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2021.05.24 Mon

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薬機法チェックや医師監修で、医療記事の品質を向上しよう。その記事、本当に大丈夫?

日本は高齢社会を迎え、さらに近年は新型コロナウイルス感染症の拡大にともない、医療への関心度はますます高まる一方

しかし医療情報に高いニーズがあるからといって、安易にコンテンツ化するのは危険です。誤った情報は読者の健康や命を脅かすことにつながるでしょう。また、専門知識が十分でないと薬機法(旧薬事法)に抵触してしまうことがあるため、法的リスクを十分に理解して記事作成を進める必要があります。

みなさんがまとめようとしている医療記事は、本当に大丈夫でしょうか?
書いた記事に、責任はもてますか?
タイアップ記事の場合はクライアントにまで責任が及びます。

かつて医療メディア「WELQ」では、SEOを狙って信ぴょう性の低い記事を量産し社会問題化しました。ここで紹介するのは、医療記事を「SEOで上位表示するためのコツ」ではありません。
みなさんがまとめる医療記事が「本当にユーザーに役立つ」ために、必要なノウハウや注意点を解説していきます。

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1.医療記事を手軽に作ろうとしない

 

コンテンツのジャンルによっては、公的なWebサイトや文献を読み解いて、原稿をまとめることも少なくないでしょう。

しかし前述の「WELQ」は、ネット上の情報を、真意を確認しないまま組み合わせてコンテンツ化したことで大きな問題に。当社では医療記事については、基本的にWebサイトを参考にしないように注意しています。

ネットで正しい情報を得るのは、容易ではない

「新型コロナウイルス」を例にあげると、ネット上ではさまざまな情報が上がっています。まだ不明点も多いウイルスということもあり、医師が発信している情報であっても、人によって見解は異なっている状況です。

じつはこれは、コロナに限ったことではありません。
専門的知識をもたない個人が発信している情報を参考にするのは論外ですが、広く知られた病気であっても、医師によって推奨する予防法や治療法が異なることも。

医療に「絶対」はありません。しかしそれぞれの医師は、責任をもって自らの知識と技術で治療にあたっています。もしあなたが、Web上のある専門医の情報をもとにしながら、その存在を明記せず自分の記事としてまとめたとしたら、何かあったときに責任をもてますか?
当社は、医療記事は「誰が発信しているのか」が重要だと考えます。どういうことか、次の項で説明します。

 

2.信頼できる専門性の高い医療記事を作るには

エディマグでは以前、良い原稿における専門性の重要性についてお話しました。

医療記事では、誤った情報を発信することにより、場合によって読者の命に係わる危険性があるため、専門性がより大切になります。
そして、ライターが専門性を持ち合わせていない以上、記事の品質を高めるためには専門医への取材をし、その医師を発信者とするべきでしょう。

<参考>Web記事における専門性の重要度

  • 今回はSEO対策を主眼においていませんが、医療コンテンツのWeb記事においては、SEO対策の観点からも専門性の高い記事を作ることが重要です。
  • 2019年にGoogleが発表した報告書では、「お金や健康に関する検索に対しては、専門性・権威性・信頼性を重視した結果を表示します」といった内容が明記されています。つまり、検索順位やビュー数を上げるためにも、専門性が高く正確な情報を発信した記事を作る必要はあります。

専門医への直接取材により信頼性を担保

記事の専門性を高めるために、優先的に取り入れたいのが専門医への取材です。取り上げたい病名や症状別に、最適な医師に取材することで、記事の信頼性が担保されます

また、どんな人が罹患しやすいのか、予防法や治療法、症例や患者の声などをコンテンツに盛り込むことができ、読者に有益な記事になるでしょう。

取材すべき専門医は、自分で調べたりツテをたどったりしてもいいですが、その病気に関連する学会に問い合わせ、認定医を紹介してもらう方法があります。

多忙な医師への取材は感染症予防の観点からも、オンラインで行うのが有効です。オンライン取材のコツもまとめているので、参考にしてみてください。

なお、専門医に取材をして記事を作成する際には、必ず医師のプロフィールを入れてください。発信者は取材をした医師です。もしくはライターが聞き手となり、医師が語る形式も考えられます。

原稿は公開前には必ず、取材した医師の確認を受けましょう

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3.医療タイアップ記事を作る前に知っておきたいこと

医療記事の中には、新聞やWebなどの疾患啓発記事や、製薬メーカーや医療機器メーカーをスポンサーとしたタイアップ記事もあります。
その場合は、特定の医薬品の広告と誤解されないことや、過度な期待を与える表現などに注意をする必要があります。

薬機法の基本を理解しておこう

具体的には、医薬品の広告について定めた医薬品医療機器等法(薬機法、旧・薬事法)の内容に則り、記事を制作しなければなりません。

<参考>医薬品医療機器等法(薬機法)とは?

