1週間の中で」「9月10日から20日のなかで」など、具体的に期間を区切って聞けるとベストです。
その場でうかがう日時を決定してもいいですが、自分の予定と納期、複数店舗の取材なら他店との兼ね合いもあります。それらを考慮して日時を調整し、再度連絡をしましょう。
二度目の連絡で先方と相談し、やっと取材撮影の日時が決定します。先方に覚えておいてもらうために、取材撮影の日時を明記した取材趣意書を送付しておきましょう。
そして、スケジュール表の作成に移ります。
スケジュール表の作成
アポイントの時間、住所、当日の担当者、撮影内容などを表組みで作成します。エクセルが簡単でオススメですが、ワードでもメール本文でも大丈夫です。カメラマンなど共有する相手に、分かりやすく確実に伝わればよいのです。
ワードの場合は、文字サイズや色、太字や下線などを駆使して見やすく整える必要があります。これは企画書や報告書など、提出書類の作成時と同じです。
できるだけ空き時間を作らない
1店舗目と2店舗目の間に1時間空いてしまった…、ということにならないように効率よくスケジュールを組み立てましょう。自分一人であれば事務所に戻ったりノートパソコンなどで仕事をしたりもできますが、カメラマンやモデルなど複数同行者がいる場合、ほかの仕事がやりづらい時間を与えてしまうかもしれません。
それを防ぐために、上記のように電話でのヒアリングをしたのち、複数店舗の取材OK時間帯を見比べましょう。飲食店の場合は、長く見積もったとしても取材撮影で1時間、移動で30分~1時間(実際の距離から要算出)。これを基本に、ムダのないアポイントを入れることがスケジュールの効率化につながります。
モデル撮影がある場合は「香盤表」が分かりやすい
香盤表とはスケジュール表の一種で、自分以外の動きも詳細に書かれたもの。モデルや広告代理店の同行、撮影チームが2班いる場合など、取材にはさまざまなケースがあります。縦軸に時間、横軸に登場人物を並列させるのが一般的で、その時間に誰がどのような動きをするか一目で分かるようにまとめましょう。
ちなみに「香盤」とは、香道でお香を置いておくのに使われる板や台のようなもの。見た目がマス目状になっていて、表のように見えることが由来しているのだと思われます。
2.エディマートにおけるコツの具体例
エディマートの実績として、月刊のタウン情報誌ではビアガーデンやタピオカドリンク、ラーメンなど一日に複数の店舗を回ることが多いです。一方、年1回発行のエリア情報誌では東山動植物園や名古屋城など、一日に1か所の取材撮影をすることもあります。
大きく分けて、この2パターンの具体例を紹介します。
一日に複数店のグルメ取材をする場合
飲食店が希望する時間帯は、アイドルタイムの14時から17時が大人気です。重複した場合はどのように組み合わせればいいのか。複数店舗を回るからこそのコツというものがあります。
- 優先すべき事項
まずお店側が「この時間にスタート」と指定してきた場合は、それを軸として他店を組み合わせます。また、居酒屋やバーの場合は夜取材を。外観や店内写真が明るくては違和感があります。そのような店のジャンルによって、最初に軸を決めるとあとが楽です。
- 午前中も聞いてみる
飲食店は、ランチのために午前中は仕入れや仕込みなど準備で忙しいことが一般的。取材も断られることが多いですが、念のため聞いてみましょう。意外とOKな場合も少なくありません。もしOKなら、午後のスケジュールが少し緩やかになるかも。
- 取材軒数が多いときは1時間刻みで
一日に5軒以上回らなければならないときもあるでしょう。撮影内容や店舗間の距離にもよりますが、取材45分・移動15分を前提として考えます。その場合1時間刻みで取材ができますので、14時スタートの場合4軒回って18時ごろに終了。午前中に1軒入れられれば合計5軒となります。
話を聞く取材は、後日電話であらためることもできます。撮影を優先しましょう。
一日にテーマパーク1か所取材をする場合
テーマパークには豊富なアトラクションに加え、レストランでのグルメやショップでのグッズもあり、撮影点数がいっぱい。モデルを連れて取材撮影することも多いです。
- 園内マップをしっかりと頭に入れる
どこに何があるのかをしっかりと把握。移動距離と所要時間も事前に確認しておきましょう。客は入れないが撮影の場合は入れる場所など、取材の場合の注意点も施設担当者に事前確認を。これらのことはコツというより基本に近いです。
- 同じ場所でまとめて撮る
近くにあるものや、その場所でできることは撮影する時間を固めましょう。誌面に登場する順番に撮っていては、ムダな移動が発生してしまうかもしれません。テーマパークではなく、神社や寺、キャンプ場、温泉街、古い町並などでも同じことです。
- 香盤表を信じすぎない
モデル撮影がある場合は香盤表があるほうがよいですが、その進行はあくまでも絶対ではありません。施設都合や客の状況、天候、モデルの体調など、取材中にはさまざまな変化が起きます。細かい香盤表でも目安として、余裕をもって臨みましょう。撮影順序を前後させるなど、代替案を考えておくとベストです。
3. 最後に
スケジュールの組み立ては基本もコツも、事前の準備が大切。その作業によって得られる情報が、効率アップのスケジュールにつながります。
撮影点数が大量だったり、複雑な香盤表の撮影だったり、なかなかヘビーな取材撮影も少なくありません。それでも、スケジュールを香盤表どおりに進行できた時の達成感たるや。ひとしおです。そんな気持ちを味わうためにも、効率のよいスケジュールの組み立てに努めましょう。
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