  • 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品(以下、「医薬品等」)の品質と有効性及び安全性を確保するために、製造、表示、販売、流通、広告などについて細かく定めたものであり、医薬品等を製造、販売、広告する場合に必ず関わる法律。
  • 医療記事において、確認しなければならない広告については、第66条~第68条に定められています。
    第66条 虚偽又は誇大広告の禁止
    第67条 特殊疾病に使用される医薬品又は再生医療等製品の広告方法の制限
    第68条 承認前の医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品の広告の禁止
    (医薬品医療機器等法より、一部抜粋)

医薬品等は人体に影響する可能性があるため、過剰な広告によって、読者(消費者)が誤った認識を持たないようにしなければいけません。そのために必要なのが薬機法の順守です。
詳しく知りたい方は、厚生労働省のWebサイトを参考にしてください。

正しい情報発信のため、必要に応じて医師監修を

一般のライターで薬機法の内容をすべて理解している人は少ないでしょう。

そこで頼りになるのが医師監修です。

現役の医療従事者にエビデンスに基づいた監修をしてもらうことで、記事の権威性や信頼性が高まります。また、今の医療現場を知っているからこそ、読者が知りたい情報を伝えることが可能になるでしょう。

当社でも、医療に関するタイアップ記事を作成する際や、正確性について確証を得る場合に、医師監修をお願いすることがあります。医療従事者による監修や医事指導などを専門で行ってくれる業者もあるので、必要に応じて利用することをおすすめします。

4.正確な医療情報をよりわかりやすく伝えるためのテクニック

これまで、専門性が高く正確な医療記事を作るために必要なことについて解説してきました。その上で、読者にとってよりわかりやすい記事にするためのテクニックをご紹介します。

対談やQ&Aを採用

医療記事における専門性や権威性の重要度については、これまで解説した通りです。

一方で、読者の立場になってみると、専門用語や医療用語が羅列された記事というのは、必ずしも理解が深まるとは限りません。とくに新聞や雑誌の記事の場合は、専門知識を持たない幅広い読者層を想定する必要があります。

そこで採用したい記事スタイルの一つが、「対談」です。

取り上げたいテーマの専門知識を持つ医療従事者(有識者)と、あくまで一般的な知識のみを持つ読者と同じ立場の人との対談記事にすることで、読者に目線をあわせた記事に。

医療従事者の対談相手としては、メディアのデスク担当、アナウンサー、タレントなども候補となります。対談相手の実体験や感想を交えることで、想定する読者により伝わる記事になるでしょう。

また、読者の疑問を想定した質問を投げかける、「Q&A」形式の記事も選択肢の一つ。読者の「なぜ?」「どうして?」を提示することで、わかりやすい記事にすることができます。

医療記事にも「編集の力」を活用

上記で一部の例を挙げたように、せっかく専門性が高く正確な情報を盛り込んだ医療記事をつくっても、読者に読まれ、理解されなければ意味がありません。

想定した読者に読まれる記事を作るために必要になるのが、「編集の力」だと当社は考えます。

医療テーマに最適な有識者の選定やアサインから、最適な記事スタイルの提案、記事内容の構成や質問案の作成、医師監修の手配など、すべて編集者におまかせ

対談形式の記事であれば、台本案の作成もオーダーすることができます。もっとも、この台本は予備知識で制作したものであるので、医療従事者による取材で精査されますが、あるのとないのとでは、進行に大きな違いがあります。

4.当社が担当した医療記事の実例を紹介

「睡眠障害」啓発記事

☆睡眠障害の権威にインタビューをして、最新情報を発信

睡眠時無呼吸症候群に代表される睡眠障害は、パソコンやスマートフォンなどで昼夜問わず光にさらされるいわば現代病。近年の研究で、不登校児童の原因を調べてみると、睡眠障害が潜んでいるケースがあることがわかってきたそうです。
こちらの記事では、春と秋の「すいみんの日」にあわせて、睡眠障害の研究と治療の第一人者である塩見利明先生に、睡眠障害の基礎知識とともに、最新情報をインタビュー。数年にわたり、新聞を通じて睡眠障害の啓発を行いました。

一宮西病院「市民公開講座」記事

☆専門医による市民公開講座を聴講し、整理しながら紙面化

病院が市民に向けて開催する医療セミナーや公開講座。それらを現場だけの学びとするのはもったいないでしょう。近年は動画撮影を行い、Webで公開することも盛んですが、記事化することで高齢者を含むより多くの読者に啓発することが可能です。
当社ではさまざまなシンポジウムやセミナーを聴講し、その内容の記事化も行っています。一宮市の総合病院で開催された市民公開講座も、数回にわたり記事化し、広く市民に伝えるお手伝いをさせていただきました。

5.医療記事のまとめ

いかがでしたか。

新型コロナウイルスの影響もあり、病院や医師への負担は増すばかり。正しい医療情報を私たちが理解することは、医療従事者への無駄な問い合わせを減らし、往診時間の削減にもつながると考えます。

繰り返しになりますが、医療情報はともすれば命にかかわりますので、安易なコンテンツ化やSEO偏重の記事づくりをするのは危険です。

ぜひ正しい手順で作成し、「本当にユーザーに役立つ」医療記事が完成することを願います。もちろん、当社もお手伝いさせていただきますので、お気軽にご相談ください。

 

 

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EIJI KITO

この記事の執筆者EIJI KITO代表取締役

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1973年生まれ。96年に同志社大学卒業後、新卒入社の宣伝会議で編集職の楽しさを知るも、己の未熟さから挫折。地元名古屋に戻り、プロトコーポレーションの制作部門に入社し、編集の仕事を学び直す。親会社に転籍後はWEBのプランニングに従事。03年フリー編集者として独立、06年法人化。エディマート代表として制作と営業を統括しながら、自身も編集者として最前線に立つ。好きな言葉は岡本太郎の「危険だ、という道は必ず、自分の行きたい道なのだ」。趣味はバイクとマイクラと部屋いじり。

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